GENZO / MAGNA / スピカ 9月号


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 webmoneyで購読開始。210円で3誌が読める(MAGNAは創刊記念で無料サービス中)。ダウンロードして読むので、ブラウザ経由のSEED!より若干、解像度のキメが細かい。それじゃ、GENZO、MAGNA、スピカの順で。






「武死道」(作画:ヒロモト森一、原作:朝松健)

 土方トシゾーがロシア娘に殺された後の蝦夷地を舞台にしたパラレルワールドな物語。アイヌっ娘が眼帯な男に銃を突きつけられて「アタシは負けない!」と決意。機関車の貨物車に奴隷として詰め込まれるアイヌ難民。……①②巻まで出てる単行本を読んでないので、よく話が分かりません。これ、北海道じゃなくて米国西部開拓地の話とは違うんだ?


「ガゴゼ」(アントンシク

 つい最近1巻が出たばかり(感想はこちら→http://d.hatena.ne.jp/bullet/20060822#p2)。土御門陰陽師の少年の怪しく冷えた美貌にスリスリする室町貴族。逃がしたガゴゼの妖気を今一度、手に入れんと決意する少年、でまた来月。改めて感じたが、人間も妖怪もすべての登場キャラクターの表情にリアル自然なディフォルメが効いていて、こいつはこういう役目を負ってあのシーンで登場してきたやつだ、という理解が瞬時にいくのが明らかに読みやすさに繋がっている。そんな中で、ひたすら可憐な微笑みと仕草を追求したヒロイン、鬼無砂タンはやっぱり確信犯。


「ぼんてん!!」(阿部川キネコ

 伊達政宗は実は、女子だった! そんな幼少時代の正宗=梵天丸のハツラツな生活を描く第3話。はじめてちゃんと読む作家だが、少女マンガチックな絵柄が不思議と鼻につかない。少年マンガの文法に近いからだろう。名前はよく見かける作家なので既刊をチェックしとくべきか。


「螺天−BIRTH−」(山口譲司

はい、こちらもよくストーリーが分かりません。相変わらずの美乳を描くことはしっかり確認した。


流星たちに伝えてよ」(大井昌和

 連載4話目だがオムニバス形式らしく、独立した読切として読める作品。過去のスペースプレーン事故で共に設計に携わった同僚を自殺に追い込んだ負い目をもつエンジニア。ある日偶然、その同僚の息子が会社で清掃員として働きはじめたのを知って……。
 4コママンガやきららフォワード掲載のメイドモノ連作、この間単行本が出た熟女ハーレム定時制高校モノなど、器用にジャンルを跨いでいる作家。この作品もSFというほどではないが、エンジニアの良心の葛藤に焦点をあてて、人間ドラマとしてまま読み応えあり。


「スペースパイレーツ ニャンコスター」(小玉みづゑ

 ガチャガチャした印象のマンガで、そんなに惹かれず。


「オヅヌ」(作画:梶原にき、原作:朝松健)

 「武死道」と同じくこちらも朝松原作。大化の改新から25年後の奈良で、いろいろ政争とバトル。もう16話目ということもあって、やっぱり、よく分かりません。


「特務咆哮艦ユミハリ」(富沢ひとし

 この人の作品は連載をちゃんと追っていても、何度も読み返す必要があるからなぁ……。ということで、理解不明な人間関係、単語、スティグマ(左頬にフジツボ貼り付けてたり)がどんどこ出てくる割に、楽しめた。


浮雲桃刃伝」(幸崎えん)

 D.P.の人とは違うの?


写楽」(山田タヒチ

 山田タヒチが描く、江戸時代に浮世絵で有名な写楽の魂が同居するマンガ家の卵の物語。①②巻を買って読んでるが、数あるマンガ家マンガの中から一歩飛びぬけた印象をもてないのは、下宿人情モノとの間をいったりきたりしてテーマが一定しないからかも。自分の中にいる写楽の先達としての助言や指導が、ど根性ガエルのような一心同体の設定の妙まで消化できていないのも、もったいない。






新連載「おきらく魔法少女隊!?」(新居さとし

 魔法使い見習いの3人、レンゲ、スズラン、マリアのお気楽お笑い4コマ。あまりどうとも。


「怪物さん」(西川魯介

 前月号に続き、今回も2話掲載。MAGNAは少年マンガということらしいのだが、ザーメンと乳頭とフェラはOKのようだ。バター犬の妖怪とオナホールの妖怪を退治するお話。あと、今回の有名マンガ家キャラに似た人登場は、つのだじろう福本伸行つげ義春吉田戦車 水木しげる?、植芝理一*1川崎のぼる


「ゆるしてください。」(大古真己

 うーん、やっぱり、メイドさんに無茶振りするご主人役の男の言動が、イヤミだなぁ。男が頭があがらないような折檻をする新キャラでも出してくれたほうが、釣り合いが取れるような。




 次号も創刊記念期間中につき、無料で購読可。新連載は、竹山祐右(http://www2.tky.3web.ne.jp/~aquabox/)の「皇龍飯店」がスタート。というか、正確には移籍。季刊誌の電撃帝王に連載していて、4月発売のvol.9に掲載の4話目で完結していた作品。3話目までを仕上げなおして再掲載→以降も連載継続。よって帝王掲載の4話目完結編は欠番に。最後、ヒロインが結婚して奥さんになっちゃってたんで、しゃーないわね。ちょっと唐突の終わり方だったのは「電撃帝王休刊のアオリを受け終わらせた」ということで、その通りでした。つーか、4月発売の前にもう休刊が確定してたってことかよ! じゃあ、7月発売のvol.10でとっとと終わらせておきゃあいいものを異常に薄いページ数でお目当ての「キョウハクdogs」も「ガンナーズヘヴン」も休載だわ電撃系のオリジナル作品や新人発掘の場として活用していくのかと期待してたのにそれこそ12年前の大王創刊時のようなある意味コミックコンプの血をガオ!よりも濃く受け継いだ中村哲也のSEVENBRIDGEプロトタイプと新宿御苑コーヒー物語な短期連載分はちゃんと切り抜いといたけど後継誌は電撃王子とかショタ系でどうよシルフの対抗馬で!





 すいません、スピカは時間切れでまた明日……。

*1:狐のお面キャラから類推だが、もしかして、地獄組ビスコおいちょカブ話の時のテツではるき悦巳かも。