備忘録。東京8区の投票結果。


東京8区(2012年12月)
http://www3.nhk.or.jp/senkyo/xml/ka/05/skh1308.html

有権者 投票率
459,547人 63.93%
氏名 党派 得票数 得票率
石原伸晃 自民 132,521票 46.9%
山本太郎 無属 71,028票 25.2%
円より子 民主 54,881票 19.4%
上保匡勇 共産 23,961票 8.5%

3年前の前回。

東京8区(2009年8月)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E7%AC%AC8%E5%8C%BA

有権者 投票率
460,985人 65.50%
氏名 党派 得票数 得票率
石原伸晃 自民 147,514票 49.9%
保坂展人 社民 116,723票 39.5%
沢田俊史 共産 24,965票 8.5%
植田誠一 幸福 6,132票 2.1%

グラフ化による比較。




有権者の総数は今回が459,547人。前回は460,985人だったので、1,438人のマイナス。比率では0.32%のマイナス。ほとんど変わっていない。
投票率は63.93%。前回の65.50%に比べて、1.57ポイント低下したものの、それでも63.93%。全国平均の59.32%よりは、4.61ポイント高かった。有効投票数では約7千数百人の減少だった。


今回の衆院選で、東京8区は、有権者の総数は前回とほとんど変わらず、投票率は前回より若干落としたものの全国平均よりは高かった。




有効投票の総数は、今回が282,391票。前回が295,334票だったので、12,943票のマイナス。比率では4.39%のマイナス。


当選した石原の得票数は132,521票。前回の147,514票より、14,993票減らした。


一方、2位以下の3人の合計得票数は、149,870票。前回の147,820票より、2,050票増やした。


当選した石原が得票数を大きく減らして、2位以下の落選候補の合計票数は、前回と比べて微増だった。


有効投票の総数は、前回と比べて12,943票のマイナスだったことから、石原が得票数を14,993票減らしたことには、有効投票の総数の減少が大きく影響したと推測される。
対して、有効投票の総数の減少は、2位以下で落選した、石原の対抗馬となった候補たちの票田には、ほとんど影響を与えなかったと推測される。



したがって、今回の東京8区では、非自民(民主党共産党、無所属勢)を求めた有権者の投票意識は低くなかった、もしくは前回と同じくらいの意識の高さを保っていたと見られる。
が、それらの有権者の意識の方向性が分散し、石原の当選を利した。


(もっとも意識の分散が、石原を利したこと自体は、2009年8月の前回と同様である。(保坂と共産候補の食い合い))




今回の選挙は、今のところ、“戦後最低となった投票率を背景に、安定した組織票をもつ自民党(や公明党)が、勝利を得た”という分析がされることが多い。


が、東京8区に関しては、前回より若干落としたものの全国平均よりは高い投票率の中で、安定した組織票をもつはずの石原が、得票数を1万数千の単位で落とした。また、投票率の低下によって減少した票の多くは、前回の選挙で石原に投じた有権者の票だったと見られる。
一方で、2位以下となった、非自民を求める有効投票数の合計は、前回より微増となった。


今回の選挙は、東京8区における自民の動員力、支持率の低下を示すように見える。


そして、落下傘的に立候補した山本太郎と、落ち目の民主党候補との間で、票の食い合いが起きた、ことが推測される(共産候補の得票数は今回と前回とでほぼ変わらず)。