宇宙戦争(スティーブン・スピルバーグ監督)

 映画の日。池袋シネマサンシャインで20:20の回。本編前の予告、の前に化粧品のCMがかかりまくるのでうっとおしい。TVだけにしといて。1,000円分楽しめればいいか、くらいの気分でマツキヨで買った菓子をポリポリやりながら上映を待つ。


 娯楽映画でないパニック映画。
 小学校の図書館で児童向けにリファインされた原作を読んで以来だから、原作が誰の視点でどういう進行を辿ったかはまったく覚えてないが、基本の設定に映画化にあたって肉付けはほぼナッスイングだろう。
 そして、3本足のヤツが登場してから、有名な最後のオチまで、背景説明のシーンは必要最小限。映像を思う存分堪能できる。

 3本足をとらえるカメラ位置の水辺方向が、人間の眼の高さにほぼ固定されたままなので、トムたち逃げ回る人間の恐怖がこちらにうつってくるかのような錯覚。
 直接にカメラで3本足をとらえないシーンが多数。建物の中から怯えて見上げる人々を向こうに置いたガラス窓、バックミラー、車のリアガラス、等々にうつり込む3本足。運転席のトムの後方で一度跳ね上げられ、車をこぼしながら崩れていく陸橋の高速道路。こーいうの大好き。

 中盤、フェリー乗り場のむこう、丘陵に立つ3本足の遠景。遠景。遠景。人間の眼の高さでみる遠景。逃げ切れるかもしれないという希望を打ち砕く遠景。距離感を失わせる、そびえる3本足の遠景。


 巨大物体見上げ遠景フェチの人は是非。



参考:「宇宙戦争」公式サイト