2chエロマンガ大賞2011年版 投票結果感想

【 トップ10タイトルまとめ 】*1
年\順位
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
2004 票数
11
8
7
6
5
4
作者月野定規笹倉綾人むらさき朱竹村雪秀来鈍Cuvieまぐろ帝國むらさき朱鬼ノ仁つつみあかり瑞井鹿央世徒ゆうき的良みらん
タイトル♭38℃ Loveberry Twins
♭38℃ Loveberry Twins (メガストアコミックス)
少女流幸福攫取論真露指導TAKE ON ME (1)御家庭の快楽Cloudy資本主義の精神乳濁願書近親相姦姉の淫腔Slow StepアッチェレランドAngelical Pendulum (1)
2005 票数
20
17
14
12
11
10
作者 東雲太郎 みた森たつや Ash横島 巻田佳春 月吉ヒロキ 鬼束直 土居坂崎 師走の翁 BENNY'S 米倉けんご
タイトル Swing Out Sisters
Swing Out Sisters (TENMA COMICS)
小池田さんと遊ぼう 3ANGELS SHORT RADICALてんぷてーしょん 夏蟲 Life is Peachy? ボインボン のせわすれ らぶねえ 淫笑う看護婦
2006 票数
19
15
14
13
12
11
10
作者 小梅けいと ヤスイリオスケ 如月群真 尾崎未来 稍日向 上連雀三平 さきうらら 天太郎 関谷あさみ 養酒オヘペ
タイトル 初犬
初犬 (いずみコミックス)
花粉少女注意報! エロマンガみたいな恋しよう Love Selection The Great Escape かまってくれなくてもいいんだからねっ となりの精液さん 痴女が恋しちゃダメですか HAPPINESS! おとなになるまえに あねき…
2007 票数
28
18
15
11
10
作者 ゴージャス宝田 葉雨たにし 巻田佳春 如月群真 木谷椎 和六里ハル SASAYUKi 水無月十三 月野定規 松本ドリル研究所 影乃いりす 紺野あずれ
タイトル キャノン先生トばしすぎ
キャノン先生トばしすぎ (OKS COMIX)
いつも君を感じてる とらぶる・すくらんぶる! ギリギリSisters 乙女の恋愛情事 大妹 快楽の白と黒 我が肉に群れ集い、喰らえ。 星の王子サマ あらいめんとゆーゆー たとえば、そんなこともあるかもっ!? 思春期クレイジー
2008 票数
24
23
20
19
17
16
15
作者武田弘光関谷あさみ鳴子ハナハルDISTANCE月吉ヒロキ東山翔いけださくらレオパルド師走の翁ぼっしい
タイトルツンデロ
ツンデロ (メガストアコミックスシリーズ No. 200)
YOUR DOG少女マテリアル美〜ちく独蛾Giftむにちちふたり嫁「娘。」のいる風俗ビル in/outお嬢様はHがお好き
2009 票数
22
19
18
14
11
10
9
4
作者鬼月あるちゅ岡田コウ如月群真月野定規師走の翁有馬侭大和川乃良紳二ZUKI樹フクダーダあさぎ龍青木幹治槍衣七五三太
タイトルメイド嫁
メイド嫁 (ホットミルクコミックス 296)
恋するぱんつ舞FAVORITE痴情の女JCエッチむちプリたゆたゆナマナカ。はじめてのハニーブロンド初めて恋をした。さよなら、おっぱいあいらぶ!
2010 票数
29
25
23
14
13
作者岡田コウ犬星東山翔緑のルーペ新堂エル柚木N'久川ちんCuvie睦茸藤ます
タイトルチュー学生日記
チュー学生日記 (セラフィンコミックス)
おにいちゃんが、すき。Japanese Preteen Suiteイマコシステム晒し愛アナザー・ワールド新婚さんごっこGuiltyあまみドコロSweet Lip
2011 票数
27
23
20
18
17
12
11
10
9
作者 ホムンクルス 岡田コウ ひげなむち 赤月みゅうと 新堂エル 宮内由香 鬼束直 環々唯 如月群真 けろりん たかやKi 前島龍
タイトル はじらいブレイク
はじらいブレイク (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)
好きで好きで、すきで ヒト♡カノ 少女×少女×少女 TSF物語 青の時代 ポルノグラフィティ えっちスケッチ Sweethearts ピンクトラッシュ 恋糸記念日 しゅがー☆すぽっと
年/順位
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位



1位はホムンクルス「はじらいブレイク」。……この作品がほぼノーマークだった時点で、今回の投票結果について語る資格があるのだろうかと悩んでしまうが、気を取り直して。
1位に入った作品がノーマークだったのは、2009年の鬼月あるちゅ「メイド嫁」もそうだった。が、ごくたまにしか買ってなかったゼロエクスが主な掲載媒体だった鬼月と違い、ホムンクルスはほぼ毎月買っている快楽天の作家なのだから、もうちょっと気にしてていいはずが、この体たらくは。
改めて読んでみると、快楽天の主要作家陣の絵のいいところをハイブリッドした感じの癒し系ストーリーが主に収録されており、いい意味でクセがない。2月号掲載の読切は前後を鳴子ハナハルぼっしぃに挟まれているところに、快楽天直系の作家っぽい印象を強める。
ただ、万人受けする作品ではあるのかもしれないけれど、これを27人もの2ちゃんねらが5作品の1つに挙げたというのは……。ぶっちゃけ、自分にすると上手い絵ではあってもエロい絵ではないし、ストーリー構成・演出に特筆するところがあるわけでもない。こういった安心して読める作品を2011年に発売された562作品中の上位5作品の一つに選ぶ積極的理由が見当たらない。
最終的に話が戻って、やっぱりノーマークでおかしくない作品が1位になったことに戸惑っている。



1位の支持率について。
10位以内にランクインした計12冊の1冊あたり平均得票数は、「10位以内の総票数=176」/「10位以内の冊数=12」=14.67票。
だから、27票を集めた1位は、平均得票数に対して、差し引き12.33ポイントのリードをつけた。
過去もっともポイントのリードが大きかった1位は、2007年のゴージャス宝田キャノン先生トばしすぎ」。28票を集め、平均得票数の14.50票に13.50ポイントの差をつけた。
過去最多票数の29票を集めた2009年の岡田コウ「チュー学生日記」は、ポイントのリードでは、平均得票数の18.20票に対して10.80ポイントだったので、今回2011年はそれよりもリードが大きかった。
2011年の10位以内の総票数176は、2010年の総票数182より6票減らし、13位以下を含めた総票数でも減らした様子で、昨年より若干盛り上がりの点では落としたかもしれない。が、1位にランクインした作品の支持率の面では、「キャノン先生」に次ぐ支持を得ている。
……でも、その支持率の高さの理由が自分にはよく分からないようなので、他の2ちゃんねらの分析がほしいところ。



2位には岡田コウ。強い。投票はしなかったが、あいかわらずの磐石。2010年の1位から落としたものの、それでも2位。2009年と同順位。ヒット出版の押しも押されぬ看板作家として固定。



3位のひげなむちは自分も投票。年末間際の発売という不利はあったものの、1位を取ってもおかしくないド本命と意識していた。あと1ヶ月くらい発売が早ければ、1位を取っておかしくなかったと思う。



新堂エルが昨年と同じ5位。勢い衰えず。得意の不特定多数やりまくりアヘ顔エロに性転換モノのドラマを絡め、ストーリー面でも盛り上げた。幾夜大黒堂の「性転換教室」がなければ、きっと投票してた。



6位の宮内由香にも投票したので上位はうれしいところ。



投票候補にはしていたけれど、結局見送った鬼束直が7位。2005年で「Life is Peachy?」が6位に入って以来、トップ10にごぶさただったが、こうやってまた上位に食い込んできた。今回7位に入った「ポルノグラフィティ」では、奇をてらわない原点回帰な話づくりが意識されていて、その点が評価されたのかもしれない。フリージャスにいきかけた後、トリオ編成で良質なスタンダードナンバー集を出してくれた、そんな印象。



同率7位の環々唯は、岡田とともにヒット出版から上位にランクイン。ヒットは、単行本カバーのカラー塗りを同じ人がやるようになってから売り上げが上がったと聞く。あの塗りが合わないと感じる作家もいるけれど(田倉まひろとか)、環々唯の絵には合っていると思う。



10位にけろりん。もう10年前後は活動している人だと思う。入れ替わりの激しいエロマンガの世界で、ベテランの域に入った作家がこうやって上位に入ってくることは単純にうれしい。



毎年のこととはいえ、13位以下では、これがなんで上位に入らなかったんだろうという作品が今年も幾つもあった(自分の嗜好にマッチしているという意味ではなく、売れた作品のはずなのに、という意味で)。
たとえば、7票で17位の縁山「ドリストア」、5票で27位のあかざわRED「生膣ひゃくぱぁせんと!」、3票で43位の松本ドリル研究所「まマまま!」。3票で43位の睦茸「たぷりこ」は、ひげなむちと同じく年末発売だったが、こちらは不利に働いたか。
初単行本では、4票で33位の聖☆司「オタクの姉弟が」がもっと上位にきてほしかった。姉モノはまだまだマイナージャンルか?
2票で69位のまばん「Love Hair」は、作者の名前がマン毛マイスターとして先行気味だがエロさも群を抜くと思うので、今年もっとプッシュしていきたい。
それから、ぼっち票で114位に終わった鬼ノ仁「紳士淑女」。発売に際して、ポプリ+メガストア+ジャイブの3社合同キャンペーンをやってたこの作品が1票のみ。2ch投票の偏りを如実に示す投票結果だと思う(ただ、ロリに偏っているという見方はただの偏見。2010年のトップ4位を除けば、おっぱいゆさゆさ系タイトルのほうが上位で優勢)。



過去の投票結果を振り返ると、2004年でトップ10に入った13作家の誰一人、2011年のトップ10に姿が見えない。エロマンガのトレンド消費の早さの一端を感じる。少なくとも、2chに投票するようなコアなファンの間で最先端と目されるような作家は、入れ替わりが早い(逆に、その中で上位に食い込み続けている作家は、それだけ評価できる)。
一方で、エロから一般・オタ誌へステップアップし、エロマンガの単行本を出さなくなり、投票自体できないというケースも少なくない。
2004年だと1位の笹倉綾人、6位のCuvie、10位の的良みらん、2005年だと1位の東雲太郎、3位の巻田佳春、5位の月吉ヒロキ、6位の土居坂崎tenkla)は、今や一般での認知度のほうが高い。
その点で、2005年に6位だった鬼束直が2011年でも7位につけたのは、割とすごいことなのかもしれない。




以下は投票した5作品の感想、総評。
昨年もそうだったが、板には長すぎたコメントを一部省略して投稿したため、省略した分を復活してある。*2



宮内由香「青の時代」】

青の時代 (TENMAコミックス LO)

青の時代 (TENMAコミックス LO)

作者3冊目の単行本。
収録された9作品は、2003年から2010年の長期間に、同人を含むいろいろな媒体に発表されたもののため、話のテーマやテイスト、絵柄に多少のばらつきは見られます。
ですが、「好き?」という想いを素直に問いかけられない不安定なローティーン少女たちの心の襞を描く手腕は、間違いなく一読の価値があると思います。
イチ押しの収録作品は、公演で遊ぶ少女たちを見つめる青年と、その青年に興味を持ちながらボーイッシュな自分自身のギャップに悩む少女の触れ合いを描いた“ロリータ”。少女が青年のロリコン気質に気付いてからの選択と心の揺れ動きが、何とも言いがたい読後感をもたらしました。
名セリフは、“明けの明星”で、自分が成長したら彼氏の気持ちが離れてしまうと心配する少女にかけた「俺は」「君が幼かったからしたんじゃなくて」「君が大人になるのを待ちきれなかっただけなんだよ」。どっちにしろアウトな気はしますが、読んでいる時はごく自然に受け入れらてれしまい、それも作者の手腕の一端を表していると思います。



幾夜大黒堂「性転換教室」】

性転換教室 (富士美コミックス)

性転換教室 (富士美コミックス)

成人前に、男になるか女になるか性別を選択できるifの世界で、カップルたちそれぞれの選択を描く“境目のない世界”全10話+書き下ろしを収録。
性転換モノというと、描かれる内容の大半がエロ一色というものも少なくないところ、この本は悩める若人の青春ストーリーに仕上がっています。
もちろん、性転換後の体でSEXの気持ちよさがどんなふうに変わるか、といったお約束もしっかり描かれますが、本全体を通したテーマは、自分の目標あるいは互いの彼氏/彼女のために性転換し、もしくは一旦諦める、その選択の過程です。
次は同じ世界で、同性同士のカップルの片割れが性転換するかを悩む物語を読んでみたい気がします。



祭丘ヒデユキ「レ研 -コングラッチュレイパー-」】

レ研?コングラッチュレイパー? (TENMA COMICS) (TENMAコミックス)

レ研?コングラッチュレイパー? (TENMA COMICS) (TENMAコミックス)

2010年版で、同じ作者の「膣内の肉壁」に投票していたため、今年は他の作家をと考えていたのですが、やはりどうしても外せませんでした。
プリティー大学のサークル「レ研(レイプ研究会)」で一流レイパーを目指す男女の切磋琢磨を描く通称レ研シリーズ。前作「膣内の肉壁」でもやりたい放題でしたが、この本でさらにレイプの奥深さ(女性が主導権を握るレイプの可能性、強姦の傲慢さ、和姦の未熟さ、etc)が追求されます。また、“第五話 魔王誕生”では、古代レイプ文明遺跡を調査した末、触手状のちんぽを3、4本を生やすことに成功するなど、物語が新たなステージに上昇。今後も要注目です。



【ぽるたん「いもうと日和」】

いもうと日和 (セラフィンコミックス)

いもうと日和 (セラフィンコミックス)

同人サークル《kiss Project》での活動を注目していた作者が、アンソロジー等に発表した作品をまとめた待望の初単行本。
鉛筆タッチを意識したペンで描かれる、涙に濡れた妹たちの眼は、それだけで武器です。あまり手入れされてない風のばさついた髪の毛や、少し長めの胴、諸々のすべてに愛を感じます。叙情溢れるロリを求めている方にはマストな本だと思います。



ひげなむち「ヒト♡カノ」】

ヒトカノ (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

ヒトカノ (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

年末近くになって最後の最後に滑り込んできた、2011年のド本命。
もうかなり長い間エロマンガを読んできて、かつてのように絵だけでエロ神経が刺激されるということもなくなってきたのですが、この本でそれを久々に体験しました。
それに加えて、ラブラブ「ではない」関係の相手――別れた彼氏や友達の父親、サークルの先輩、デリヘルの客など――との流されエッチで感じまくるストーリーと演出が絶品です。
他の4作品は個人的な思い入れも大きいのですが、この本はほぼ初見に近い状態で読んだ上で、文句なくオススメできると思います。



【総評&自由発言】
2011年は、趣味にとどまらず生活、思考の多くが原発事故の問題に絡め取られてしまい、エロマンガについても読む量やのめり込みが削がれてしまった感があったのですが、それでも良い作品は良い作品として自分のちんこを刺激してくれました。
ただ、例年は、問答無用でエロい抜ける本を1〜3本は盛り込むところ、今年は、ストーリー重視の読める本ばかり選ぶ結果となったところに、環境の変化と時間の流れを感じるように思います。
惜しくも5作品への選出を断念した本は、りょう「100人ヌイても大丈夫」、鬼束直ポルノグラフィティ」、ナックルカーブ「純情発情期」、新堂エル「TSF物語」、まばん「Love Hair」、霧恵マサノブ魔法少女まじかるゆかたん」、佐伯「よわよわ」、睦茸「たぷりこ」の8本でした。
今年は、2月に初単行本が出る川崎直孝に注目。それから、R-Exのメガストア掲載作の単行本化と、2011年に本が出なかった犬星メガミルク掲載作品の単行本化に期待です。



【過去の投票結果の感想】




*1:2010年以前のデータは、2ちゃんねらーが選ぶエロ漫画大賞まとめ @ wikiより。2003年以前のデータは、2004年以降と投票方式が異なるため割愛(2003年以前の投票方式は「1人あたり持ち点=5点を自由に振り分け」ていた。)

*2:しかし去年よりも投稿文字数制限「ERROR:本文が長すぎます!(Lv=2,978/384)」や次の投稿までの時間の制限がきつくなってたような……。書いたコメントを1/10くらいに大幅削減するハメになった。2chビューアを使うのが当たり前なのか?