ライトノベル完全読本 vol.2

 雑感はいろいろあるけど、「私を変えたこの一冊」という、まぁ言えば在り来たりな作家アンケートで、新城カズマがあげた一冊が見事にツボに入った。一気に、記憶がフィードバック。それをあげるか。
 
 小学5年生用の国語教科書で、3学期の最後にやった、架空の島の地図をつかって物語をつくる授業、だと。

 書いたわぁ。バカみたいにリキ入れて。オチはどんなことを書いたか忘れたが、川を流れてくる山に向かって旅をして、島の向こう端でその旅は終わった。当時、ゲームブックブームの真っ只中で、つくるのがめんどくさいパラグラフの代わりにマップを行き来させて、自作のゲームをやらせてる友達がいたのにも、刺激されていたからだろう。だから、木村航(=茗荷屋甚六)が「火吹き山の魔法使い」をあげていたりするのにも、真正面から共感した。新城カズマゲームデザイン出身だし、何より「ロードス」はリプレイから生まれたヒット作だ。ライトノベル的な本読みの出発点が、TRPGやゲームブックからという層は、85’〜88’ 84’〜87’*1くらいのごく短期間(3年なら短くもないかもしれないが)ではあるけれど、ブームというパワーショベルでごっそり掘り起こされてたように思えてくる。
 まぁ、89’くらいから急速にそのブームがしぼんでいって、相当数の量はまた離れていったとも思うけど(自分がそうだ)。
 

 だから、自分をラノベ読みに復帰させた「ブギーポップ」の斬新さと電撃文庫の営業戦略は、たいしたもんだったと思うし、いまさらやりつくされてる感はあるかもしれないけれども、vol.3以降では、もう一度扱って欲しいテーマではあるんだ。


ライトノベル完全読本 Vol.2 (日経BPムック)

ライトノベル完全読本 Vol.2 (日経BPムック)

*1:火吹き山が出た84’年、ソーサリーが出た85’年、ドルアーガ3部作が出た86’年、東京創元社主催の第1回GBコンテスト受賞作発表があった87’年まで。