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  • デヴィッド・フィンチャー監督「ドラゴン・タトゥーの女」(http://www.dragontattoo.jp/
    • 映画の日新宿ピカデリーで19:30の回。
    • 楽しめた。40年前の失踪事件の鍵となる、連続強姦殺害事件の資料を読み込んでいく、よく考えれば非常に地味なシーンが、とてもスリリングに編集されていた。原作の地の文をそのまま映像にしたって、絶対にこういう形にはならないだろうから、これは映画にするにあたってこうしたということだろう。失踪した少女の当時の写真は、写真の絵が使えない原作ではおそらく叙述トリック的なキーアイテムになっていたと思う。映画で実際に観せてしまうと「あれ? この娘……」と勘のいい観客にきづかせかねないところ、うまくギリギリの線で描いていたと思う。
    • ラスト、クリスマスにリスベットが、娘と写っていた写真で着ていたのと同じ革ジャンのプレゼントをもってミカエルのもとをバイクで訪れたところ、当日は娘とすごすよ!といっていたミカエルが以前から不倫関係にあった女性編集長と部屋を出ていくところを観てしまい、プレゼントを横のダストボックスに投げ入れ、バイクで走り去るシーンは、うわーそりゃないだろ?と思う一方で、その前に犯罪者の大金をかすめとっていたリスベットに対し、キリスト様が罰を与えたという読み方もできるのかなと一瞬、思った。が、罰が当たるなら不倫しているミカエルのほうが先だろう。
      • ミカエルを地下に捉えた犯人が、リスベットの反撃にあった後、1階のダイニングの傍に置いた猟銃を取らず、車で逃げるほうを選んだのは、リスベットのほうの武器は小銃1丁だけだったことを考えるとちょっと不自然にも思えた。2人を殺してしまえば、犯人の真実を知る人間は誰もいなくなるわけだし(それでも証拠隠滅はかなり大変だろうけれど)。島と外界をつなぐ一本だけの橋を車で逃げようとして、渡りおおせた直後に横転→炎上させることで、島の狭い世界から抜け出せなかった犯人の一族の因縁の深さを象徴させたかった?