マンガ仕入れ担当の悩み
- ■帰ってきた 炎の営業日誌(10/4)
http://www.webdokusho.com/koushin/sugie.php#20051004
コミックの仕入は、書籍の仕入より雑誌の仕入に似ているようで、出版社が指定部数書店さんに納品するような出版社ランクではなく(出版社ランクが使える出版社は限られているが…)、取次店さんのランクによって配本されているようなのだ。
そのランクを決定する大きな要因は、販売実績と返品率だそうで、返品率が上がれば配本ランクが下がる。すなわち欲しい本が欲しいだけ入らなくなるそうで、それは書店さんにとって一番恐ろしいことである。
「だからですね、新刊一覧を見て全部の注文部数を決めるのに10時間くらいかかるんですよ。過去のデータを見て、いろんな情報を仕入れて。返品率15%以内を達成するためには、ほんと無駄のないようにしないと無理なんですね。常に今月何箱返品したか、あの本がちょっと多かったとか頭で計算してます」とその担当者さんは話される。
例えばその返品率が20%を越えたらひとつ下のランクに下がるそうで、そうなると前述したとおり50部欲しかったコミックが40部しか入荷しなくなり、それは結局10部の販売ロスになり、それはまた10人の読者がお店から離れていくことに繋がるという。
またコミックはとにかく発売日が大切だそうで(売上は日が経つにしたがって半分半分半分で下がっていくと話されていた)、この飲み会の日はちょうど人気コミック『ベルセルク』三浦建太郎著(白泉社)の発売日だったのだが、この担当者さんは朝7時に出社し(開店は10時)、お客さんが見逃すことのないよう各場所に平積み展開の準備していたそうだ。
売れ残らないように仕入れの量を見定めるのは、商売の基本中の基本じゃないのか、という意見を置いておくとして。
仕入れリスクをとらない代わりに仕入れの量を川上(この場合は川上と川下の間にあるダム=取次ぎ)にコントロールされる、という関係だけを取り出せば、なんとなく釣り合いがとれてるようにも見えるのが、再販制度の摩訶不思議。