ヤングガンガン 16号
前の号から、近所の本屋が水曜に入荷しなくなって、今日も空振り。でも、気づいたらまだ、その前の号の感想を書いてなかったんだね。
気づいたら? いや、そうじゃないか。そろそろいいんじゃないか、という気持ちも確かにあるようだ。考え時。「すもも〜」は好きだけど、たいていいらないグラビアや、ここまで一度も言及してない「サンレッド」と「WORKING!!」が看板になってる雑誌と、どこまで付き合っていったもんかな、という、ね。
FF11マンガの再開までを、ひとつの目処にしたい。
♯
連載2回目「あい(ハート)どる」。
子持ちだと思うと正直、「むっち〜ん」なヒロインにも、こう湧き上がるものがないな。男なんてそんなもんか。コスメの色にこだわる描写やメイクの手順を割りと細かく説明してるのが、女性作家らしいというか青年誌でほとんど見ないので新鮮。
「戦線スパイクヒルズ」。
ノブオの母親が入れ込む新興宗教の幹部が、試験問題奪取計画のターゲットとつるんでたことが明らかに。主人公たちが歯向かっていくものが、親や大人や学校や学歴社会といった、とても日常的で現実的。何度も描いてるがこの青臭さがいい。
その分、軽いギャグとエロが主に人気を博してる今のヤンガンでは浮き気味かもしれないが、「バンブーブレイド」が休載してる今号では唯一、そのあたりの臭いで自分を安心させる。
物語上で時代設定されてる91年頃は、ヤンサンでこの系統のマンガをよく読んでたと思う。マンガじゃないが、当時ヤンサンでやってた橋本治のエッセイ「貧乏は正しい!」もそういう臭いがしてたんだ。
「Drop☆Kick」。
グラサン無しのレイザーラモン似AV監督登場。この濃さはいい。場繋ぎにしか見えなかった前回の走行シーンより、遥かにページを生かしてる。見開きのヒロインコスプレも、エロ出身作家の面目躍如といった風に生き生き。やっと面白くなってきた。
「マンホール」。
ロリオタデブを絡ませてくるのは別にいいんだが、何故かいっしょに刑事ドラマ要素が強くなったのに、少し違和感。ここまでホラーやミステリの要素はあったけれど、社会派にまで手を出すか。
「ドラゴンズヘブン」。
仕事人と依頼者それぞれのピンチへの陥り方が、類型的過ぎないか。
「荒川アンダーザブリッジ」。
シスターって男だったんだ……。ちょっとだけ惚れてたので、そのショックで毒舌なだけの新キャラの後味の悪さもどこへやら。
「死がふたりを分かつまで」。
主人公ら謎の仕置き人組織をバックアップする人間たちも、グラサン座頭市の立ち回りを、ネット中継で観ながら、合議で指令を出していた。しかも、複数言語。少しずつ広げられていく風呂敷を、じわじわ味わっていくマンガになっていきそう。
「ユーベルブラッド」。
「お…、“お兄ちゃん”……?」と驚いた顔でつぶやく眼帯男の心境を、「こいつとあいつが兄弟だと?」なのか、「そのツラで“お兄ちゃん”呼称を使うかよ!」なのか、などと考えると楽しい。
巻中カラー「黒神」。
茜お姉さんの職務の分を超えた行動に、ドキュンドキュンと評判の主人公の従姉だけああるなぁ、と感心しきり。一方で、クロとリンクした主人公は、クロの素直さに感化されて好青年に成長していく……という流れにしてもらわないと、そろそろ。
巻頭カラー「MISS ウィザード(仮)」。
見開きカラーを見た瞬間、「エロコメ」と「エロ」の差は、乳輪がの大きさにあるんじゃないか、などと思った(でかいほど「コメ」が強い)。
次号から集中連載で鳥維そうし(http://missbroken.hp.infoseek.co.jp/)が登場。連載陣では「死がふたりを〜」「Drop〜」、他の作家で言えば田島昭宇あたりによく似た絵柄。バイクモノらしいので、「キリン」ファンだった自分としては期待。不良モノではないことを祈る。