少年シリウス 7月号


 創刊1周年記念号で、巻頭カラーは「シリウス美少女コレクション」13P。春夏秋冬ごとに2作家+表紙1作家で13作家分。半前身のアッパーズでもたまにやってた企画。アッパーズはキャラピンナップにして耐え得るようなマンガが少なかったので、半分くらいはゲストイラストレーターを読んで埋めていたけれど(「R-16」は見たかったような気も……)。真島ヒロがクリスマス企画で描いた、サンタコスを半脱ぎさせられているおぱいちゃんはかなりエロかった。
 乳首OKだったアッパーズのような扇情は望むべくもなく、シリウス版は健全なお色気どまり。寝そべった「電波少女蘭」のずり落ちかけワンピース裾になんとか注目できなくもないくらいか。そんなわけで、個人的にはあまりお得感なし。というか、一枚絵でこれどうよ!と勝負をかけられるタイプの作家がもともとシリウスには少ない。いや、ちょっとそれも言い足りてなくて、マンガ本編から1場面を切り取った形でなら、もっと見れたのだけれど。本編とまったく無関係な、あの娘のこんな格好見てみたいという二次妄想イメージ企画だから(最近流行ってるいろんな作家に描かせたアニメのA・Bパートの合間のアイキャッチみたいな)、はやく本編読ませろ!と逆に気が急いたり、ね。
 じゃあ、来年の創刊2周年では何をやってほしいかというと……、









 雑誌が続いててくれればそれでOKよ!





 次号発表される第4回新人賞の結果を前に、一次選考通過20人の名前が公表(58-59P)。頭の片隅にでも引っかかる名前はなし。来月をおとなしく待つ。瀬川サユリと倉橋ユウスが受賞作を元にした連載用ネームを構想中とのお知らせアリ。倉橋はそれこそコミックファウストに引っ張られちゃったんじゃないのかと気を回していた。シリウスで確保しておいてくれたよう。今のシリウスのカラーからは異質な作風だが、いいアクセントになれば。瀬川は、受賞作を元にした「浮遊霊を葬る」作品とある。……その手のネタがワンサカの今のシリウスで、新人にあえて挑戦させるのはどうか、なんて。まぁ、面白ければ既存作品が蹴落とされていくだけだ。実力を思い切り出していってほしい。「炎天のいろは」が対抗馬になりそうな予感。





 まんがの森の新刊情報あたりを参考にしてもらえればわかるが、シリウスから打ち切り食らったかに見えてデューダ(?)した作品1号は「海の人」(越智善彦)に。エンターブレインから6/26発売。シリウスKCの発売一覧にいつまでたっても出てこないので、本当に人気なかったんだぁ……と、引越しのときに雑誌を切り抜いておかなかったことをちょっと後悔してたところに不意打ち。うれしいやらこれでシリウスでの新作掲載はほぼなくなったな、やら。というか、アートワークス「大回転」はいつまで延期するんですか?






「ZeRonの火蓋」

 今月号は何はともあれ、こいつをまず紹介しておかねばなるまい。「ワシらの新大陸を目指して!」「ワシらの夢へ向かって!!」。沈没寸前の幽霊戦艦の甲板で死に行く間際の艦長が夢見た、大海原を駆ける戦艦の勇姿。見開きで迫るヤマトパースな戦艦の舳先には、進路に向かってサーベルを掲げる艦長。

 ……こういうの弱い、ほんと弱い。そしてここ一番の定型は、ほんとに強い。半分イカレた頭のじいさん=艦長が、妄想に駆られて好き勝手に行動して、なんとなくよくある話の流れのままに自滅した、と読んでもいいしそのほうがおそらく正解に近いと思うのだけれど。それでもさぁ。


 今年度のシリウス見開き大賞は、前月号の「ゴウジン」さよなら最終ページで決まりかと思ってたのに、惜しかったね!


「DearMonkey西遊記

 第2部開始。廃墟の街で赤ん坊を拾った悟空とテンテン。その赤ん坊の正体は……。第1部後半のひりつくような展開から一時の休憩。またじょじょにテンションを溜めていくのだろう。
 河童師匠の嫉妬が悟空をなぶっていくギャグの緩急が、抜群。「イチャついてんじゃねェ!!」から「止血を誰かあああ」の流れは、あらゆる素直になれないっ娘が手本にするべき。


「龍眼」

 対人間の素手ゴロが、なんでかムエタイな回。


「圏外です(はーと)」

 このマンガのおかげで、だんだん萌え4コマに対するフックが自分の中に成長してきている。「すとらいきー」ダンスが大変気に入り。


「ふぁにぃみゅうじあむ」

 連載第1話の前月号は割りと楽しめたのに、今月号はグロさがちょっと鼻についた。というか、チュパカブラたんの変体モードがフツウに怖い。


銃姫

 この際、コミックアライブで引き取ろうよ。




月刊 少年シリウス 2006年 07月号 [雑誌]

月刊 少年シリウス 2006年 07月号 [雑誌]