前回のティア、3日前の顛末。


ただでさえ年に二桁も更新しないのに、さらにサボり癖が輪をかけてるかに見える、ここ半年の当ブログ。


いや、更新していないのは確かなんですが……。


今回は理由がある。あります。


特に前回のティアの感想はかけない理由がありました。


ちゃんと具体的に。書く気が起きないとか、「ゲーム・オブ・スローンズ」を一気視聴して時間がなくなったとか怠惰な理由ではなく。


物理的に。


キーボードを打つのが難しかった。


鎖骨を折ったので。









このあたりでした。


ゆるい右カーブ。ゆるい登坂。


雨。どしゃぶりではないけど、アスファルトの路面に流れが見えるくらい。ヘルメットのシールドにも常に水滴がついて、視界はよくない。


後続車や対向車はなし。


道の横から鹿が飛び込んできたり、カラスが横切ったりということもなし。


カーブに差し掛かったとき、いつものようにグリップを戻してエンジンブレーキをかけつつ、車体を右に倒して曲がろうとしたところ、思いのほか、路面の白いセンターラインに沿った曲線を描かない。


曲がりきれない先には、道路の左端の蓋のない側溝、コンクリートで補強された山の斜面、オレンジのカーブミラー。


焦る。


前ブレーキレバーを握りこんで、ほぼ同時に、ハンドルを右に切る。


そのゼロコンマ何秒か後、ズルッと前のタイヤが左方に滑ったのが分かる。


(ああ、やった)(これは立て直せないやつだな)


肩、肩掛けバッグの押し付けられた脇腹、ヒザ、つま先に衝撃。


記憶では、そこから10秒もせずに立ち上がれた。


ただ、バイクは上部を側溝に突っ込んで逆さの状態。自力で引き上げるには、肩から腕にかけての痛みが尋常ではないため、早々に諦めた。


思い付く理由は、まずスピードの出しすぎ。制限速度標識のない60km制限の道だったので、交通違反ではないものの、濡れたカーブの路面を曲がり切れるほどには結果、抑えられていなかった。過去に何度も似たようなカーブ、似たような状態の路面を問題なくクリアしてきて、(なんで今回は?!)という思いをぬぐえないといえばウソになるが。


今は、(過去は運が良かっただけ)と考えるようにしている。


あとは、ハイドロプレーニング現象。この日よりさらに激しいどしゃぶりの中を走行したこともあるし、台風の中を走り切ったことも何度かある。が、条件が重なれば、いとも簡単に転倒するということ。


重なった条件は、おそらくパニックブレーキ。勢いよく握り込み過ぎ、ブレーキの性能を発揮できずにロックした。


路面に、バイクの大敵の砂、落ち葉、油などは見当たらなかった。


それと、雨でシールドの視界が不良になり、カーブの角度とスピードの関係を見誤った可能性は残る。この日のヘルメットは、ツーリングで初めて、曇り止めのピンロックシールドをシールドにつけており、悪く言えば二重ガラス状態になっていた。シールドと、ピンロックシールドの透明性は高いが、そこに水滴が重なって、いつもより視界に影響した可能性がある。曇り止め効果は抜群だったが。


で、結果、こうなった。


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バイクのダメージもそうだけれど、《夜目新聞社》の人のイラストがぼろぼろになってしまったのが、本当に申し訳ない。


肩、脇腹、ヒザ、つま先の4か所の中で、一番ダメージが小さかった(痣程度で済んだ)脇腹は、ちょうど防水の肩掛けバッグが道路と脇腹の間にはさまる形になり、衝撃を吸収してくれたことが大きい。もっとも、休憩のたびにカバンをかける位置を左右の肩で入れ替えていたので、転倒の瞬間、たまたま右の脇腹にあったという幸運に助けられただけと言ったほうがいい。カバンがビリビリになって、中に入れていたカメラのフレームがひしゃげることで、脇腹が守られた格好。カバンは買い替え(約5,000円)、カメラは秋葉原のサポートセンターで修理(約14,000円)となりました。


折れた鎖骨に関しては後悔しかない。肩プロテクターをつけていればと。革ジャケットの下に、胸と背中(脊髄)、脇腹にプロテクターが入ったメッシュベストはつけていた。が、肩とヒジにもプロテクターのある袖付きタイプにしておけば、折れまではせずに助かったのでは。


転倒の仕方にもよるが、ヘルメット装着が義務の頭を除けば、横に転倒した場合、最初に道路と接触する可能性が高いのは肩。身をもって知った(他のバイク乗りの人も、是非、肩プロテクターを)。


で、次に接触するのが、ヒザ。実際、その通りでした。加えて、ここでも後悔を残したのは、ヒザプロテクターをつけていたのに、それが用をなさなかったこと。はっきりいうと、位置が下にズレていた。パンツに取り付けるタイプのプロテクター。そのパンツごと、下にズレていた。バイクに乗るときはベルトをせず、代わりに、大き目の腰痛防止サポーターをつけ、それでパンツをとめていたのが仇に。


今、考えると、なんでそんなバカなことしてたの?と。ベルトをつけた上からサポーターをつけるとゴツゴツしてなんかイヤという、あまり理由になっていない理由なんか放っておけばよかったと思います(他のバイク乗りの人も、是非、ヒザプロテクターは常に適切な位置に)。


ほかに、ケガの有無、程度を左右したと考えられる要因は、裏地のあるレインスーツを着ていた(ひっかき強度がある程度あった)、革ジャンを着ていた(ひっかき(略)、脇腹プロテクターをつけていた、わりと頑丈な登山靴を履いていた、こと。特につま先のケガが、親指の爪がはがれたくらいで済んだのは、登山靴のおかげがかなり大きい。ゆるいブーツなんかであれば、肉や骨までダメージがきていたろう。


それと……これは完全に運の半ちゅうになるが、転倒直後に通りがかった自動車の運転手の人に助けてもらえ、比較的近くにあった病院に連れていってもらい、適切な治療を受けられたことは、事故とケガの処理のという点で、感謝してもしきれないくらい助かった。雨でぬれねずみの中、尋常じゃない肩の痛みに耐えながら、道端で1時間以上もレッカー車を待つ事態になっていたことを想像すると、天と地ほどの差。人の優しさが本当に身に染みた。












そんな転倒から3か月経った先週。


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幸いエンジンにダメージはなく、バイクショップに頼んだ外装やフェンダー、ステップの交換、自前のヤスリ掛け、ペイント、《夜目新聞社》の人のステッカーの再貼り付けを終えて、2年ぶり3度目の北海道でした。9日間を走り終え、夜中、無事に家に帰宅できたときの安ど感といったら。


10月に更新のくる任意保険では、身の回り品特約と人身傷害保険を追加したいと思います。