ぺんぎん書房が清算

メルマガ「COMIC SEED!通信 Vol.024. 2005.11.01」より“引用”。
 http://www.melma.com/backnumber_115275/

COMIC SEED!編集部です。
いつも『COMIC SEED!』をご愛読いただき、ありがとうございます。

突然のご報告になってしまいますが、『COMIC SEED!』は11月3日(木)をもちまして、休刊させていただくこととなりました。
COMIC SEED!』の母体であった株式会社ぺんぎん書房清算に伴い、単体で『COMIC SEED!』を運営することができなくなってしまったためです。
直前の段階での告知になってしまい、大変申し訳ございません。
深くお詫び申しあげます。

11月3日(木)に『COMIC SEED!』のHP(http://comicseed.com/)も更新し、全てのコンテンツは消え、本誌自体も読めなくなります。

なお、「第2回COMIC SEED!大賞」に関しましては、後日『COMIC SEED!』HP上にてお知らせします。
今しばらくお待ちください。

「世界初の完全無料WEBコミック誌」として創刊して3年余り。
これまで読者の皆様からお送りいただいた温かいご声援には、感謝の言葉もございません。
本当にありがとうございました。

メールマガジンCOMIC SEED!通信」は、今回にて廃刊させていただきます。
ご利用ありがとうございました。
なお、「melma!」自体の解約を希望される場合は、お手数ですが読者の皆様ごとに解約のお手続きをお願いいたします。

なんと……。
「ふくふく。」(ふる鳥弥生)を早く手に入れておかねば。


 http://blog.livedoor.jp/k_akira777/archives/50212936.html

これにより、COMIC SEED!は今月号で休刊になり、スタッフの方が今も無給でがんばってくださっておりますが、再開のめどは立っておりません。
2〜3日中に、現在あるCOMIC SEED!はネット上からも下がる予定です。COMIC SEED!そのものは黒字を出していたのに、ぺんぎん書房本体のあおりを食らった形での終了で、口惜しい限りです。

単に連載が切られたというだけではなく、実は私の数ヶ月の原稿料および、複数の単行本の印税が未払いの状態であり、おそらく回収は難しいでしょう。
それがちょっとした年収ほどの金額に達しています。
来月こそは来月こそはと延ばされて遅配されていた状況で信じてがんばってきましたが、今後も入ってくる見込みがないという状態です。債権者として回収に努めますが、おそらく回収は難しいでしょう。

倒産するとは知らないまま、予定されていた収入がない事態に貯金を切り崩して耐えるという、経済的に後がない状態に追い込まれた後で、過去の仕事の収入と今後の仕事を一度に失いました。特に単行本の収益がないのは大変な痛手です。漫画家の原稿料というのは労働対価としては非常に安い側面があり、単行本収入があるからやっていける部分があります。

 http://web.archive.org/web/20031213023302/http://www.mangatown.mainichi.jp/press/p21/contents/01.html

−−採算についてはどう考えてましたか

平田  現在、マンガ雑誌というのは出せば出すほど赤字になるといわれています。有名な大手月刊誌ですら、月に5000万円の赤字と聞いています。その赤字を埋めるのは単行本の売上げです。コミックシードが少し違うのは、「どうせ赤字になるのなら始めから無料にしてしまおう」という考え方でやっているということです。コストも紙よりはかからないですからね。それに、無料配信のほうが「攻めてる」という姿勢のような気がするんですよね。はっきり言うと、コミックシードは立ち読みのメディアだと思っています。立ち読みで自分の好きな漫画を見つけ出して単行本を買ってもらえればと思っています。

平田伸行 1960年東京生まれ。絵本の出版社や大手出版社の系列編集プロダクションを経て、ワニブックスに入社。「COMICガム」の創刊を手がけ、編集長を勤めた後01年に独立。ぺんぎん書房を設立し、現在に至る。


 既刊リスト(http://www.penguin-shobo.co.jp/kikan/index.html)を見るに、マンガ単行本が稼ぎ頭だったのは、間違いないんじゃなかろうか。
 「コミックシード」の黒字が、額でどの程度だったのか(とんとんでも黒字とは言える)分からないが、紙媒体の雑誌に比べた発行経費は少なかったろうし。


本業の出版で負債を抱えたようには思えんなぁ……。


会社の入ってるビル(http://www.penguin-shobo.co.jp/kaisha/index.html)の前、しょっちゅう通ってるな……。


  • コミコイン、サピエンス開発の閲覧ソフトをシステムチェンジ。マック対応に

 http://www.venturenow.tv/venturenews/vn20030605-01h.html

COMIC SEED!は、ぺんぎん書房(本社:東京都千代田区、代表:平田伸行)が編集企画を、ファミマ・ドット・コムが運営・配信を担当して提供されるオンラインコミックマガジン。同マガジンの配信には、株式会社サピエンス(本社:東京都豊島区、代表:蓮池曜)開発のコミック閲覧ソフト「Comic Reader」が利用されていたが、同社が新たなコミック閲覧システムを開発したのに伴い、COMIC SEED!の配信システムも変更される事になったという。

大手コンビニチェーングループなら金はあるんだろうから、運営配信を担当してるファミマドットコムが、編集部も引き受けてくれたらどうか。


 http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/henshukaigi/index_0510.html

実録・私はこうして出版社を企業した
  地球丸 代表取締役  菅井康司氏
  フリースタイル 代表取締役  吉田保
  アートン 代表取締役  郭充良氏
  ぺんぎん書房 代表取締役  平田伸行氏

神保町でバックナンバー探してこようっと。


 http://chiba.cool.ne.jp/doriken/kazumi.htm

さて、ぺんぎん書房は最終的に、コミックSEEDのみを他社に売却する道を模索しているようです。ただ、倒産になる前にその売却先が見つからなかったようです。そこで休刊と言うことをアナウンスすることになると思いますが、売却されてあらためて同じ体制で始めることになるか、またはその売却先の意向によってまったく違う体制(連載陣の刷新など)かは不透明ですので、「あけおめっ」の連載をこのあと続けることがあるか?というのは私自身にもわからないところであります。

黒字事業であったため、さすがに売却というカタチであれ、事業継続は前提としてあったよう。でも、売却で編集方針の変更などは当然ありうるから、現連載陣をそのまま、という訳にもいかないだろう、という難しい状況。



それと、すいません、松本ドリル研究所の人と同一人物だとはつい知らず。「あけおめっ!」と「勤務中異状なし」も明日すぐ購入に走ろう。

単行本「勤務中異状なし」も出せたことはとてもうれしかったです。ですが、編集側にお願いされて私が電撃に連絡を入れる形で原稿返して貰ってきたんですが、まあぶっちゃけその印税とか入ってきません。

私自身は本が出さえすればお金の話は生きてく程度あればいいんで、ぼちぼちでいいんですが、その際にその手続きにおいて微妙に不満が残ったままなのが惜しまれます。

不満というのは、なぜか私が電撃に連絡入れて原稿貰って、ある意味あけおめを休んでまで単行本出すことになったことです。あのあたりでスケジュールの調整がややこしくなり休みがちになります。私本人はギリギリの状態でスケジュールを組んでましたので、どんどん後からはいる単行本作業や販促のイラスト仕事、ネームの直しなど、どんどんと不満はつのって、最終的にはモチベーションがかなり下がることとなりました。

今になってみれば、なぜそれを強制してまで勤務中異状なしの発売にこだわったのかは「なるほど」と思うところですね。新しい原稿料はらうことなく(電撃にお金を払ったとか聞いてません)本を出す体制を組むことができたのですから。

幸いにも勤務中異状なしは増刷が掛かるほどの評判でして、読者の皆様には感謝の言葉しかありません。印税などは結局私に入ってきませんが、電撃では出す予定はなかったであろう読み切りをまとめた物を、読者の皆様に提供できたのは大変よかったと思ってます。

 デッドラインが近づく前に、と単行本作業にかなりはっぱをかけられたらしい。そういうずるっこいというか、後から聞くと脱力感に襲われるような状況もあったという話。


 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/comic/1110620315/

567 :名無しんぼ@お腹いっぱい :2005/11/01(火) 22:23:59 ID:3TJNm1dP0
情報解禁したの? んじゃ。

破産申請をしたのは月曜日。ギリギリまでSEEDだけ残そうとして、SEEDのスポンサーを探していた。
ただし、非常にヤバイ状態ってのは、先週のうちに作家には知らせていた。
また、先週の段階で業界関係者にも噂が広まっていた。
社長も破産申請をしたらしい。私財を突っ込んでたんだろうね。

あくまで2ch情報だが、月末の支払いまでなんとか粘った、という経過は想像しやすい。

ポルノでも不当表示はダメ=露骨さ足りず、業者に罰金−英(時事)

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051101-00000016-jij-int

問題のポルノは、映画・ビデオの一般向けやR指定、成人向けなどを決める同国映画委員会の指示で、一部が削除されていたにもかかわらず、業者はカタログやパッケージに削除された部分を表示して販売。2004年7月に3本のビデオを購入した女性の客が不当表示だとして訴えた。

エロはエロでも、程度の問題じゃなくて、有無の問題。
わいせつ性うんぬんではなくて、日本なら公正取引委員会の業務範疇。
紛らわしい見出し、つけやがる。
英には、わいせつ性の強弱に法的拘束力をもつ指標があるのか期待したのに。

きっと最近のエロマンガは面白くなってるはずなのに。

  • 9月11日に生まれて――色々

 http://d.hatena.ne.jp/pecorin911/20051101/1130835999

伊藤さんの本では「マンガが面白くなくなった言説とはなんであったのか?」「キャラとキャラクターの分離」、この二点が大きな問題提起になっています。当然、この二つを巡る議論が交わされたわけで、興味深かったですよ。

前者の議論に関しては80〜90年代に漫画評論にかかわった人間の多くがあたかも枕詞のように「最近の漫画はつまらんツマラン」とゆーてたわけですね。お前はどうよ? といわれると、ぼくはあんまりそういうことを言ったり書いたりした記憶がない。というのはぼくがかかわっていた美少女系のエロ漫画の第一期黄金時代が80年代中〜後期です。いったん90年前後の大弾圧時代を経て90年代に突入して、倍々ゲームで成長したジャンルです。その現場に居合わせた人間としては「面白い♪」の一言でした。

大塚英志さんが、吾妻ひでおさんの作品を美少女系エロ漫画の到達点じゃ、みたいなこと言ってるわけなんだけど、じゃあ、その到達点以降はどうだったのか? というのがぼくの仕事なわけです。

結論からいうと吾妻ひでお的な意味での美少女漫画はなるほど吾妻ひでおが到達点でオッケーなんですが(トートロジーだけどね)、これも「つまらなくなった」言説のバリアントかもしれません。

実際はそこから変容し、あるいは進化した「美少女系エロ漫画」は幾つもの到達点を抱えています。なんせ20年以上のドラマがあるんだもん。それを無視するのはどうか? ということです。

 80年代前半までの黄金期は大塚がまとめてきた。
 一方、90年に「ANGEL」でいわゆるセックスありのエロマンガに目覚めた自分にとって*1、コミックジャンキーズやエロマンガ誌内のコラム、書評などがあった90年代後半までは、バックナンバーや単行本、脳内の追体験を繰り返すことでなんとか当時の流れをまとめにかかることはできないでもないが、その90年代よりもよほど投下資金に余裕があるはずの21世紀に入ってからのほうが、なぜかエロマンガの有り様を掴みがたくなってるのは、それについての鋭い評論や幅広い視野をもった言説が目に入りにくくなってるのかな、とは思う*2

*1:「いけないルナ先生」や「やるきゃ騎士」で目覚めたとしてもいいが、少年誌という性格や個人的な性な目覚めの強弱といった問題があって、ここで止めておく。「ルナ先生」は思い切り有害コミック騒動の余波を受けたし遡るべきかもしれないが。

*2:たとえばここ数年、商業誌に出てくるエロマンガについての話は、「蜜室」わいせつ裁判騒動がらみになりがちで、どの作家や本が良い悪いという話があまり目立たなかったり