「真夏の夜のユキオンナ①」(大山玲) 講談社コミックスDX 

 台風を避けて地下鉄の駅に駆け込んでくる会社帰りの流れと逆煮、大荒れの路上を神保町に向かい、夕方、コミック高岡で最後の一冊を購入。入荷が少なかったのかもしれないが、復刊を待っていたファンは案外の多いのかと思うとうれしい限り。
 カバー絵と口絵は書き下ろし。ユリと晴明がどう見ても10代前半にしか見えないのは、どうしたことだ。一瞬、誌面リニューアルで打ち切られたままの「とと。」用の新キャラか?、と思った。いわゆる萌え系の絵にシフトしつつある印象。これはこれで、いいんだけど、「真夏の〜」にもってこられるとやはり違和感がある。
 でも、今「真夏の〜」のようなマンガを企画した場合、ユリ(の外見)は大人の女性じゃなくて、妹系にするよう編集サイドで修正が入るだろうな、などと考える。
 後書きついてたーー! 「攻殻機動隊」と同時連載だった喜びを表す大山氏。士郎正宗作品へのマニアっぷりは、今も昔も変わらないらしい。
 連載2回目のネームが全ボツだったとのこと。連載1回目はモーニングの賞に読み切りとして応募したやつだったはずだから、正確に言えば、連載用に書いた1回目(=2話目)のネームがボツったということになる。うーん、しょっぱなからアクション要素を入れようとでもしたんだろうか。分からないが、でも、まずユリと晴明の間で、とりあえずの主従関係成り立っていく流れを、日常描写でもってうまく書いてた回だと思う。
 あと、旧巻2巻目の3話まで入っていたので、おそらく復刊は全3巻になるみたい。これに続いて、未単行本化の「FISHBONES」や、あるいは新連載が始まれば言うことはないんだが、さて。


真夏の夜のユキオンナ 1 (KCデラックス)

真夏の夜のユキオンナ 1 (KCデラックス)