駒場祭 鈴木宗男×野田敬生対談会「地方政治と利益誘導」

河童踊り@駒場祭

 東京大学地方政治研究会主催対談会へ行ってきた。300席の階段講義室は満席で立ち見もちらほら。ムルアカ氏もきてた。でかかった(180cmは超えてたろう)。
 
 最初に二人が自己紹介をしたのだが、一番手の宗男氏が長い。10分ほどは話した。先日、収賄罪などで2年の実刑判決を受けて控訴したばかりだが、「自分が間違っていれば松山千春は去っていったはず」「そこに宗男の真実がある」と、堂々としたもの。「これからも正直に宗男らしく生きていく」とほとんどワンマンショー。初めて見た野田敬生氏はエビス顔の丸坊主だった。

 感想としては、対談と銘打ってはいたけど、ほぼ終始、宗男氏の一人語りに近く、野田氏が自己紹介時に話していた「刺激的な話」まではたどり着けず。公安出身でCIA、消費者金融WINNYなどを手がける野田氏が、地方の政治とカネの暗部にどこまで精通できていたのか(これは、対談を受けた野田氏、その野田氏に開催日間際になって依頼を出した地方政治研究会の人選と段取りの問題でもあると思う)。宗男氏の講演会なら、誰もわざわざ聞きにいきやしない。野田氏となら、丁々発止のやりとりがありえるかも、と期待していたのだが。
 野田氏が、北海道新聞が記事にした地元議員への企業献金の獲得率をひいて、宗男氏の地元企業との癒着を突っ込もうとしたところ、宗男氏がそのデータは総務省に提出されたもので、もっと実態を反映している地方の選挙管理委員会へ提出されたデータのほうでは、中川昭一のほうが献金を集めてるというような〝たしなめ〟をする場面まであった。宗男氏が直接言ってたけど、ほんとに付け焼刃な印象がぬぐえなかった。

 とりあえず、宗男氏が話したことの中で、興味深かった分だけでもアップ。
・〝悪質な〟利益誘導の最たるものが税金。税制調査会は利益誘導そのもの。対して、公的な要請の下で行われた利益誘導は問題ない。
・「1億円の小切手もらって思い出せないことがあるのか」(日歯連橋本派献金事件について)。野中広務とは、また最近よく接触しているらしい?
政党助成金を基本にするなら、献金は個人献金だけにして、企業団体献金はすっぱりやめたほうがいい。資金集めのパーティーは容認で。
迂回献金は過去2回、100万円ずつを受け取った。それを受け取っていないというのは、自分を名指して献金してくれた人に失礼。

 まぁ、でも一言で言うと、ぬるい話が続きました。

 地方政治研究会は、野田氏の守備範囲じゃないテーマなことぐらいわかっていたんだろうから、関連の資料を揃えたり、研究会からの宗男氏への質問をいくつか用意しておくべきだったんじゃないのか(対談の終了間際に参加者からの質問アンケートを回収し始めたって、より分ける時間なんかあるわけないだろう)。



(ところで、今見直して思ったが、なんで鈴木氏じゃなくて、宗男氏って書いてるんだろ……)