週刊新潮2/17号『自民党「性犯罪対策委員長」(「奈良女児誘拐殺人」事件で設置)のセンセイは「婦女暴行」で2度告発されていた!』
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/
期待はずれ。というか今週“も”ネタなかったのか新潮。
自民党法務部内に設置された正式名称「特定犯罪の抑止等に関する小委員会」の委員長である西田猛衆議院議員が、他の女性への婦女暴行で結婚3カ月後に離婚していたとか、レースクイーンに車内レイプで告発されたとか、そーいう内容。
まあ、記事の中核であるその部分だけを読めば、中程度のゴシップ記事。2つのネタがすべて過去に本や雑誌で公表されていたものを拾ってきただけというのは、もっと新しい独自ネタ加えてこいよ、という感じだが、まあ単に新潮が怠慢だから、で切って捨てておけばいいことだ。獅童の母親がマンション管理費踏み倒しにかかってるとか、もう一本の柱記事もほんとにどーでもいいネタ。
この議員が辞めて別の議員が委員長になったとしても、この委員会の趣旨や今後の活動にそれほどおおきな支障をきたすとは思えないし、性犯罪者の情報公開うんぬんの議論で自民党が前提とする結論に対しては、あまり影響を与えることはないだろう。
いまどき何を書いてんだ新潮、というのは、西田議員の経歴と過去について触れるまでの前段、小委員会が設立されることになった背景や趣旨についての説明の仕方。性犯罪の再犯率が高く、「何事にもスピードの遅いお役所仕事の間にさらなる事件が起きてしまう」(本文抜粋)といった論調で、性犯罪者の情報公開の妥当性などにまつわる議論について、まったく一面的で、西田議員のゴシップネタ紹介にたどり着くまでの単なる繋ぎの扱い。
で、いまだにその数字かよ、という識者コメントに一番呆れる。
中央大学法学部で犯罪学を専攻する藤本哲也教授(プロフィール、著作)からコメントをとっている、
は、だからどこのデータだよ、と。
東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20050115/ftu_____kur_____000.shtml)では、性犯罪の再犯率が他の犯罪に比べて高いとは言ってなかったが、同率ともそれより低いとも言ってない。「全米の性犯罪者の再犯率は下がったが、クリントン政権以降、経済の回復とともに犯罪全般が減り、ミーガン法の効果かどうかは分からない。」というコメントからすると、性犯罪再犯率が高いという認識ではあるらしい。ミーガン法の功罪について確かに詳しい一方で、性犯罪再犯率が高いという根拠については、どういうデータから結論づけているのかがよくわからない。あるいは、アメリカの数字を引いて言っているのか。日本と諸外国では性犯罪再犯率の数値に顕著な差があるのか。
レイプ歴の元ネタを過去記事で提供する形になった日刊ゲンダイのコラム(http://gendai.net/contents.asp?c=010&id=15952)も、代議士の醜聞って切り口にのってるだけ。この婦女暴行議員のネタをゴシップ記事以上に昇華できない(というかするつもりもないんだろうが)んじゃ、底が見えるってもんだ。