HDDレコーダー大活躍。

 「世界遺産」のナレーションがオダギリに変わっていた。緒方直人の初代ナレーションで始まった96年当時から、ハイビジョンを売りにした“映像の”ソニーが一社提供しているのにも変わりない。
 94年にPSが出て、まだサターンとのつばぜり合いが激しくどちらにもまだ軍配があがらないまま95年が過ぎ、96年はじめにFFのPS参入発表で流れはPSへ。そんなソニーブランド全体をぐんぐん押し上げていく流れの中で始まった番組。
 割とトーンの高い緒方の声は、どっしりとして落ち着いた印象を与えるものではなかったけれど、映像メーカーとしてトップのブランドイメージをもっていたソニーが背景にあると、先進性だったり斬新さだったりといった、良いほうに解釈をさせていたように思う。
 それから、9年。オダギリの登板で放映開始当時なみに若返った声。生真面目そうではあるが、そのあたりのあんちゃんにしゃべらせてる、のかと感じてしまうのは、決してオダギリ本人に対するイメージだけからではないだろう。サイバーショットの120万画素タイプを、2002年の夏の発売日当日に買ったあたりが、自分の中でソニーブランドがトップにあった最後だったように思う。
 世界中すべての世界遺産を撮り終えるまで、番組を続けるという話だったはずだが、何年か後に、オダギリの後を継いだ新ナレーターを、どういうふうに評価するのか。そのときには、ブルーレイディスクのCMがばんばん流れているのだろうか。