スカイキャプテン(ケリー・コンラン監督)

 「レトロフューチャー」というらしい。ぼやけた映像、ぜんまいで動いてそうなロボットの大群が空を飛ぶ。水冷エンジンのカーチスがプロペラを収納し、海中を進む。空中空母は、どうやって地面に着陸するのかね? とても分かりやすいガジェットの数々。一つ一つのデザインは狙ってやってるにしても古臭いんだろうけど、それがブリキでなくガンダニウム合金でつくられている風に実感できる。展開が速い割に、頭を使わずに楽しんで観た。
 劇場パンフレットでジュードロウが「セックス抜きのウィットにとんだ関係」とコメントしている元恋人同士のスカイキャプテンと女性記者の関係も、小気味がよかった。同じくパンフレットにあった出演者のインタビューや映画監督の山崎貴氏のインタビューによると、相当古典的なストーリーやキャラクター設定ということになるようだけれども、まぁ、40、50年代までさかのぼったハリウッド映画はあまり知識として持たないので、ありきたりというような悪印象には自分の中で結びついていない。
 それと、勝気で嫉妬深くて行き当たりばったりな新聞記者のポリーの設定は、とてもギャルゲ的だと思う。カーチスの胴部に入ってるペイントの意味に気づいた時の反応なんて、お約束もいいとこだが、素直にこちらもニヤけてしまった。複座の後ろの席からジュードロウの顔のすぐそばに乗り出すシーンなんてな! エンドクレジットのキャスト一覧のトップが、ジュードロウじゃなくてポリーなのは、ストーリーの決定的な部分は、彼女が動かしていたからにほかならない(笑)。


 ところで、アンジェリーナ・ジョリーの眼帯女って、悪役側じゃなかったんだね。


参考:「スカイキャプテン」公式サイト