『鬼畜祭り 〜遺作ホンハイエ〜 LOFT/PLUS ONE』 ①

 
 出掛けに目を通していた、歌舞伎町の客引き全面禁止化を扱った東京新聞特報(11/17)で、コマ劇場裏のキャバクラ引き(35)の男性が話す「こういう商売がなくなったら、モテない男はどこで遊んだらいいの?」に、そういえばモテ狙いで歌舞伎町を訪れた経験があったろうか、などとちょっと寂しくなりながらも、非モテの極北イベントへ。
 今週もまた途切れ途切れの睡眠しかとれていなかったため、席取りを兼ねて、開場から開演までの1時間を睡眠にあてようと、18:30に階段に並ぶ。ほどなく入場。


 しかし、ここで一つ勘違いをしていた。妹祭りで、主催側の心遣いにより開演時間まで上映されていたBGV「恋風」「ダ・カーポ」は、まぁある程度の音量はあるにしても、こちらもオタだからBGVとして聞き流すことができていたけれど、じゃあ鬼畜イベントなら何をBGVにしてくるか、それを想像できなかったのは落ち度。「鬼作・魂」の絶叫を聞かされながらでは、さすがに寝られず。その間、内階段2階の出演者控え部屋からは、鬼作のカッコイイ登場シーンなどで何度か笑い声が漏れてくる。
 開演時間の19:30になるが、まだ6〜7割ほどの客入りだったためか、BGVを「サイコⅣ」に入れ替え、少女がノーマンⅣ号に包丁で串刺しにされたあたり、19:45頃、「鬼畜祭り」開演。



 出演者は、前回の妹祭りでメーンパーソナリティをつとめた しろはたの本田透氏ペーパー・ムーンのみやも氏の二人、風俗ライターの安田理央氏特殊翻訳家・映画評論家の柳下毅一郎氏が参加(前回出演者側だった歯車党日記の石黒直樹氏も客席側に座ってた)。
 告知ページで、妹祭りの「コスプレ女どたキャンに懲りた」ので自らコスプレすると予告していた通り、本田氏は白衣+眼鏡+鬘で夜勤病棟の鬼畜医者・比平坂竜二コス、みやも氏と安田氏は黄色タオル+ジャージで鬼作ダブルコス。病気で「しろはた」の更新をしばらく休止していた本田氏は、現在も毎日病院で点滴をうってもらう生活の上、今日は座薬を挿入してきた、と話す。確かに前回ほどはまだエンジンがかかってないかな?、という印象も。


 まず「鬼畜ゲーム大全」(ISBN:4902566702)の話から。
 前作の「妹ゲーム大全」では、妹じゃないキャラが表紙に出ていて、印刷直前に慌てて差し替えた話があったけれども、またも鬼畜じゃないキャラが載ってしまっていたとのこと。「大悪司のキャラのところに、クライミライのキャラが入ってた」(本田)。クライミライは陵辱や輪姦はあったけど、さほど鬼畜思想に貫かれてはいなかったかなぁ。
 売れ行きにかんしては、前回の祭りで増刷分を含めると2万部ほど売れたと話していた「妹本ほどは売れてない」(本田)のに、営業が勘違いして初版部数を前の2倍刷ってしまったらしい。「エルフが広告を出さなかったのが痛い」(みやも)、「広告入ったので、入れさせられたゲームもあった」(本田)。売れる売れないかかわらず、本田氏によれば「鬼畜本はこれで終わり」の予定だったよう。尻穴を自分で広げるレオタードが裏表紙の広告じゃ、裏返して買えないよね、とひと笑い。
 歌舞伎町に移転する前のロフトプラスワンでやった「キチクナイト」に出たことがあるという柳下氏の発言を受けて、今日は鬼畜になりきれない「あすなろ」鬼畜の集まりだ、という感じの突っ込みが入ったところで、本田氏が掲載許諾の取れなかったマンガについて、修正前原稿を持ち出しながら説明。
 女性が脱糞するのを間近に見て性欲を断ち切った宮本武蔵(マンガ名は忘れた)や、デビルマンのヒロイン首チョンパなんかが、コマをマンガの表紙に差し替えられていた。「編集から、これは引用の範囲じゃないとダメ出しされた」(本田)。
 結城彩雨の「狙われた美肉」に付箋を張っている途中、胃が痛くなったと、安田氏。公開掻爬ショーとか、生まれた子供をバイブに改造して再挿入するようなシーンを読みつづけてれば確かに体調も悪くしそうだよ。ゴリラと黒人好きの団鬼六作品に出てくるらしい「ニグロを孕め!」がややウケ。
 柳下氏から「鬼畜大全」資料として津山30人殺しの現地で撮った〝心霊写真〟を借りていた本田氏は、その後の受け取りを柳下氏が遅らせた(?)おかげで体調をさらに悪化させたと、力なく文句をつけていた。
 
 ここで、本田氏が本日一回目の鬼畜語録でまとめ。
 「鬼畜は相手に嫌われるためにやってる」「その相手に告白されそうになったら逃げる。または告白してくるお前の頭がおかしい、と告げます」。そして次コーナーのゲスト紹介へ。