フツーなら増刊か別冊的な作家ラインナップだよな。少年ブラッド。

「世界を変える鼓動を鳴らせ!」



引っ越しして、最寄駅に使える本屋がないなぁと困り果ててから3週間。灯台下暗しで、本日、駅前徒歩30秒のところに夜12:00までやってる良書店を発見。東西南北が反対側の出口にあったので気がつかなかった。マンガ単行本とマンガ雑誌、文庫、新書、女性誌の品揃えがかなり豊富。マンガコーナーの準新刊台には、ウエケンの「夜千目持」の例の新刊を約20冊積み重ねたタワー。予定はなかったのに思わず購入。それにしてもこの書店規模でこのタワーは。マンガ仕入れ担当が詰め腹切らされないことを祈って後にする。



で、購入するときレジ前に積んであったので1冊もらってきた無料配布の「月刊少年ブラッド」プレ号が今日の本題。
「4/12(水) 堂々創刊!!」「熱血冒険てんこもり!!」と見出しが躍る。創刊号は特別価格税込240円。*1 *2かなり安い。12年前の少年エース創刊号は300円くらいだった記憶があるが、それよりまだ安い。



目を通したところ、既発誌とは、

  • 雑誌+携帯+WEBの連動
  • 積極的な新人の起用


で差別化してきてるなという印象。


携帯は有料ですべてのマンガが読める。「コミックサーフィン」でコマ送りもスムーズ!!」の見出し。


……キーワードは便利だね、システムはセルシスが提供してるのか。自分の携帯は旧世代もいいところなので、今、この機能をお試しできないのだけれど、紙で読めるものを携帯のちっこい画面で読もうとはあまり思わない。もちろん個人的な話なので、携帯という媒体にどれだけ潜在市場が隠れているのか、自分には予測できないというだけ。けれど、グーグルで検索してみても規格性能だけが先行していて利用者の具体的な感想は出てこないなぁ……。
パソコンから見るWEB版は、ここだけで読める無料マンガが売り。このあたりは、最近創刊した月刊誌では少年シリウスもやってること。


携帯やWEBを使ったマンガの読まれ方についてはあまり実感がないし、ブラッドのそれがどう転がっていくのか。コミックシードやWEBスピカなんかの、ウェブ完結→単行本発売と、読まれ方がどう異なってくるのか。まだまだ勉強中であり、保留しておく。



それより。



作家陣である。
とにかく新人の玉数が多い。シリウスのティア作家起用、REXのアンソロ作家起用など、遠くにかすませるほど。ベテラン新人含めて約30作家の名前があがっているが、そのうちベテランは数名。対比でおよそ5:1。ソフトバンク系列のマンガ誌本格参入が初めてなら、ここまで新人ばかりの月刊誌も初めてじゃなかろうか。しかもオリジナルマンガのみ! ここを一点、強調しておきたい。
ソフトバンクなら資金は潤沢にあろうから、もっとベテランやタイアップなタイトルを引っ張ってくることは可能だろうに。まさかシリウスを上回るほどオリジナルタイトルにこだわったマンガ誌が出てくるとは思わなかった。
まあ、将来的なメディアミックスを見越したタイトルを一から育てていくための創刊とすれば、それでおかしくないのだけれど、その手の先駆であるガンガンにしたって初めはロト紋がかなり引っ張ってた分けなんであって。エロ系出版を切ったソフトバンクの出版部門にはあまりいい印象は抱いてなかったのだが、このブラッド路線が本気ならちょっと印象を変える。




個人的に作家陣で目を引くのは、川原誠(作者HP)と菅野博之

川原は「ローズガーデン」という英国が舞台の少女少年ガンアクションモノ。いわゆるエロゲ原画(「CARNIVAL」「SWAN SONG」など)の人である。ほかに原画をやった「Kissing!!」は、販売元で出していた別の作品「グリーン×2」の原画家片倉真二が、メディアミックスで「忘却の旋律」を描いていたことがある。一方で、川原のマンガはカットを見る限りオリジナル。少年誌(ということでいいんだと思うが)の「ブラッド」でギャルゲのメディアミックスはないだろう。それ以前に、川原はマンガ連載はおそらく初めて。さてさて、と期待。

菅野は「ふぁいなる☆カット」という恋愛モノ。というかハーレムモノっぽい。幼馴染、先輩、先生、妹、その他。菅野が? と思ったファンは多かろう。アニメとのメディアミックスだった「ダイソード」以来、連載はおろか読切発表もなかった菅野は、予告カット見る限り絵柄が大分変わっている。このために変えたのか最近の話なのか、ファミ通のカットを毎週見てるだけでは測りかねる。コミッカーズのマンガスキル解説コーナーが一番いい仕事だったよね、で終わってもらっては困る才能の人なので、起用は素直にうれしいところだが、もう一度、菅野がハーレムモノ?


このほかのベテラン起用は、馬場民雄「デカ教師」、神崎将臣「(タイトル未定)」、こいでたく「ユルミとシメル」、表紙担当のアニメーター川元利浩。神崎も体調を崩して未完だった「KAZE」を完結させるリハビリを経てさぁこれからどうすると気にしていた作家なので早く企画を詰めてしまうように。



以下は新人。巻頭カラー、巻中カラーも全員新人。とにかく新人。しつこく新人。ずらっと。

  • 巻頭カラー

 渡辺とおる「シチ=フク」(作者HP)

  • 巻中カラー

 カザマアヤミ「キミに魅せる空」(作者HP)
 浅川圭司「Dragon Slayer」(作者HP)
 歌那早苗「クラシカルメドレー」(作者HP)
 神吉「まじょま」(作者HP)
 天乃タカ「本も元の穴の中」



ほか創刊号作家陣(連載か読切かは不明)。

 山崎毅宣「WAPPA!」
 麻生雄介「ガレキの王 〜The King of Debris〜」
 弐篠重太郎「拳鋼少女 リク」(作者HP)
 神堂あらし「Reader's High!」(作者HP)
 吾妻ナオミ「すいへーりーべ!」(作者HP)
 榎本マキ「押せ!押せ! スタンプ学園!!」
 フカキショウコ「源流武闘伝 -ORIGIN-」(作者HP)
 唐花見コウ「ひるどら」(作者HP)
 不思議三十郎「不思議流」(作者HP)
 柩めち丸「白螺旋 -ビャクラセン-」
 高山瑞穂「HOLA!! -オラ!!-」(作者Wiki)
 神矢みのる「アクト・オン」(代表作品Wiki)
 竹林月「ことこと。 〜子と狐島〜」(作者HP)
 ヤミーゴ「えにしや妖忌譚」(作者HP)
 ミサトモコ「福招き猫娘ミヤ」
 TOBI「MAID DE KNIGHT! -メイドでないと!-」(作者HP)
 吉祥りら「Master CALL 〜マスターコール〜」
 真広雄海「機動少女イルム」(作者HP)
 火緒薫「Seven Knighits Saga」
 長谷辺眞「なりゆきミステリー倶楽部」
 原作:宗原光流、作画:シヒラ竜也「X-assult イグザルト」(作画担当HP)



この中では、プレ号にお試し版が載ってる弐篠重太郎の「拳鋼少女 リク」が人気が出そう。まんまドラゴンボール、と言ってもいいのだけれど、そういうマンガって久しく読んでなかったので。読みやすいのは間違いないし。それから、胸の全然ない男顔の格闘少女ってところが、心はずむ。
ブラッドHPのトップページに絵が載ってる浅川圭司「Dragon Slayer」もお試し版が載ってるが、これはマンガは正直こなれてない。こなててない度で言えば、先月号のシリウスの巻頭新連載「銃姫」くらいこなれてない。
予告カットから期待されるのは、バイクモノらしい山崎毅宣「WAPPA!」、小笠原の島で少年少女と先生との話らしい竹林月「ことこと。 〜子と狐島〜」、高校生男子と猫娘のエッチコメディーらしいミサトモコ「福招き猫娘ミヤ」、戦闘美少女ロボットモノらしい真広雄海「機動少女イルム」、春秋戦国時代を舞台にしたサーガモノらしい火緒薫「Seven Knighits Saga」、あたり。



あー、それと、美少女イラストレーターピンナップがつくらしいのだけれど、まあ自分はどうでもいいので、のいぢや七尾という人が好きな人はそれ目当てにどうぞ。





ところでケーチャン!ホークス ライブ配信復活してます?|野球感染というブログで、

実はお嬢、昨年末 里子に出されてしまい、ケーチャン!スタッフから外れてしまいました。。。( p_q)エ-ン
新しい奉公先は 4月12日に新創刊される少年コミック誌チームです!
その名も「月刊少年ブラッド」!全国発売!
もう少ししたら色んなところで皆様のお目に掛かれると思います( ^ ^
今野球漫画を載せられるように、頑張ってるところですよ!
皆様、創刊した暁には、「野球漫画載せろー!!」の声 お待ちしておりますね♪

とあるのだけれど、お試し版や予告カットで野球マンガはなかったのね。サッカーマンガはあったけど。つーか、まだ連載作品増やすのかよ!*3

*1:毎日の記事だと290円。どっちなのー。

*2:リリースだと290円。なのでエース並みということで確定。しかし約560ページとあるので、今回あげた作品全部載せられるとは思えない。何本かは創刊2号以降の掲載か読切扱いになるんだろう。

*3:創刊日告知がフライングっぽい? なんてのは気にするところじゃないぞ!