旧聞、そして現在

最相葉月のなんでやねん日記
http://homepage2.nifty.com/jyuseiran/sunbbs8/index.html
6月23日の第35回生命倫理専門調査会で薬師寺泰蔵会長が委員らの多数決による強行採決をし、人クローン胚作成について、限定的ではあるけれども、容認の道が開けた。
'Life Science Information Net'http://homepage2.nifty.com/jyuseiran/main.htmlを主催するジャーナリストの最相葉月氏は、そこに至るまでの議論の徹底されなさ、一部委員の出席率のあまりの低さといった問題を指摘してきていた。そして、7月14日の日記で、

私は、日本でのヒト胚研究、生殖補助医療目的に受精卵をつくる研究も、卵子や受精卵や中絶胎児を研究に利用することも、すべてに反対します。それはすなわち、私はこの件に関して、ジャーナリストではなくなったということです。

と宣言し、それ以降、この件に対して目立った発言がなかった。
そして、久々の更新となった8月31日付けの日記で、

私自身がこの6年間にわたるクローン技術やES細胞研究など、ヒト胚の研究利用についての取材、審議会傍聴を経て、7月14日にこの欄で、日本におけるヒト胚研究すべてに反対するという意見表明をいたしました。取材者であったという立場上、このような結論を出すことは考えもしなかったですし、出したくもなかったのですが、さまざまな状況が重なり、試行錯誤の上でこのような個人的な結論に至りました。
したがって、主宰者がそのような意見の持ち主では上述した「公平に情報を整理して」という点に疑問をもたれる方もおられるのではないかと思い、この際、サイトを大幅にリニューアルすることを考えました。ヒト胚研究については一つの課題として存続させますが、それだけではない生命科学全般を網羅できるようなものを考えております。

と公開。新たなアプローチをしていくことになったようだ。
話は変わるけど、ある縁があって、2000年11月にいわゆる“クローン規制法”が成立した時、法案段階のものを審議する特別委員会を一度、傍聴したことがあった(通常議員紹介が必要)。
そのときの自分には(今でもそうなんだが)その法案のどこに大きな穴があって、将来的にどのような不安材料を抱えることになるのか、隅々まで理解することはできなかった。けれど、そのとき行われていた特別委での議論が、この程度じゃまだ全然足りない、ということは肌で感じることができた。そして、法案は、あらかじめ予定されていたかのように、特別委での議論を唐突に打ち切られて(付帯決議の追加を条件に、民主党が官僚のつくった与党案へ妥協したんだったと思う)、衆議院をあっという間に通過した。
そのとき初めて、個人的な生活の問題を遥かに超えた政治の中心においてでさえ、別に議論が尽くされなくとも、不十分なままでも、物事というのは進められてしまうものなんだなぁ、ということを実感した。
……だからというのでもなく、その後、自分が積極的、継続的にそういった問題をチェックしているわけでもないんだが、それまで積み上げてきた努力とか、意義を失わせかねない結論を、前向きな区切りでとしてつけられることは、並大抵ではできないと、そう思ったんだよ!
(まとまらない……)