世界遺産目指す ミクロネシア謎の古代遺跡
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20041124/mng_____tokuho__000.shtml
夢枕獏か誰かがリポーターのテレビ特集で、空中に浮かべて運んだ、っていう口伝を紹介していた記憶がある、黒い巨石でつくられた古代建造物が、植物の根っこなどに侵食されて崩壊しつつあるらしい。記事では、その保全が遅れている原因として、地元の長老と地方自治体の関連権利をめぐる対立を紹介している。
こうした声に対し、ポンペイ州のブミオ・シルバヌズ公園管理局長は「所有権はまったく問題ない。既に遺跡は法律で州所有になっている」とその書類を見せた。そして「世界遺産の申請を二年前に行ったが既に締め切られた後だった。今後、できるだけ早い時期に登録したい」と意欲を示し「公衆トイレなど周辺整備で二十一万五千ドルが必要。日本政府には、このうち七万五千ドルを助けてもらうつもりだ」と皮算用する。
一方、長老側。
「ここでは法律より長の意思が尊重される。私以外の島に四人いる長すべてが同じ意見。遺跡を直し、民間企業に土地を貸してホテルを建てればたくさんの観光客が来るでしょう。それはいいが、すべて私の持ち物だということが前提だ」
どっちも観光収入、地代収入狙いかよ。分かりやす過ぎる。
「失われた文明を求めて」の著書がある大阪大学名誉教授で民族芸術学会長の木村重信氏は「イースター島などの南太平洋の巨石文化圏の中で最大の規模を持ち、世界遺産としての価値は十分ある」と評価。
さらに「世界各地の遺跡を調査した私の経験では、行政機関より地元の人々の意向の方に重みがあることは多い。それが尊重されないと世界遺産の登録はうまくいかない」との見方を示し「これほど大規模な遺跡の調査や保存は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)などの国際機関が中心になった援助活動が必要だ」と指摘する。
世界遺産に登録される見通しが立たないと、日本政府からの援助は期待できないということらしいので、調停の役目をよそに振るような言い方しかできないようだ。
それと余談だが、「MASTERキートン」でタクラマカン砂漠に放置プレイされた話が、地元の有力部族の意向を無視した遺跡発掘を引き金にしてたことと似ているようで、リアルにカネがからむこちらの記事のほうが、やはり読み応えがある。半そでよりスーツのほうが、体力を消耗せずに済むなんていうサバイバル豆知識は好きだったけどね。