「パンプキン・シザーズ③」(岩永亮太郎)講談社KCデラックス
過去の日記ではこんな感想を書いていたけれど、約半年ぶりに新刊を読むと、前の感想とは違ってあんがい面白い。阿吽時代とパンプキン連載初期の肉厚のある輪郭線の方が好みだった自分からすると、そのイメージをもって読んでた1〜2巻は絵の迫力がどうも物足りなかったんだけれど、それを気にさせないほどストーリーの運びがこなれてきている。
けれど面白いといっても、戦災復興部隊の4人の戦いぶりに血沸き肉踊るといった意味ではなく、軍の上層部や研究機関、謎の組織のたくらみに、いいようにコマとして使われてしまった一兵士たちの悲哀の似た感情が、よく伝わってきたという意味で。
2巻に続いて後半部が収録された、ある事情から脱げない断熱服を着て命じられるまま火炎放射器で相手を焼き殺す兵士の話は、特に。冷却液にかんする秘密の設定とそれによる火炎放射器部隊の末路は、響いた。思わせぶりな会話や意味深なセリフは、もうちょっと説明的にしてくれるか、ちらちらとうまく伏線の描写を入れてくれると、まとまりがいいんだけれど。
しかし、GREATって少年誌でいいんだよね?「パンプキン」より先に「RED EYES」やってるんだから、新規路線でダークな話を始めてるわけでもないんだけど、「かっちぇる」の読者は果たしてこのマンガを読んでるのか。
- 作者: 岩永亮太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/17
- メディア: コミック
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