今日の読んでてどうにもこちらも胃が痛い話

 ひらしょーより。

さて、同期に「俺の給料を上げられないのはいい。しかし、ならば奴の給料を下げてくれ」とまで言われるような例の彼である。いろいろと調べてみたが、周りの人はほぼ完全に投げているようだ。ここで私まで投げたら本当に終わりだろう。とにかく罵る機会を逃さないようにせねばな。逆ギレでもしてくれればしめたもので、そこから対話に持ちこめるかもしれない。来週中に「おめえ、本当にできねえなあ」という台詞を吐こうと思っている。それを言う場面を想像するだけで胃が痛くなるのだが、たぶんそれくらい言わねばわかるまい。

例の彼はたぶん私を避けている。今日は一回も質問されなかった。なんかだんだんどうでも良くなってきたぞ。

例の彼はたぶん初期化とかいう概念そのものがないのではないかと思う。 nullにmemcpyするくらいだからそれくらいは十分ありうるわけで、たぶんC言語がどうとかいう話ではないだろう。ちなみに今日も話しかけられなかった。つい先日まで夕飯にはついてきていたのだが、ここんところうちらが行くちょっと前に一人で出掛けてしまう。やはり避けられているのか。

例の彼が一向に仕事を進めないのでいいがかりをつけてみたところ、逆襲された。デザイナに余分な負担をかける彼の方式に私が異を唱えたわけだが、「デザイナの了承済みだから問題ない」とにこやかに言われた。なんの説明も受けてないんだけどと言ったら、「説明する必要あるんですか」とにこやかに言われた。なんか腹が立ったので大人気ないいちゃもんをさらに重ねてみたところ、「水かけ論になるのでやめましょう」とやはりにこやかに言われた。いい。私の負けだ。あれは言いがかりだからな。自分でもわかっていたさ。それにしても始終彼は笑顔だった。黒い笑顔。 あんなに物を知らないにも関わらずなんとなく動いているかに見えるものを作ってしまえたことが不思議でならない。それに正直あんな方法でそれなりに動いて見えるものができるなんて思ってもいなかった。その点については素直に負けを認める他ないだろう。この状態では私が何を言ってもいいがかりにしかならず、言えば言うだけ私が不利になるだけだ。

できない後輩に質問された時、その意味がわからない場合は先に進まないことにしている。もし仮に質問の意図がなんとなくわかったとしてもだ。そうすることでちゃんと質問することを覚えてもらいたいと思うのである。例えば彼が「なんか動かないんですけど」と言う時の多くは「これおまえのせいじゃねえの?」あるいは「おまえんところでどうにかしろ」という意味なのは知っているが、しかし彼が口に出しているのは「動かない」という報告にすぎない。だから私は「何故動かないのかわかりませんか?」という意味として受け取り、「動かないのはこういう理由だろう」と返答した後に続けて「さて、じゃあどうしたらいいと思う?」と逆に質問する。今日のやりとりを例に挙げよう。まずあるAという絵データはデータBを見ている。彼が絵データAにある操作をするに際してBも修正した所、実は別の絵データCもBを参照していたために Cの挙動がおかしくなってしまった。こう私は説明して、その後で「どうしたらいいと思う?」と聞いてみたわけである。こう聞かれれば、選択肢として例えば「Bを修正しない」、「CからBを見ないようにする」、「CもBに合わせて修正する」の3つくらいを挙げるだろう。しかし彼の提案は、「私がBの修正を鑑みてCを処理する」、というものだった。仕事の切り分けとしてどう考えてもおかしいので「そっちでどうにかする方法あるだろ」と言い返したところ、「ABCの関係について僕が知らないといけないんですか」とか、「つまり責任の所在なんですけど」みたいな意味不明でありながら意図は明白な台詞を繰り返す。仕方なく最も妥当と思われる「Cを修正する」を提案してみたが、「Cについて僕は何も知らない」の一点張り。やむを得ず「CはAと同じファイルに入っていてAと同じ形式のデータだから、 Aにやったのと同じ操作をCにも施せば動くと思うぞ」と言ったところ、「最初からそう言ってくださいよ」と言われた。さらに「ごく基本的なことを聞いているのに勝手に難しい話にしないでください」みたいなことまで言われた。最初からCはどこに入ってますかと聞かれりゃそう答えるわ!と言い返したが、例によって返答は笑顔。腹が立って「ちゃんと質問しろ。オレは聞かれた通りにしか返さんからな」と付け加えたが、返答は笑顔。自分の台詞が悪役の捨て台詞のように思えてこの上なくみじめだった。「ほんとしゃーないなあこの人」くらいに思われてるんだろう。「それくらい察しろよ。理解力ねえなあ」とか思ってるんだろう。ああ、考えれば考えるだけみじめになっていく。正面からケンカを売ってくれればいくらでも買うが、ああいう賢い対応をされては手の足も出ない。

 己や他人のやるべきことへの向き合う態度とか向上心とかが、己や他人の領分とか責任範囲とか口を出していい範囲とかと、微妙にすれ違っていることを、しなくてもいい腹立たしさと共に締め付けられるように味わい続けてしまっている状況、を打開したがっている人を周りが生暖かく何も言わず見つめている状況、がつらいのです。