ヤングガンガン 19号


 最初に断っておくが、明日発売の20号の感想じゃないよ。3週間前、9月に出たやつですよ。



 単行本が発売されたときの話なので、もう2週間以上前のことになるが、MANGAOH.CO.JPが、“悪・即・断!少女剣士タマちゃん現るっ”の見出しで「BAMBOO BLADE ①」(五十嵐あぐり)をPUSHしてた。

何気なく粒ぞろいになってきたヤングガンガン! すでにすももや黒神が大ヒットを記録してますが、この作品もコミック化されることでブレイクなるか!? いやブレイクしてほしいということで「BAMBOO BLADE(1)」を超オススメです。

 確かに。
 ヤンガン連載作品は単行本になるとそれなりのヒットを飛ばしてるようだ。少なくとも、都内の本屋は、特にマンガ専門店や専門フロアは、「BAMBOO〜」と同時に出た「黒神 ②」は平積み扱いの店舗がかなりあった。アキバBlogあたりが発火点になった「すもももももも」になると、1、2巻の両方とも「黒神」を超える量の平積みを見かけた。スクエニの棚の前か横で、ヤンガンコミックスのコーナーを常設してる店も見かけるようになってきた。
 「BAMBOO〜」は、入荷数が「黒神 ②」よりも少ない本屋がほとんどで、平積んでも二桁の冊数までは達していない山。1巻はタマの剣道の強さをアピールするためか、序盤で挿話されたムサイ男子不良との話までの収録で、現在本誌で進行中の女子いっぱいの華やかな(特にサヤ登場以降の)ストーリーは未収録のため、1巻だけ買って本誌を読まないとそれほどか?と思うパターンもありそうなのがちょっと不安、ではあるがMANGAOHくらいの大手にPUSHしてもらえるのは、まぁ、いろんな差し引きをした上でトータルすれば損はないはず。


 「何気なく粒ぞろいになってきたヤングガンガン」という文句。
 単行本単位でピックアップして軽妙な紹介をつけて売り上げに繋げるMANGAOHがそう見てることは頷ける。そんな文句につられて、単行本からヤンガン本誌を手に取った人が、ホントになかなか粒ぞろいじゃん…、と思ってくれるなら、それにこしたことはない。


 ただ。
 収録話を1話1話で見たなら、荒の目立つ話もある訳で。そーいう話が特定の号になぜか、集中して載ってしまうこともないことはない。


 最近、結論にたどりつくまでの前置きが長々してきていることが増えているような気がするが、つまり、いつもの号に比べて感想の筆が極めて進まなかったのは、つまり、そーいうことだ。非常に感覚的な言い訳だが。


 今号で言うと、「すもももももも」、「死がふたりを分かつまで」「荒川アンダーザブリッジ」「戦線スパイクヒルズ」「ドラゴンズヘブン」「マンホール」「犬神ゲル」の7作品。どの作品も以前から下降線にある訳ではないので、次号以降は、面白さが戻ってくるとは思うのだが。


 珍しくなかなか質の高かったグラビア(付録のほうでなくて本誌のほうの)に、力を吸い取られちゃったかなぁ。



 そんな訳なので、個別感想は略させてもらう。代わりに、ヤンガン関連の話題をもう一つ。


 DOXA(独立左派日誌)(10/5)で、ヤンガン連載「黒神」の作者の人らの国=韓国の、ヤングなんとかというマンガ誌の20号の表紙でカエルパンチ寸前ポーズを決めてるクロが見られる。中央の銀髪制服の少女がかなり可愛い。説明によるとイ・スヒョンという作家の「アンバランス×2」という作品らしい。
 ヤンガン編集部はいますぐ、イ氏をリクルートしてくるように。


 それから韓国のエロマンガ事情もかなり興味深い。

2日目。午前中の講演会をスルーして、手荷物の50%に相当する自分の単行本の販売交渉。韓国では成年向けコミックの規制が厳しいとは聞いていたのだが、ウェブサイト上ではエロマンガのDLも始まっている…という情報に賭けて持ち込んでみた。……事務局サイドの困惑した表情が全てを物語る。開放どころか、現状は数年前より悪化しているそうだ。台湾はここしばらくでエロマンガが事実上解禁されたことを考えると、韓国のエロコンテンツへの保守的な態度は正直、理解に苦しむ。李賢世さんの「天国の神話」裁判が完全無罪になったとはいえ、大多数のマンガ出版社が裁判の前にケツまくってしまった事で、手を出しにくくなっているのかもしれない。

その他、「19歳未満購入不可」のコーナーでは、「成年向けコミック」はわずかに旧作が並んでいる程度で、日本では自由に買えるような「大人マンガ」もこちらの棚でした。セックス描写、暴力描写がある作品は自動的に19禁みたいです。「GANTZ」も「最終兵器彼女」も19禁。日本の基準よりはるかに厳しい。反対に、19禁コーナーで隆盛を誇っていたのはボーイズラブやおいでした。少女マンガでも韓国作家のBLが大人気だったり。同じエロでも扱いの差に愕然。

 暴力描写ではなく事故描写なら、「黒神 ②」にある、トラックに跳ね飛ばされて女児の血が飛び散るシーンは、19歳未満OKなのかな。



 ああ、それと、確か前号からカラーになった「お天気お姉さんのウェザーナビ!」の美濃岡洋子気象予報士は、おめでたなんですかね。ワンピースの膨らみ具合からすると。