中絶胎児「12週未満は廃棄物」…環境省が警察に見解

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040908i401.htm

同省適正処理・不法投棄対策室は読売新聞の取材に対し、「(妊娠12週未満の中絶胎児は)本来、廃棄物ではなく、丁重に埋葬すべきだが、引き取り先がない場合は、胎盤などと同様、感染性廃棄物として扱わざるを得ない」としている。

胎児は捨てられる。だけど、不妊治療などのために採取させた卵子精子、受精卵の多くは、凍結保存されて、残される。
不妊治療などを管轄にするのは厚生労働省だ。つまり、受精卵までは厚生労働省が、12週までの胎児は環境省が、利用や廃棄の手順を定める。生きた卵より、人の形に近い死んだもののほうが、より「モノ」に近い扱いを管轄行政からされている、ということか。
卵子はES細胞研究や、実験的クローニングに利用価値があるから研究機関といっしょになって厚生労働省も面倒をみたがるが、死亡胎児には〝合法的〟利用価値が見出せないから、環境省に任せとく、という側面もあるんだろう。

ちなみに、アメリカでは、
受精卵の扱い、施設で格差 初の全米調査で判明

余った受精卵を将来使えるよう凍結保存していた208施設のうち、受精卵を廃棄していたのは84%。残りは宗教上の配慮などから廃棄していなかった。

という調査も。日本が事実上の無宗教国家なことも、対応の違いに反映しているかもしれない。


参考:中絶胎児、半数の都道府県が「ごみ」扱い 初の全国調査

都道府県のうち21、全体で32自治体が、注射針や血のついたガーゼなど感染性廃棄物を扱う廃棄物業者が妊娠12週未満の中絶胎児も扱うことが「ある」と回答。複数の自治体が「12週未満の中絶胎児は廃棄物かどうか国として基準を示してほしい」と要望した。

条例がある自治体のうち、北海道は「感情的に一般ごみと同様に扱うべきではない」と考え火葬場へ運んでいるという。
 一方、条例がない山梨県や埼玉県は「県として指導はしておらず、今回の調査で一部が廃棄物として処理されていることがわかった」「現在は排出者側の判断に任せているとしかいえない」などとしている。