昨日付けのトラバに寄せて。

 エロマンガ批評は、文芸批評というより、アイドル批評やアダルトDVD批評に近いものになりがちだと思う。簡単に言うと、まず求められるのはズリネタとしての価値なので。
 エロゲの評論が活発なのは、ズリネタ以外の要素をふんだんに詰め込める尺が許されたり、エロマンガよりも歴史が浅い分、歴史に詳しい目上の人間に気兼ねや気後れをすることなく、“俺達の文化”として20歳代くらいのボリュームとネットとの親和性があるオタク層が、縦横無尽な議論を繰り広げやすいこともあると思う(論客はいてもまだそこに権威が付随してない)。
 規制関連で言えば、ジュベネイルガイドが野田聖子と組んで、エロゲを明確にターゲットとした規制運動を始めるまでは、エロマンガほど世間から白眼をされていない。つまりエロゲの外から雑音や横槍が具体的に入ってきてないので、作品の内容について議論を集中しやすかった(エロマンガ業界のようにエネルギーを外に向けて費やさなくてもよかった)。
 それと、正直な現実としての、8月にあった「エロマンガ IS DEAD 4」の不盛況振りなどもあげておく。2部の入りが6割くらいだったか。24:00前後に始まった3部以降に至っては、参加者が20人前後。いくら平日火曜の夜のイベントだったとはいえ……。入り口から入り、向かって右の壁際のソファーで、休憩時間にゆうゆうと寝転んで仮眠がとれたくらいの。



 まぁ、一番言いたいことは、共通言語というか、意見交換の媒介として、永山薫の近著が早く出るといいな、ということだ。