「ねこだま SPIRIT OF TAILS」(えびふらい) マガジンZコミックス
そのうち「MANGAOH」がまたなんとかの一つ覚えみたいに萌え萌え言ってとりあげるだろうと予想していたんだけれども、いっこうにその気配がないので、じゃあ自分で書いとく。コミック高岡では発売から半月が経過した頃、なぜか平積みの山が一つ、できていた。もうなくなってるので、順調にはけたのだろう。
寡作なエロマンガ家、えびふらい初の非18禁単行本。
スパッツのスポーティポニテの太眉ヒロインや、教室の床際の窓から抜け出すときのあけすけなパンチラポジションが印象的な細眼の友人らと、異世界からやってきた日本兵装束の人猫どもの、コメディな日常を描いた、おそらくマガジンZで箸休め的な位置づけにあったんではないかと思われるマンガ……、として読んでもいいけれど、まぁ、たいていのマンガ読みはそう読まないだろう。
主役は、ヒロインの母親のコスプレ巨乳ママ。
作者の筆も、どんどんそっちに偏ってノッていくの丸分かり。オチに使われる頻度がどんどん高まっていく。バニー、ボンテージ、ヒモ水着、後ろ向きのトップレスと、どんどん露出が高まっていき、終いにはヒロインの男友達に、風邪引きで寝てた半脱ぎのママが背中を拭くようやさしく強制。背後から覗き込む少年の視線の先、乳の登頂の小さなアプリコットのチラリズム。Zは、少年誌だよー。ゆうに10年選手を過ぎたえびふらいの健在ぶりもうれしいやら。
ところで、最終回の前後編2話、むりやりにSFで宇宙戦争な夢オチにしたのは、猫たちに用意してた設定をそのままやっちゃうと、日帝的なネタに絡まざるをえないからだったのかしらね。この程度のネタをセンシティブに穿ってしまう(穿ってみたほうがいいんではないかと思ってしまう)のは、余裕があまりにないようで、なんだか辟易してしまうところもあるのだけれど。
当時の自分の年齢を考慮するとしても、「覚悟のススメ」をリアルタイムで読んでた10年前は、まったくこんなことは思わなかったのに。
ねこだま―Spirit of tails (マガジンZコミックス)
- 作者: えびふらい
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: コミック
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