ヤングガンガン 7号

 なんだ、やっぱり青年誌という認識でよかったのか。次号8号より、グラビアページ開始の告知。「青年誌ナンバー1のボリューム」とか「袋閉じ」とか6人も一度に登場とか不安と期待が入り混じる。
 スクエア エニックスがマンガ誌でグラビアに挑むのは、旧エニ時代の「コミックバウンド」以来なわけだが、では、5号で消え去った幻の雑誌での起用アイドルをこちら(→http://www.yamagami.info/bound.htm)で確認させてもらうと、

  • 真鍋 かをり
  • 中島 礼香
  • 周防 玲子
  • 山川 恵里佳
  • 池脇 千鶴

 今振り返ると、5年前の当時としてはなかなか粒ぞろいなメンバーを起用してた。掲載マンガの挑戦してた感というかピエール滝マンガの無軌道っぷりやボロブドゥールの本格異世界っぷりと比べると、王道な人選だったんだなと分かる。関係ないけど、ちょっと太めだったけど、中島 礼香が引退したのは惜しかった。
 今回は、10代を6人起用、とのことなので、質より数か。ヤンジャン少年マガジンのレベルとまでは言わないが、微妙な週のアニマル位は超えてくれたら合格点と期待しておく。ところでヤンチャンのグラビアのC級路線は、あれは単にお金がないからなのか、それとも狙いなのか。

 

 「すもももももも」。巻末の2話目が、今号掲載マンガのなかで一押し。主人公の命を狙いにきたロングの女忍者の、ツンツンときてデレ間近な変わり様がたまらん。もも子に睡眠学習でくどき文句を吹き込まれる前フリが、後半の寝言の告白につながる構成も、申し分なくうまい。連載開始以来で見ても、出色の出来。

 鳴瀬ひろふみ「OPEN! メイディーズ・カフェ」。男の友達が女装コスプレ趣味だったというオチ以外特に見るべきものが。というか、鬼窪浩久コピー機で10回くらい複写したような絵柄があまり好みでないというだけかもしらん。

 「リセット」。作者HPでダウンロードした1〜3話分をまだ読んでないので、次号の最終回でまとめて書く。

 「戦線スパイヒルズ」。無防備そうでいて裏のありそうなカノジョとラブラブって話しは今後の展開に必要な描写なのかもしれないが、最後の引きでの、主人公の驚き方が前回の太ももサイフとか婆さんとラブホの回とまったく同じで、少しはパターンを変えてくれ。またまたラブホネタでひと騒動……って繰り返しオチにしても、別なやり方があると思うが。

 「荒川アンダーザブリッジ」。ストーリーとギャグのどちらも中途半端になってきた。絵はこなれてうまくなってるんだけれども。眠りニノに合気道を修得させていたというオチも、これまでの連載分に比べると、まったく弱く意外性に乏しい。
 ここ何回かのラストのコマで、リクの突っ込みがでかい吹き出しに乗った声じゃなくて、心の声、モノローグの突っ込みになってきてるのも、ギャグの弱さを作者が自覚して、原稿上で抑制してるからのように思えてくる。創刊2号の「リクルートでいいです」並みの勢いが戻ってきてほしい。

 「バンブーブレイド」。タマちゃんが正義役に目覚める、きれいに決着がつく。しかし、本宮ひろしマンガの主人公なみに正義感に溢れたタマちゃん以外、汚れた人間ばかりだな(笑)。次回から別のライバルを出すなら、もっと気持ちいいキャラクターをもってきて欲しい。でも、外山が不良仲間の応援を頼んでリベンジしにくるって展開になりそうだなぁ……。

 三家本礼読み切り「マジョンナ」。鳥取で青少年を健全育成してるえらい人〜、銃で蜂の巣とか、またグロいことやってますよ〜(笑)。
 つまり、これは三家本版ブラックジャックなんだな。もしくは三家本版「なんか妖かい?」か。月1連載くらいなら続きが読んでみたい。

 「シールオンライン 〜ステレオガールズ〜」。例の韓国製「FF11」マンガ以上にコメントする必要性を感じない。作家に支払う原稿料でふつうに広告載せれば?

 「Beat Girls」。主に2ちゃんである方向へ前評判が沸騰してた霧木梵犬の読みきり。ふつうに考えれば、声を失った少女が、少年の音楽で歌声という声を手に入れるそのシーンが山場なんだろう。けれど、その山場がまったくもりあがらない。少女の歌声を聴いて涙を流す兄の下のコマ、夜を背景にした病院のうえに散らばる音符の入った吹き出しはなんだ。そんな適当な表現でいいのか、久々に商業誌に掲載された自分の作品が。
 

 次号に、大和田秀樹。元レーサーか何かのトラック野郎の話らしい。期待。で、霧木氏とは真逆に2ちゃんで話題沸騰してた、久米田康治が次々号で登場。*1今号予告ではカッターの替え刃をがまぐちにしのばせる女子高生のイラストが掲載されており、いかにも久米田らしい。
 ここまでゲスト読みきりのマンガはあまり面白いものがなかったけれど、久米田なら存分に才能を発揮してくれそう。「改蔵」は毎回、読みきりみたいなもんだったしね。

*1:追記:久米田の登場を、オフィシャルホームページではどこにも連載と書いてないのに、連載開始といっている人をちらほら見かけるが、読みきりか集中連載だと思うよ。本誌予告でも連載とは書いてない。