少年シリウス 1月号


 新連載の「ZERONの火蓋」の主人公が表紙(http://www.sirius.kodansha.co.jp/)。
 が、連載作品のタイトルやコミックス・付録の告知に埋め尽くされ、表紙を9分割した画面の中央で主人公の顔面のみが窮屈そうに(文字通り)顔をのぞかせているというデザインは、いったいどうしたことかと本気でリニューアルの方向性を心配したり。フツウなら、本誌題字ロゴの上にキャラクターがかぶってるものだと思うが、そんなに今号から新しくなった題字ロゴを編集部が強調したかったのか。というか、その題字ロゴ以外、雑誌の中身のほうに目立った変更点が見当たらない。巻末目次によると「Studio Give」(http://www.s-give.co.jp/index2.html)というデザイン屋が表紙を請け負ってる。まあ、いろいろ折衝はあったのかもしれないが、はっきりいって下手糞なので、来月号はきちんと発注して欲しい。


 一方、同時にリニューアルした本誌HPの立ち読みコーナー(http://www.sirius.kodansha.co.jp/browse.html)がかなり快適で高評価。とりあえず「ロボとうさ吉」のページ(http://www.sirius.kodansha.co.jp/t4/)にとんでもらうと、自分の1.5GhzのCPUで完全展開まで5秒とかからない。ページめくりも体感でおよそ半秒以下。見開き画面はちょっと小さめで、解像度が低いモニターだとどうだか分からない。でも、なんとなくだけれど、シリウスの読者層はあまりネット親和性が高そうに思えないので、誌上の読者コーナーをもっと充実させたほうが訴えるところは大きいかなーとも思う。まあ、どっちも充実させていけばいいんだけど。




表紙・巻頭カラー「ZERONの火蓋」

 神宮寺一の新連載。SFで世界大戦後で暴走ロボットでジャンクヤードで、孤児の姉弟と出会う記憶障害っぽい激強の主人公。リニューアル号にこういう、ちょっと画面暗めだけど清く正しい少年マンガを投入してきたことに、編集部の意図する仕切りなおし感と新たな意気込みを感じる。まずは王道を見せた。次号にも期待。

「海の人」

 作者が作者だけに、というのでもないが、どこかの雑誌をつぶして連載を移動してきたかのような説明の足りなさがさすがに気になってきましたよ。成り行きで作品名と同じ名前の少年が潜水艦クルーに合流。どう話が転がっていくのか、まったく読めなくなってきた。

テレパシー少女 蘭

 超能力者としての辛さに押しつぶされた女教師が、教え子の超能力者の少女たちに、避けて通れない道だと憎しみをぶつけるのを、少女たちが無知と純粋さで跳ね返す。子供には過ぎたトラウマのっけて、だから強くなれたなんて現実味のない強さを主張されても興ざめすることが多くなってきた反動からか、等身大で立ち向かう姿勢がこちらに迫ってくる。
 こーいう児童文学原作を大人方面が評価したがってるように見える状況が、なんとなく分かってきたような。

「ロボとうさ吉」

 こっちも王道だ。ロボ出生の秘密とダークフォース的ネジに意識を飲み込まれるまで。なんだか、来月号でレーザービームを担いだ金田が助けにきそうな盛り上がり。「てぇつおーーーー」。

「ソウルメイトツーリスト」

 シリウスの萌えニーズを一手に引き受けますよ! もうね、絶対江戸時代の人でも子持ちの顔、体型でもないんだけど、日本髪ちょいロリ幽霊の人の泣き顔がまたたまらんですよ!

「魔法使いのたまごたち」

 はい、前月号の引きをまったく受けてません。そして、またよく分からないわだかまりだけを残して次号に続くだし。ニンジンくらいでそこまでキレさせるなら、もそっと伏線張っておいてくれ。あー、もう、アニマルのちょこっと妹もそうなんだけど、雑破原作のマンガはどうにも展開のスピードや緩急が性に合わん。

「Dear Monkey 西遊記

 こっちも「自白コウモリ」なんてストーリーの早回しアイテムが唐突に登場。テンテンと悟空の別れなんだから、もっとじっくり山場らしく盛り上げて欲しかった。告白し終わった後の、饐えた目つきの両人の顔が、なんとも言えず胸を掻き毟りたくなるよう。

「もえちり!」

 そういや自分の出身都道府県の娘が、まだ一度もセリフないような……。