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UFC 144

    • UFC初観戦。日本開催は10年以上ぶり。どこまで集客できるのか、ドキドキしながらさいたま新都心駅に着くと、乗車賃の清算コーナーに列ができる人ごみ。改札外は、水道橋のドーム公演くらいでしか見たことのなかった、「チケットゆずってください」の紙をもった人がちらほら(当日券を買わない理由はなんだろう)。天井の際の席まで、用意されていた分の9割は埋まっていた。UFC再来日、成功と言っていいんじゃないか。9:30過ぎに着いたため、ダークマッチ扱いだった「田村一聖vsヂャン・ティエカン」は観られず。
    • 客の、少なく見積もって1割が、欧米系・アフリカ系・ヒスパニック系の外国人。もしかしたら2割近くがそうだったかもしれない。日本在住なのか、旅行がてら観にきたのか。国内系の総合の興行も、こんなに外国人率が高いのかどうかよく知らないのだけれど、プロレスでは1%あるかないかくらいなので、それ比べれば全然客層が違う。それでもって、聞こえてくる声援と野次の半分は、この1割〜2割弱の外国人からのものだった。岡見だったか誰だかの試合で、どこかの席からホエザルのようなシャウトが発せられると、それが全体に伝播していき、会場がサル山のコロニーのようになった。外国人はノリが良すぎるというか、興行の楽しみ方をわかっているというか。日本人がおとなしすぎるのか。
    • ナマで観たオクタゴンは、後楽園ホールの南側最後部席よりちょっと遠いくらいの席から斜め見下ろしの視点で見られたお陰か、リングに比べてとても観づらいというほど観づらくはなかった。ただ、踏み台に載って四方に陣取ったテレビカメラマンは視界を遮る。いないで済ませられるならいないほうが絶対良い。あと、グラウンドの攻防は、ビジョンを参考にせざるをえないのだけれど、そのビジョンが視界斜め上45°くらいの高い位置にあったので、オクタゴンとの視線移動が面倒だった。
    • 全試合を通して、1度か2度ほどしかブレイクがなかった。コーナーとロープが存在しない、ほぼ円形の金網を縦のマットのように使えるので、レフェリーの余計な合いの手が入らない。この点ではリングよりこちらのほうがいいし好みだ。


UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (1)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (2)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (3)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (4)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (5)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (6)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (7)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (8)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (9)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (10)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (11)UFC 144 ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン (12)

    • ライト級タイトルマッチ フランク・エドガーvsベンソン・ヘンダーソン
      • 今日の外国人対決のベストマッチ。ヘンダーソンのバランス力、タックルで倒された後の立ち上がる力がすごい。エドガーの脇を狙ったミドルキックを、エドガーに手でつかまれ、そのままオクタゴンを半分くらい移動して、それでも軸がぶれない。体幹がとてもしっかりしてるんだろう。何ROUND目かで金網際にグラウンド状態で追い込まれると、下から突き上げた足裏がエドガーの顔にヒット。休憩でビジョンをみると、鼻柱がカットされてた。
      • ほぼまともな打撃をもらわず、過去の試合通り計算されたテクニックでヒット&アウェイに徹したエドガーが、チャンププレミアムで防衛かと判定結果を待っていたところ、ヘンダーソンが王座奪取。エドガーのようなタイプ、好きなので、また日本で試合を観たいところだけれど。


UFC 144 ランペイジ・ジャクソンvsライアン・ベイダー (1)UFC 144 ランペイジ・ジャクソンvsライアン・ベイダー (2)UFC 144 ランペイジ・ジャクソンvsライアン・ベイダー (3)UFC 144 ランペイジ・ジャクソンvsライアン・ベイダー (4)UFC 144 ランペイジ・ジャクソンvsライアン・ベイダー (5)UFC 144 ランペイジ・ジャクソンvsライアン・ベイダー (6)

    • ランペイジ・ジャクソンvsライアン・ベイダー
      • ジャクソンへの声援は、この日一番の大きさ。試合は、学生レスリングチャンプのベイダーがレスリング技術で終始、押さえ込む展開。途中、ジャクソンがボディスラムの要領で持ち上げたベイダーを頭頂部からマットに突き刺す、プロレスでも受身を間違えば首がいきかねない場面などあったものの、ジャクソンは膂力以上の技術をみせられなかった印象。


UFC 144 マーク・ハントvsシーク・コンゴ (1)UFC 144 マーク・ハントvsシーク・コンゴ (2)UFC 144 マーク・ハントvsシーク・コンゴ (3)


UFC 144 ジェイク・シールズvs秋山成勲 (1)UFC 144 ジェイク・シールズvs秋山成勲 (2)UFC 144 ジェイク・シールズvs秋山成勲 (3)UFC 144 ジェイク・シールズvs秋山成勲 (4)UFC 144 ジェイク・シールズvs秋山成勲 (5)UFC 144 ジェイク・シールズvs秋山成勲 (6)

    • ジェイク・シールズvs秋山成勲
      • 日本人勢では、今日のベストマッチ。秋山が、米本土のUFCで何度もファイト・オブ・ザ・ナイトを得たことが理解できた。ポイントになったのは、秋山の変形の大外刈り。1ROUND目、相手のパンチに合わせるタイミングで体を入れ、ものすごい高速で決めたあと、2ROUND目の序盤でも決めようとしてこれは外し、次にかけた大外は見事に決まった。それが、3ROUND目の後半でしかけた大外は、半身になった秋山にシールズが見透かしたように瞬発のタックルを食らわせ、グラウンドで背後を取られてしまった。それまでほぼ拮抗していたと思われるポイントが、このタックルからの背面展開でシールズ側に偏り、判定負けにつながった(らしい)。2ROUND目、大外で倒した後、うまく寝技にもちこめなかった(ジェイクもうまく立ち上がった)のが、惜しまれる。
      • 入場時に一番大きなブーイングを食らっていた(というか今日もの興行で唯一人、ブーイングを受けていた)。試合中もブーがあったが、秋山コール、セイクンコールのほうが上回っていた。


UFC 144 岡見勇信vsティム・ボーシュ (1)UFC 144 岡見勇信vsティム・ボーシュ (2)UFC 144 岡見勇信vsティム・ボーシュ (3)UFC 144 岡見勇信vsティム・ボーシュ (4)UFC 144 岡見勇信vsティム・ボーシュ (5)UFC 144 岡見勇信vsティム・ボーシュ (6)

    • 岡見勇信vsティム・ボーシュ
      • 1ROUND目終盤(2ROUND目だったか?)、岡見がこの日の興行で初めてみる完璧に近いマウントポジションから左右を打ち下ろし大興奮。ボーシュはラッパにすくわれる形に。が、次のROUND、いいのを一発もらった岡見に、ボーシュが左の掌で岡見の顔を横向きに金網へ押さえつけながら、岡見に見えない角度から右の拳でアゴにアッパーを3発、いったん離れてまた金網際で圧力をかけながら同じ手順でアッパーを3、4発。最後ので岡見が足元から崩れおちTKO。これは、重いミドルのパンチをアゴに6、7発も耐えた岡見によくやったというべきなのか。マウントポジションへの入りがあと30秒早かったら。まだスタミナは貯めていたと思うし、いいところまで行きながら外国人選手に惜敗をなめる日本人選手、という構図の見本のような試合を観てしまったという感覚。


UFC 144 日沖発vsバート・パラゼウスキー (1)UFC 144 日沖発vsバート・パラゼウスキー (2)UFC 144 日沖発vsバート・パラゼウスキー (3)UFC 144 日沖発vsバート・パラゼウスキー (4)UFC 144 日沖発vsバート・パラゼウスキー (5)UFC 144 日沖発vsバート・パラゼウスキー (6)

    • 日沖発vsバート・パラゼウスキー
      • 寝技対ストライク。寝技の日沖の独壇場に近い試合運び。パラゼウスキーのギロチンも金網をうまくつかって抜け出す。この日勝利した日本人ファイターではBESTの試合運びだった。


UFC 144 アンソニー・ペティスvsジョー・ローゾン (1)UFC 144 アンソニー・ペティスvsジョー・ローゾン (2)UFC 144 アンソニー・ペティスvsジョー・ローゾン (3)

    • アンソニー・ペティスvsジョー・ローゾン
      • 1ROUND目、アンソニーがまさに鮮やかと言える左ハイキックでKO。本当にウソのように吸い込まれていった脛。右のガードを下げさせたままにするため、どういう伏線が仕込まれていたのか、来月のGON格あたりで是非、解説してほしい。


UFC 144 五味隆典vs光岡映二 (1)UFC 144 五味隆典vs光岡映二 (2)UFC 144 五味隆典vs光岡映二 (3)

    • 五味隆典vs光岡映二
      • 日本人対決。当初の対戦相手が急遽の欠場となって、光岡は代打だからしょうがないんだけど、戦極やDREAMじゃないんだから日本人対決じゃないほうが良かったなぁ。五味が勝利の喜びを爆発させていた。その喜びはどうせなら、米本土のマットで格上相手に勝ってから見せてほしい。


UFC 144 山本“KID”徳郁vsヴァウアン・リー (3)UFC 144 山本“KID”徳郁vsヴァウアン・リー (1)UFC 144 山本“KID”徳郁vsヴァウアン・リー (2)

    • 山本“KID”徳郁vsヴァウアン・リー
      • リーが下からの三角締めで山本を下す。ビジョンで再生された三角締めのシーンの、あれよあれよという自然な入り方にため息。FOXのインタビュアーが、負けた山本にガンガン突っ込んでいた。容赦ないな、PPV。


UFC 144 福田力vsスティーブ・キャントウェル (1)UFC 144 福田力vsスティーブ・キャントウェル (2)UFC 144 福田力vsスティーブ・キャントウェル (3)

    • 福田力vsスティーブ・キャントウェル
      • 福田力(ふくだ・りき)は、リキつながりで“パワーホール”で入場。2ROUND目までは、福田が当てた分をキャントウェルも当て返していたが、3ROUND目は福田が優勢な試合運び。ミドル級は目に見えてパンチが重い。それでも倒れなかったキャントウェル。


UFC 144 水垣偉弥vsクリス・カリアーゾ (1)UFC 144 水垣偉弥vsクリス・カリアーゾ (2)UFC 144 水垣偉弥vsクリス・カリアーゾ (3)

    • 水垣偉弥vsクリス・カリアーゾ
      • 水垣がタックルで倒しまくり、試合時間の1/3は上のポジションを維持していた。が、判定の結果は、カリアーゾ。会場中からブーイング。自分もブーしてみたが、振り返ってみると、確かに上からまともな有効打は当てられていなかったよう。ただ、カリアーゾが的確な打撃を入れられていたかというと、そういう記憶もはっきりとはなく。やっぱ、1ROUND毎にジャッジ結果を電光掲示板とかで発表するようにしたほうがいいんじゃない?