「おませなプティ(はーと)アンジュ Complete!!」 (月野定規) ワニマガジンコミックススペシャル

 旧単行本全2巻を1巻300P以上にまとめて復刊増補。お得。すごいお得。カラー全掲載。巻末に書き下ろしカラー16P。人気エロマンガ家ゲストイラスト10ページ以上。この時点で1,000円のもとをとれてる。


 笑えるエロマンガ。いや違う、笑えて+使えるエロマンガ
 襲いくるウツボをマンコでキャッチして絞め殺す。同居するじいさんが手術で失ったチンポがトイレ中の天使付き使用人のマンコに合体→悪魔っ娘に移植→じいさんのアナルをファックで元通り。懐かしいAikaパロなども。毎話、読切に近いやりたい放題ぶりが、読んでいてこちらも楽しい。


 井上ひさしの短編に、自分のチンコを神経で有線遠隔操作して、近くのベンチに座ってる女性のマンコを襲うという話があったが、それと同じくらい笑えるネタがてんこもりである。恍惚のエロもてんこもり。





 毎話毎話のギャグとエロのテンションがこちらを押し切るように詰め込んでくるエロマンガは、最近だと松本ドリル研究所の「あらいめんとゆーゆー」(コミックメガストア)が、かなり盛り上がってきている。同じ雑誌で同じくギャグ+エロを追求してる世棄犬も。個人的には松本は使えて(今の)世棄犬は使えないのだけれど。


 「プティ」のテイストは、その後メガストアで連載していた「妄想ダイアリ〜」や「37℃」シリーズでは影を潜め、よりエロさを追求している。一方で、その月野がヤングガンガン創刊1〜3号で初めていどんだエロ無しマンガの「めたもる!! オーキッド」(http://d.hatena.ne.jp/bullet/20041204#p1)は、「プティ」のテイストに近かった。ギャグも場当たり的な展開も。
 それから一年経って、こうやって増補されて出てきた「プティ」を読むと、「めたもる」の短期連載は、本人、かなり張り切って引き受けて挑んだんじゃないかと想像されてくる。けれど、短期連載中の個人的評価はあまり高くなかった。あくまで濃厚なエロあって引き立ちはじける人なのかなあと。今回、「プティ」の満足度は「めたもる」よりはるかに高かった。


 もう、ヤンガンの今の誌面カラーでは再登場は望み薄な気がするので、エロOKの別の雑誌で描かせてみて欲しい。


おませなプティアンジュ?Complete!!? (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

おませなプティアンジュ?Complete!!? (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)