万引き防止狙い以外のICタグの意義

 はてなダイアリー - 《陸這記》 crawlin’on the groundで、バーコードに代わる本へのICタグ導入を探るシンポジウムの感想http://d.hatena.ne.jp/solar/20040913#p1
 コメント欄のやりとりで、管理人id:solarさんによる、

ふつうタグは、ユーザーが商品の履歴を「遡ってトラッキングする」、つまり食料品の原産地や製造過程を知るために用いられるのですが、こと書物にかんしては全く逆で、ユーザーの購入後の行動がトラッキングされる。そのことでユーザーにどんなメリットがあるかを講談社の永井さんにおたずねしたところ、「まったくないでしょう」との率直な答えでした。

との指摘に深くうなずく。ICタグ付きの古書が出回ったとして、前の持ち主が誰か、なんて次の持ち主が知ってどうする? 
 では、誰がどんなメリットを享受し得るのかというと、

はっきり判ったのは、ICタグ普及は完全に官主導のプロパガンダ運動であるということだ。巷間独り歩きしている「ひとつ5円」のタグを実現するのに必要な「月産1億個」という数の達成のために、商品点数が豊富な出版界が狙い撃ちされたな、というのが正直な印象だ。出版界にはICタグをつけなくてはならない現実的な必要性も、そのことによるメリットもないが、経済産業省としては、本にタグをつけさせることでタグの量産が可能になり、単価を下げることができるというメリットがある。

という見方もできるようだ。
 非接触ICタグ/IT用語辞典/キーマンズネットhttp://www.keyman.or.jp/search/30000641_1.htmlなるページの説明によれば「最近では、発注ロットにもよるが、およそ10円程度のICタグも登場し始めている」(本文抜粋)らしい。さらに半値まで落とすことができるなら、最後の露払い役として、出版市場はおおいに使えるということなんだろう。