ブラッドの作り方。

  • まんがコンテンツのマルチ展開ソリューション 「コミック コンボ リリース」を構築

 http://www.kyodoprinting.co.jp/release/2006/nr20060627.html

この「コミック コンボ リリース」は、編集作業の効率化を図るまんがフルデジタル制作システム「ComicPacker(R)」※によるデジタル化を入り口に、コミックス化、文庫化などあらゆる紙媒体への展開はもちろん、携帯電話、Web、ポータブルプレーヤーなどの各デジタルデバイスへ対応できます。
現在、このソリューションを使い、モビーダ・エンターテインメント株式会社が本年4月に創刊した「月刊少年ブラッド」において、雑誌発売とともに、携帯電話やWeb上でのまんがコンテンツの同時配信を実現いたしました。
当社では、6月15日にリリースしました「まんがデジタル制作ライン」とあわせて、まんが市場の拡大に大きく寄与する画期的なソリューションとしてこの「コミック コンボ リリース」を積極的にご提案してまいります。

 へー、導入、第1号だったんだ。共同の営業もうまいところ狙ったもんだな。


  • まんがデジタル制作ラインを構築

 http://www.kyodoprinting.co.jp/release/2006/nr20060615.html

共同印刷株式会社(本社:東京都文京区)は、このたび、自社開発のまんがフルデジタル制作システム「ComicPacker(R)」と縮小モアレ※除去技術「ComicScreenTM」をコア技術とした、プリプレス工程の“まんがデジタル制作専用ライン”を構築しました。
工程の完全デジタル化により、まんが制作における納期短縮はもちろん、生産効率および品質の向上を実現し、Webや携帯電話への配信などデジタルデータのスムーズな二次利用も可能にしました。

このまんがデジタル制作ラインによって、初年度100億円、3年後に150億円の売り上げを目指します。
※上記の売上目標は、まんが関連の売り上げすべてを含めた金額となります(6月16日追記)。

「ComicPacker(R)」は、日本語組版に強いアドビシステムズ社「Adobe(R)InDesign(R)」のPlug-inとして開発し、当社の自動組版技術とMacintoshDTPを融合させた、まんが制作に特化したシステムです。「高品質な文字組版」「出版社の労力軽減」「効率の良いまんが制作」を実現します。また、画稿やネーム、柱などに階層化されたデータ構造によって、本誌からコミックス、海外版、紙以外の媒体といった「データの二次利用」にも効率的に対応できます。

 来年3月までに、ブラッドだけで5億円くらい売り上げられればいいほうかな。営業の人はもっともっと頑張らなきゃね!


  • ComicPackerの特徴(図解)

 http://www.kyodoprinting.co.jp/products/publications/comic.html

 原稿の自動配置から、自動ルビ処理、文字サイズ自動計算、白ふち処理支援ツール、コミックサイズ変換ツールなどまで、もろもろ。doraemonの秘密道具なみに至れり尽くせり。ブラッドのくせに生意気だぞ!


 http://rikunabi2007.yahoo.co.jp/RN/cgi-bin/KDBG00700.cgi?SEDAI_CD=07&MAGIC=&KOKYAKU_ID=0053699001&FORM_ID=K102

[ だからこの仕事が好き!一番うれしかったことにまつわるエピソード ]
開発した「ComicPacker(TM)」が高い評価を得た!

調査にかなりの時間をかけ、開発に約1年かけた「ComicPacker(TM)」(まんがフルデジタル制作システム)が2003年に完成。それを利用した初の月刊誌が店頭に並んだのを見たときは達成感を得ることができました。また、このシステムは社外に販売されませんが、デモンストレーションを見た出版社から「使ってみたい」と言っていただけたこと、「他社のものと比べて一番処理が早い」と評価していただいたことも嬉しかったです。また、当社工場も導入に積極的で、通常より早い立ち上げに成功。お客様からも工場からも評価していただけたことは、今後の励みになりました。

 「それを利用した初の月刊誌が店頭に並んだのを見たときは達成感を得ることができました。」。多田さん……。


 http://ameblo.jp/shinrankai/entry-10014290133.html

マンガのDTPで問題になってくることって、そんなにないと思うんですよね。特殊なのは、漢字がゴシックでひらがなが明朝というフォントセットを構築しなければならない点。組版で、そんなに困難なことはありません。

ただ、原稿スキャンが大変だと思うんですよね。
おまけに、雑誌などで掲載された後の「単行本」発行となると、たいていの場合はリサイズされますから、トーン部分のモアレが当然問題になってきます。
そこらへん、共同印刷では「ComicScreen」というプラグインで縮小モアレ除去技術を採用しているようです。こっちの方が気になりますね。どんなものか見てみたいものです。

特に最近は、原稿用紙に仕上げるものではなくて、コミスタなどデジタル入稿も多く、モアレ処理のニーズは高まっていたと思いますからね。

 単行本化の際のトーンのモアレ処理に強い味方が登場、という視点。もっとがんがん1話あたりのページ数増やして、ばんばん単行本を出せるね!


  • 平成鸚鵡籠中記・新館 | inDesignで漫画製作

 http://bunzaemon.jugem.jp/?eid=927

『ComicPacker』の実物を使ってみないことには何とも言えませんが……。inDesignでの漫画制作を考えた場合、ペン入れから何から全部やると言うよりも、素材毎に組み合わせるレイアウトソフトとしての役割を期待したいですね。極端な話、人物や背景、効果線、擬音、ベタ&ホワイト、などをレイヤー構造で重ねていくためのソフトとして使いたいですね。

もちろんその場合は、アニメと同じような分業制度になるので、制作効率はある部分上がるでしょうね。友人の漫画家は、Photoshopで読み込んだ主線だけの原画にトーンを貼る作業用として主に使っていますが。人物周辺にホワイトを入れたり、均一にベタを塗る作業などは、手作業よりは遙かに早くなりつつありますね。ComicStudioなども、かなり完成度が高いとの話。

それはさておき、このソフトによって入稿作業が効率化するならば、経費を節減したい(ケチな)中小の出版社では導入が進むかもしれませんね。少なくとも編集者が直接吹き出し内の文字を、直接打ち込めるのなら写植代を大幅に減らすことが可能です。写植を取る作業なんてけっきょく、編集者がやらざるを得ないんですから、少なくとも写植オペレーターの打ち間違いが無くなる分、効率も上がるだろうし。

極端な話、MacAdobe Creative Suitesと大型スキャナー、モリサワの年間フォント代契約と、50〜100万円程度の初期投資があれば、デスクひとつで漫画雑誌の製作・出版が完結すると言うことですね。表紙までデザイナーを使わずに編集者が作っている弱小出版社だってありますし。本作りのアレコレは一般の方に説明してもチンプンカンプンでしょうから割愛しますが、そうなると出版社起業もお手軽に……はならないでしょうけど、だいぶ楽になるのは事実ですね。ちょっと期待したい技術です。

(下線は引用者による)

 浮いた資金(があればだが)を新人の原稿料や人気作家を呼んでくるのに使ってくれればいいのだけど。実際、どれくらいコストかけてんだろ。このComicPackerも、WEBブラッドもケータイブラッドも、デジタルやネットを使った新しいマンガ制作うんぬんというより、従来型のマンガ制作に比べて、安く上げられるってところがでっかいポイントになってるのは間違いないだろう(WEBでは旧SEED!創刊がそのものズバリだったし)。



 共同は木曜からのブックフェアに出展するということで、ブラッドが初導入事例としてプッシュされるんだろうなぁ……。