2/25、メイン原画に関谷あさみ先生を迎えた、ロリエロマンガファン待望の「Sweet Robin Girl」が発売されました。


年の差純愛癒し癒されADV スイートロビンガール

近世の趣を残す都市【レヴィンダム】の下町に看板を掲げる喫茶店【バーディーズパーチ】。
一年前までは「コーヒーが旨い」と評判の店だったが、度からなる不幸に見舞われて今はすっかりホコリと借金にまみれ、店主は酒に溺れて嘆くばかり。
そんな折、4人の少女が店に転がりこんでくる。
それぞれの事情から自分の居場所をなくし、さまよう彼女たち。
毎日をけなげに生きるその姿を、店主はまぶしげに見つめるようになる。
店はふたたび息を吹きかえす。
ひとまわり以上も年下の少女たちの若々しさが、笑顔が、自慢のコーヒーに華を添えてくれる。
ここは【とまり木】(バーディーズパーチ)。
小鳥さんたち、今はゆっくりお休み。いつか大きく羽ばたく日のために――

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88-%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%AB-Sweet-Robin-Girl/dp/B004CVJHLG


結論から言いますと、ロリエロマンガファンにはお奨めです。

関谷せんせーの描くローティーンの少女たちの魅力を、その年代特有の色気を、悩みを、一瞬の輝きを余すところなく描き出す一つの回答へ、うまくたどり着いている印象です。

ロリエロマンガ界の至宝と言って過言でない関谷せんせーから、マンガ原稿を描く時間を奪って原画作業に専念させるからには、そんじょそこらにあるような平凡ゲーで終わったらタダじゃおかねー……というテンションで待ち続けた甲斐がありました。

最大の勝因は、ある一つの大ウソ。

物語の中において、「ロリコン」という社会的に蔑視されてしまいがちな男女関係を、「年の差カップル」という社会的に許容される男女関係へと置換した点です。

この置換を、特定の個人の間だけでなく、主人公と4人のヒロインが暮らす世界全体で行った点が一番のポイントです。

この置換によって、関谷せんせーの描き出すローティーンの少女たちと、20歳代後半〜30歳代前半と目される主人公が――出会ったばかりの少女たちから「オッサン」「オジサン」呼ばわりされる主人公が、ごく自然に恋仲へと落ちることが可能になっています。

関谷せんせーの描くローティーンの少女たちは、18歳相当の女性としての振る舞いや、10万10歳設定のロリババァ相当の枯れた物の考え方といった、年齢不相応の生き方を強要されないで済む訳です。

お相手の主人公に対して、周囲から「このロリコンが! 死ね!」という社会的抑圧がかからずに済む訳です。

それでは、「ロリコン」→「年の差カップル」という置換の具体例を、4人いるヒロインの中で最年少のプリスのルートから見てみましょう。

この少女がプリスです。

年の差純愛癒し癒されADV スイートロビンガール

茶店「バーディーズパーチ」の店主である主人公の「シド」は、店を健気に手伝ってくれる絵の得意なプリスに対して、しだいに恋心を抱くようになります。

ですが、そこでやっぱり悩んでしまいます。



悩みの理由は年齢の差。どう見ても一桁、最大限高く見積もって赤飯前のプリスを意識してしまう自分の内面ではありません。

そんな主人公に対して、プリスといっしょに喫茶店で働く、プリスよりちょっと年上のローティーン、エレンは、年齢の差なんて気にすることはないと励まします。


決して、「もげろ! このペド!」とコーヒーカップを投げつけたりはしません。

主人公を昔から知る2人の幼なじみ、雑誌記者のジョナサンと貸し金業者のステフも励ましの言葉をかけてくれます。


一定の社会的常識を持ち合わせた2人にしても、「病院行っとく?」と冷ややかな目線を送ったりはしません。つけ加えておくと、快楽天で発表された作品から分かるように、ローティーンだけじゃなく大人の男性・女性もきちんと描ける関谷せんせーですから、ジョナサンとステフの言葉にも分別のある大人としての重みがあります。

その2人と違って立ち絵はありませんが、賞を取ったプリスの絵のファンだという、繁華街で売り子をしている女性も、

主人公とプリスの2人を見て、お似合いのカップルだと疑いません。第一声が「そんな幼い娘を連れ回してどうするつもり、この変質者!」だったりはしません。

重要な登場人物として出てくるプリスの父親は、物語の終盤、主人公とプリスの愛の巣である喫茶店からプリスを連れ出そうとします。父親が連れ出そうとするのは、プリスに対してある(性的でない)下心をもっているからなのですが、表向きの理由は、自分ならより良い環境で絵の技術を学ぶチャンスを提供できるというものです。しつこいようですが、「お前みたいなロリコンの毒牙から娘を助け出す!」ではありません。

また、物語の舞台である、ヨーロッパ風の地方小都市は、石畳を自動車が走り、居間にはテレビがある、およそ1950年代〜1960年代の時代性を持っています。かって貴族の座にあった名家が権力を握っていたり、その名家の出身者の議員が主人公のことを労働者階級となじったりするような、前時代性を残してはいますが、古い因習に囚われた山深い寒村というほどではありません。加えて、丁寧な描きこみと高品質な塗りが行われた背景によって確かな存在感を与えられています。

そのような裏づけに基づく物語の舞台は、ある程度社会的に開かれた世界であり、このことから、「ロリコン」→「年の差カップル」置換は、数十万から数百万単位の人々に受け入れられていると想定されます。

こういった周囲の応援や理解もあって、主人公は決断します。

あくまで問題は年齢の差だけです。

いよいよ付き合うことになった後、当然ながら、2人はいくつかの試練を乗り越えることになります。

そこで主人公は、年齢の差からくる保護者としての責任意識に基づき、何とかプリスを助けようとしますが、しだいにそのような意識に基づく助けの手は、プリスが心の底から望んでいることではないと思うようになります。

だって、恋人としての2人は、対等な関係なんですから。唾棄すべきロリコン野郎が幼いプリスの素直さにつけこんで同意を引き出している……わけないじゃないですか!

ロリコン」→「年の差カップル」の置換が行われていない世界では、主人公とヒロインの2人は、多くの場合、周囲に関係がばれないようにしながら、日陰の付き合いを送るしかありません。

ゆえに、物語の広がりは、家庭内や学園内、家族内やといった限られた範囲でしか自由度を得られません。もしくは、異世界や宇宙といった、SF・ファンタジーの新天地を求めることを余儀なくされやすくなります。

関谷せんせーの描くローティーンの少女たちや、自分の分身である主人公に、世のロリエロマンガファンの誰が、一体そんな窮屈な生き方を望むでしょうか?

ですが、「Sweet Robin Girl」では、あくまで「年の差カップル」として、馴染み深い土地で誰にもはばかることなく、喜び、悩み、悲しみ、笑う2人が存在できます。

「Sweet Robin Girl」のキャッチコピーである“年の差純愛癒し癒されADV”は、まさしくこのエロゲーの核心そのものです。















「……ブログ休んで婚活してたんじゃなかったんだ……」



すまん。