神保町「とんかつ いもや」①

 腹が減るから余計に気が滅入る。こーいう気分の時は、行き着けの店で腹を膨らませとけばなんとかごまかせられることもある。
 というわけで「いもや」へ。神保町では言わずと知れた店。〝天ぷら〟と〝とんかつ〟の「いもや」の2種類があるけど、今日はなんだか噛み応えが欲しい気分だったので、とんかつの方を目指す。
 とんかつ「いもや」はさらに2店舗があって、今日も、白山通りと靖国通りの交差点を西へ行き、左にマクドナルド右に三省堂を置いた錦華通りに合流したところで、北に少しあがって左へ曲がったところにある「いもや」へ(もう一軒は、神保町駅から白山通りを北へ向かい、ちょうど水道橋駅との中間地点にあるんだが……)。
 「ヒレカツ定食」(900円)。
 いきなりべた褒めになるが、都内をうろつくようになって、1,000円内でここ以上のカツを食べさせるところを、まだ見つけてない。味、歯応え、衣の厚さとも、申し分ない。油がまつわりつくこともまったくない。小さめのヒレカツ3枚を3つずつに切り分けて出してくれる。頼むなら、トンカツ定食(700円)よりはこのヒレカツを薦めたい。
 いつもカツの皿に山盛りで乗ってくるキャベツは、細かい千切りで非常に食べやすい。野菜の値段が高騰してる今時にあっても、まったく量が減ってなく感心する。ご飯の大盛りは無料。白飯だけでもきちんと食べられる味。
 ただし、多少、しじみ汁は塩辛いと思っている(ところで、しじみの身を全部ほじくって食べるのは、珍しいというか、あまりメジャーではないのか?)。それに、カウンターに置いてある漬物はなぜか薬臭い感じがあって、つまむのはおすすめしない。
 昼時にくると、カウンターにおっさん客とすし詰めにされて食べるハメになるので、時間が合えば15:00以降の来店を薦めたい。