シュミレーションでもいいじゃないか。

 えー、ところでまったく話は変わるが、上の文章を書くときに、あえて「シュミレーション」という単語を使った。はてなキーワードでは、

ありがちな覚え間違い。

などと説明されているが、正しい正しくないという問題ではなくて、個人の立ち位置の問題、主義主張の問題ではないのか(プラモ狂四郎起源説はなかなか興味深いが)。

 いつごろ、原語発音に近い表記のほうがよろしいという以外のどのような理由や背景があって、どの組織が、どんな狙いから、「シュミ」×「シミュ」○で世の中を固めてしまっているのか、それは知らないが、もし発音との関連のみがことさら問題というだけなら、じゃあその謎の組織は、今からでも「$=ダラー(dollar)っていえよ!」運動を展開してほしいものだ。そうすれば、2chやチャットなんかで㌧㌦といった突っ込みにダラーだろプゲラと返してやれる。
 
 話がそれたが、「シュミ」×「シミュ」○の波はおそらく、ワープロ普及以前にきていたのではないか、という気がする。シュミレーションくらいよく多用される外来語であれば、初期段階から辞書登録されていてもおかしくないと思うからだ。だから、ワープロでシュミレーションという単語をみなが書きなれてしまっていれば、「もうめんどくさいからこのままでもいいんじゃないの」という主張に日本人らしく流されてしまえていたのじゃないか。
 あー、でも、ローマ字打ちする機会が増えると、逆に「シュミ」と「simu」がつながらないことに気づく人が増えてきて、やっぱり「シュミ」は排斥されていったかもしれない。

 なんで「シュミ」がいいのかという個人的な理由は文字通り個人的なものだ。
 おそらく、頭の良い悪いがクラス内の優劣と結びつき始めた小学校高学年か中学生くらいのころに、訳知り顔のクラスメイトから、「シュミレーションだっせー、シミュだろ、シミュ!」くらいの諭されかたをされて、発音表記からすれば確かにそうかもしれないと思いつつむかついていたため、反感を覚えるのだろう。あるいは、そのように知識をひけらかしたのは自分のほうだったのかもしれないが、なんにせよ後味の悪い思いをしたはずだ。

 そういえば、中学の時の社会科の授業で、「ASEAN」を「アセアン」と書くなと熱心に説き伏せてくる教師がいた。「ASEAN」は東南アジア諸国連合の原語の頭文字をとった略称表記なのだから、「アセアン」と表記すると言葉の意味がわからなくなるから、というのが理由だったと思うが、「シュミ」×「シミュ」○の発音問題は「ASEAN」○「アセアン」×に比べると理屈のこねくりまわし方が少々足りないように思えるので、やはり使いたくないのだろう。そういやCOMECONってまだあるんですかね。

 最近「シュミ」×「シミュ」○問題が話されていた*大 手 小 町*には、

04.11.05 14:17:27 hagi
ウチの会社も使ってる『記者ハンドブック 新聞用事用語集』(共同通信社発行)によると、「コミュニケーション」「シミュレーション」「メーン」などの外来語はこう表記するということが決まってるようです。「クラスメイト」も「クラスメート」になります。
個人的には好きではないのですが、記事を書くときはそれに倣います。

 と、予想範囲の答えがあった。
 手元にある95年9月第7版の共同通信のやつでもそうはなってるけど、新聞用語なんて、政治的意図とかスポンサーに配慮した用語設定もあると思うし。たとえば、ファミコン=家庭用テレビゲーム機って指示してあったりするし。あんまり関係ないか。ところで、ホネケーキ=化粧せっけん、ってなんの商標の言い換えですか。


 これが本当だったらイヤかも、という書き込みも。

04.11.03 03:09:11 いな
もともとは、三国志などのゲームを出している株式会社 KOEIのシブザワコウさんが作った造語歴史シュミレーションゲームが残ったものと記憶しておりますが。

 コーエイの仕業だといわれると、意識して「シミュ」のほうを使うようにしようという気になってくるから不思議だ。

04.11.08 00:02:47 anonymous
昔simulationをカタカナにするとき,本当は「シミュレーション」がより正しいのだけれど,日本語としては発音しにくいのであえて「シュミレーション」にした,という話を聞いたことがあります.
最近では,なるべく元の発音に近い表記をするようにしているので,「シミュレーション」の方が適正そうです.

 だから、それなら㌦はダラーって言えよ!、と強調したいわけですよ。