「トンネルズ&トロールズ 第7版」(著:ケン・セント・アンドレ、訳:安田均・柘植めぐみ・グループSNE)新紀元社


 ……を、買わなかった話。
 1,800円もするくせに、ノベルズな体裁が安っぽ。サイズはA4以上でしょ、やっぱ。ページあたりの情報量を多くして、いちいちめくらなくてもいいように。せめてB5。表紙のイラストもなんか子供向けというかスーファミ時代の売れないRPGの攻略本のようで。大味が味のゲームだからハードカバーとかの豪華版にする意味はねーと思うけど。D&Dがサバイバルレーションの素朴と栄養を味わうものだとしたら、T&Tは原始肉を丸ごとぺろり。D&Dが「盾を捨てて両手に持ち替えたバスタードソードを振り下ろし血飛沫を撒き散らしながらゴブリンの首を転げ落ちさせる」としたら、T&Tは「崖から飛び降りた地面や全速力で突っ走って角を曲がったところで塀に人型の穴が開く」。まぁ、トムとジェリーみたいなもんです。4面体やら20面体がいらない代わり、PCとGMがお互い両手に溢れんほどの6面体を抱えてパーティーとMR1000のドラゴンとハイバーインフレなドつき合いを繰り広げるところにダシがよく出るルールなんで。そんなゲームに1,800円もの値をつけるのは、そんなのは逆に冒涜だってーの!



 そーいうわけで、そんなケチんぼな人間には「T&T情報ページ・アダムトハウスルール」(http://aracopole.hp.infoseek.co.jp/Portal/tabletalk/TandT/AdamtoHR-change.html)という便利なページがある。かつて慣れ親しんだ現代思想社版の第5版からの変更点がちょっと気になっててねー、というくらいのオールドゲーマーには、さ。

魔力度と体力度が分化されましたので、魔術師がマッチョにならなくて済みました。

 あはは。

能力値に代わる判定をタレントという能力値よりも少し〜かなり優秀な能力によって判定できます。それよりもこれはキャラクター個人を表現する大事な能力値です。経験レベルの個数もつことができます。 最低ひとつは持っています。*1

 これはこれでT&Tらしさが出そう。こちら(http://aracopole.hp.infoseek.co.jp/Portal/tabletalk/TandT/AdamtoHR-talent.html)の説明を読むと、自分で勝手に「登攀」とか「つり(釣り)」とか「アクロバティック」とか、好きにつくっていいようだ。これは楽しかろ。汎用的にするより細分化していったほうが断然いい。「ハンガーヌンチャク」とか「黄金蟲」とか「握撃」とか「虎眼流流れ星」とか使えばいいじゃない。

攻撃ヒットは、自由に分配可能となりました。

 均等分配じゃないんだ。長生きできそう。「戦士が魔法使いの盾になる」とかのヒーローごっこも。

バーサークはオプションルールとしても載っていません。

 残念……。

結果として抜けてくるダメージは以下のようになります。
勝者:近接攻撃ダメージ(防)+射撃ダメージ(防)+魔法ダメージ+特殊ダメージ+スパイトダメージ
敗者:射撃ダメージ(防)+魔法ダメージ+特殊ダメージ+スパイトダメージ
これをみてもわかりますように、合計ヒットに負けていても、射撃や魔法などは敵にダメージを与えることができるのです。

攻撃ヒットに6の目がある分だけ1点のダメージが貫通するスパイトダメージ(悪意ダメージ)

 合計HIT数で上回ったほうが「総取り」という、遊んでてときどきなんだか釈然としなくなる現象を緩和する変更も、まあ順当か。

魔力度をくらべて大きくないと魔法は一切かかりません。

 へー。

MRが減少しても戦闘ダイスは減少しません。

 これ、これ。これが一番大きかろ。逓減法則の崩壊。MRの半分の値のプラス修正は逓減させるとか逆に6面体の数を逓減させるとかそれこそハウスルールでやる分も面白かろう。MR100のトロール1匹=11D6+50より、MR10のゴブリン10匹=20D6+50のほうが強くなる例の時空の歪みは、狭い通路は一度に5匹までしか戦えないことにして基本10D+25、後ろ5匹は威圧力を人数分の6面体として反映させるとかMR半分修正だけ正味+50にするとか。平地で囲まれたら? 20D6+50に絶望値+100しとけ!




参考:トンネルズ&トロールズ - WikipediaT&T Wiki - TnT Wiki



トンネルズ&トロールズ 第7版 (Role&Roll Books)

トンネルズ&トロールズ 第7版 (Role&Roll Books)

*1:コメント欄参照。