モーニングの今日発売した号

働きマン」。

 マンガ誌から写真週刊誌に異動してきた32歳のグラビア担当者が、誌面への出演交渉をしていたアイドルの事務所に、バーターをもちかける。その事務所の別のアイドルの密会現場を週刊誌の同僚(=主人公の働きマン)が“張ってる”ことを携帯電話で知らせ、その現場を教える代わりにアイドルのグラビア登場を約束させる。

 同僚を“売って”約束させる過程は、リアルだなぁと思わせる。自分だけの秘密情報を抱えて滅多に教えないのも、何とか騙してすかしてカマをかけて引き出させようとするのも、大いに面白い。

 でも、そこでなんでバーターが成立するのか。グラビア出演を約束させるために、同僚にワザと情報を流して張らせてるのかもしれない、と事務所側がいぶかしむことはしないのか。元グラビア担当32歳の軽いキャラクターは、そういうこずるいことをするんじゃないか(今回の話で言えばつまりマッチポンプ)という疑念を、もたれやすそうな描写のされ方だ。

 そういえば、連載当初から読んでるが、編集部の外の人間の思惑に振り回される話が、ここまでないんじゃないか。編集部内、会社内の人間関係がほとんど。仕事の成功・不成功が、編集部内の人間関係、力関係を説得、あるいは捻じ伏せた者勝ちになってて、取材現場の出来・不出来が、仕事の良し悪しとしてあまり重く描写されない。



 そのあたりが、ストーリー上の詰めの甘さをかもした、のかな。