ベルベット・レイン (監督:ウォン・ジンポー)

 新宿オデヲン座で21:05の回。いまどき木製の肘掛け。ドリンクホルダーのない滑らかな手触りが心地よい。このままオールナイトで過ごそうという感じのおっさんがちらほら。


 ラスト5分のオチまで退屈な描写が続く。そこまで耐えろ。20年前の火曜サスペンス劇場、あるいは、安っぽいカラオケのBGVのようだ、などという疑念を脳裏によぎらせてはいけない。


 自分は、ホン役のアンディ・ラウが髪型までつくづく知り合いにそっくりだなぁ……、という一点突破でのりきった。


 伏線がきちんと回収される脚本は見るべきところがあるんだけれど、演出がどうにも古臭い。おおまかな感想は、前に読んだこちらの小説に抱いた感想とほぼ同じである。というか、この小説をあげるのは、オチさえもいっしょであるため。ラストの展開に「『○○の○○』といっしょか!」と、観客が20人ほどの映画館の中心で叫んだケモノ。だから、小説をよく読む人で、この映画を見る予定の人はリンク先の文章を読まないほうがいい。



参考:公式サイト