「ハリ・ポタ」売れ行き鈍化、大量在庫に書店戸惑う

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041001-00000005-yom-soci
 9/1発売の第5巻「不死鳥」が、史上最高部数の初版290万セットだったということを知る。さらに「セット」の計算なので、分売不可とはいえ上下巻を別々にカウントすると、その倍、580万部。金額なら定価(税込4,200円)×290万部=121億8000万円! しかし、その売れ行きが書店側の目算から外れて、売り場、在庫として重荷になりつつあるという記事。

2万4000セットを仕入れ消化率67%という大手書店チェーンでは、「思ったほど売れず困った。このままでは2割はあまる」。15万セット注文した別のチェーンでは「前巻から2年近く開き読者が離れたのか、消化率は予想以下。倉庫の確保も考え始めた」という。

書店が戸惑うのは、売れ残れば出版社に返品できる通常の本と違い、5%以外は返品できない買い切り商品で在庫が書店の損に直結するため。2冊セットで場所も取り、値段も4200円(税込み)と高額だ。
出版社にも影響を懸念する声がある。草思社の加瀬昌男会長は「ハリポタの在庫が売り場や倉庫を占め、書店の仕入れ資金も圧迫、他社の本が店に並びにくくなる」と心配する。ハリポタ代金支払いのため他社の本を返品し、帳尻を合わせる事態も起きかねない。このため、「他社の本とはいえ、ハリポタが売れてくれないと、うちも困る」との大手出版社長の声もある。
静山社が小書店にも本が行き渡るようにハリポタを買い切り制としたのは第4巻から。290万セットは、売れると見込んだ書店の注文に応えた結果で、同社側は「あとは書店の努力次第」と話す。しかし、出版問題に詳しいエッセイスト、井狩春男さんは「シリーズものは5巻目あたりから下降するのが普通で、出版社は事前調整の必要があった。初版200万セットが適正」と分析する。

 5%以外は返品できない、っていうのは、仕入れた全体の5%分しか余っても返品できないってことでいいのかな?
 ハリポタが書店から売れてくれないと(または倉庫に移動してくれないと)、自分のところの本が並べてもらえないという草思社会長の声が、もの悲しい。でも、静山社の「あとは書店の努力」ってのも、これだけ儲けてるんじゃあ、奢って聞こえるよなぁ。
 そのうち、バラ売り、ディスカウント売り、古本屋横流し、といった風景を、都内の本屋で見かけることになりそうな気も。で、一旦そういう売られる方を記憶に残されると、人気のほうも釣られる可能性があるからなぁ。ブックオフとかで、これからの「不死鳥」売価推移をチェックしとくと面白いかも。