少年ブラッド 7月号


 あー、中瓶×2本空けちゃったので、そのへん割り引いて読んでもらっていいかも。



 創刊から3号目。連載作品は1、2号で物語の導入部にほぼケリをつけ、それぞれの方向に動き出す頃合いになってきた。
 創刊号はこんな感じに「編集不在」とこき下ろしたわけだが、この3号目、その印象を改めて抱いた次第。少なくない数の作品に感じる物語の密度の薄さ。20数ページを使って、それっぽちのドラマかよ、という思いがぬぐえない。
 こうすればもっと盛り上がる、こう転がせば意外性が高まる、平板ではなくメリハリがつく。いちマンガ読みでしかない自分にさえ、思わず口を出させたくなる。
 マンガに限らず、素人の創作がよく嵌まり込むケースに「説明したがり」がある。それがいくつかの作品に顕著。丁寧、でなく、テンポの悪さ、を助長する。時間軸の通りのスピードでコマを割り振る必要はまったくない。
 今は、面白くないというより、かったるい作品が目につく、という評価に止まる。
 あえて新人ばかりを登用しているのだから、構成力の拙さは編集側で補ってしかるべき。半話分のドラマを1話分の引き伸ばしたような話は、ばしばし削らせてもっと仕込みを充実させる。それを放棄してるのか能力としてできないのか口を出してこれなのか。別にどっちでもかまわないが、それを作家に転化して、簡単に打ち切るようなことはしてくれるな。290円は武器になってる。まだ読み続けるからさ、なんとか踏ん張ってくれ。




新連載・巻中カラー「ことこと。〜子と孤島〜」(竹林月

 コミケかティアで最近買っていた、夏休みに田舎に遊びにきた雪女の話が良く、楽しみにしていた作家(http://www1.odn.ne.jp/~cer89860/)の新連載。
 小笠原の離島に新任教師としてやってきた元気女性と生徒たちの出会いが第1話。快活かな快活かな。ゆるりとした日常が待ってそう。満潮の海岸に取り残された飼い猫を助けるのが山場ってのはちょっと1話目にしては“薄い”かなとは思う。学年誌で受けそう。そこを狙ってのテイストならまんまとのせられてる。眉毛眼鏡の女子は、最初、教師より年上の見かけロリかと思ったら生徒だった。


新連載「アクト・オン!」(神矢みのる)

 壊滅的に古くさい絵柄も、プロのコマ運びとはこういうものなのだよ、という参考にするためなら、絵の魅力に惑わされずに済んでいいのかも。ラジコンロボットもの、という20年前にスタれたはずのジャンルが今、生き残っていけるのか。


読切「Master Call -マスターコール-」(吉祥りら)

 4コマのほうが向いてる絵なんじゃないかなぁ。


読切「やわらか庭球」(山崎毅宣)

 創刊号にバイクマンガが掲載された作家が10Pの短編で再掲載。ツンツンなあの娘にパンチラショット。なんてことない話でオチもぼやけてるんだけど、こういう普通に読めるマンガがぽっと入ってると安心する。


読切「ピースメイカー インクピンク」(珈琲)

 創刊2号で読切が掲載されていた作家が再掲載。準備号で名前が掲載されてなかった作家で、初めて載った作家でもある。だからどうだというのでもないが、思わぬ拾い物という感じでクスクス笑える。シードで一時期連載していたようでもある。あー、シードの感想もそのうち書くかな。2号目は作品数が少なくて、かがみふみお、の閻魔ちゃんマンガ以外、たいして読むものがなかったけど。


「シチ=フク」

 向かい合って話してばっかりだな。


「拳鋼少女 リク」

 うおい! そうきたかよ! 鼻血を吹いて倒れる親父にシンクロ。こりゃ、単行本が出たら、アキバのマニア向け書店で手製ポップが乱立しそう。


「源流武闘伝 -ORIGIN-」

 1話目はそうでもなかったのに、話数を追うごとに構成がメタってきた。これが次号の巻頭カラーって、4号目ともなれば、それなりに人気の結果を反映させてくるもんだと思うのだけれど。


「デカ教師」

 手馴れてる、としか言いようがない。


巻頭カラー「ガレキの王 〜The King of Debris〜」

 最初にぐちぐち書いたのは、この作品へのタムケであり激励であります。