イスラエル+アメリカ ⇔ レバノン+イランにおけるMISSILE RANGE関連clip

 http://tanakanews.com/g0723war.htm

しかもヒズボラは、イスラエル側が予測していなかった長い飛距離の新型ミサイルを持っていることが分かった。ミサイルは、イランからシリア経由で供給されているとイスラエル側は発表しているが、このミサイルの存在により、今後、イスラエルヒズボラを完全に潰せないまま今回の戦争を終わらせると、その翌日から、ヒズボラの新型ミサイルがイスラエル北部の諸都市に飛んでくる懸念がずっと残ることになる。つまり、イスラエル側は何とかしてヒズボラを全滅させない限り、撤退できない状況になっている。(関連記事

 http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060719/mng_____kakushin000.shtml

イスラエルヒズボラとの戦力差は歴然だが、イスラエルには衝撃が続く。ヒズボラのロケット弾が、「射程外」だったはずの場所に次々と着弾し、イランが供給したとされるロケット弾で最新艦船は炎上。軍は、射程二百キロのミサイルをヒズボラが持つ可能性も否定しない。事実なら、イスラエルの主要都市はすべてが射程内だ。

イスラエル軍はガザのイスラム原理主義組織ハマス周辺に強固な情報網を張ったが、鉄の結束のヒズボラの内実は把握し切れていない。過ちはイスラエルも犯したのだ。

イスラエルにはヒズボラの拠点をつぶし、国境地帯までレバノン軍などに管理させ、ロケット弾を断つ意図がある。だがたたいてもたたいてもロケット弾は続く。

イスラエルレバノンに本格侵攻する地上戦に入れば、消耗戦になるのは必至。ヒズボラの抗戦で「敗走」した経験もある。

軍歴の乏しいオルメルト首相とペレツ国防相は国民の支持を得るため、ロケット弾の阻止という戦果を得るまで後戻りできない。だが長期化すれば、世論の離反と、「やり過ぎ」への国際批判という、本当の敵が浮上しかねない。

 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060717k0000m030049000c.html

ハイファには約20発のロケット弾が着弾。うち1発は鉄道の駅を直撃した。イスラエル軍は、ヒズボラが初めて中距離ミサイルを使用したと述べた。地中海に臨む港湾都市レバノン国境からは30キロ以上離れている。ヒズボラは声明で、比較的射程の長いラアド2型と同3型ロケットを使用したことを明らかにした。これらの改良型ロケットはイランから供給されているとみられている。

イスラエル軍は15日、ヒズボラによる長射程ミサイルの発射に備え、ハイファ近郊などに地対空迎撃ミサイル・パトリオットを配備し始めたばかりだった。

 http://www.asahi.com/international/update/0715/026.html

イスラエル軍情報機関の高官は15日、レバノン海上封鎖するため地中海沖に展開していたイスラエル軍艦船1隻が14日夜に被弾し、炎上したことについて、イスラムシーア派武装組織ヒズボラが海岸から撃ったイラン製ミサイルが原因だったと明らかにした。また、イランの精鋭部隊といわれるイラン革命防衛隊の約100人がレバノンに滞在し、ヒズボラにミサイル攻撃を指導しているとの情報を示した。

同高官の情報が事実なら、イランは資金や武器だけでなく人材まで提供し、ヒズボライスラエル攻撃を支えていることになる。イスラエル政府がレバノン政府の責任を追及している理由の一つには、革命防衛隊員の滞在を許していることがあると見られる。

同高官によると、ヒズボラは射程40〜200キロのイラン製ミサイルを約150基保有。艦船攻撃のミサイルは射程約100キロだった。その前までのミサイル攻撃は射程が40キロ未満で、こうした短射程ロケット弾の保有数は1万発を超すと見られている。

国際社会からイスラエル軍の「過剰な攻撃」への批判が高まっていることについては、「現在と将来の攻撃計画の決定に影響を与えている」と配慮する意向を示した。だが、「イスラエル軍は先に攻撃を受け、反撃は正当性がある」と、作戦を続ける方針を強調した。

  • ヒズボラにイランがミサイル供給か、命中精度が向上(読売)

 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060716i313.htm

レバノンシーア派組織ヒズボラは16日、ハイファを攻撃した際に、イラン製ミサイル「ラード」を使ったとの声明を発表した。

同ミサイルはこれまで対イスラエル攻撃に使われた旧ソ連開発のカチューシャ・ロケット砲より射程が長く、命中精度も高い。イスラエル軍はイランが兵器性能を著しく向上させている上、ヒズボラに大量に供給していることに衝撃を受けている。

イスラエル軍によると、「ラード」ミサイルは射程40キロ以上。ハイファでは一部が列車の操車場に着弾した。元参謀総長のモファズ運輸相は、被弾した操車場を訪れ、根拠は明らかにしなかったが、「弾薬はシリアが提供した」と述べ、イランとシリアがヒズボラの装備拡大の背後にいるとの見方を示した。

13日夜には、レバノン沖に展開していたイスラエル軍駆逐艦が中国製C802対艦ミサイルで攻撃されたが、これもイランが供給したもので、同艦に搭載されていた防衛システムをくぐって命中した。国軍はさらに、イラン革命防衛隊の軍事顧問ら約100人がレバノン領内でヒズボラを支援しているとの見方を示している。

 http://gaikoanzenhosyo.blog4.fc2.com/blog-entry-338.html

”ラード”は、中国製の対艦ミサイルHY-2をもとにイランが開発した対艦ミサイルだから、イスラエルの都市に撃ち込むというのは、本来の使用方法とは違う。

イランが”ラード”の地対地ミサイルバージョンの開発に成功したか、対艦ミサイルの”ラード”を無誘導でハイファに撃ち込んだかのどちらかだろう。

”ラード”ミサイルの詳しいデータは持っていないので、”ラード”の元になった、中国製の対艦ミサイルHY-2のデータをあげておこう。

HY-2は、重量約3000Kg、推進装置は固体ロケットで速度はマッハ0.9、誘導方式はアクティブレーダー・ホーミングと赤外線ホーミングの二種類、最大射程は95Kmである。

HY-2は旧ソ連製の対艦ミサイルP-15(SS-N-2”スティックス”)を中国がコピーして改良したものだ。イランは手に入れたHY-2をさらに改良して、射程を伸ばした可能性がある。

イラン・イラク戦争のとき、イランは中国製ミサイルHY-1を使ってペルシャ湾を航行するタンカーを攻撃したが、”ラード”のもとになったHY-2はHY-1の改良型だ。

さらに驚いたのは記事の後半にあるように、ヒズボラが対艦ミサイルを発射してイスラエル海軍の艦艇を大破させたことだ。

イスラエルの情報機関”モサド”や軍諜報機関”アマン”も驚いたのではないだろうか。

これにはC-802対艦ミサイルが使われたが、これも中国からイランに輸出されイランからヒズボラの手に渡ったものだ。

中国製の対艦ミサイルC-802のデータは、重量715kg、推進装置はターボジェットで速度はマッハ0.9、誘導方式はアクティブレーダー・ホーミング、最大射程は120kmである。

C-802は中国海軍で今も使用され、旅海級駆逐艦や江衛Ⅱ級フリゲートに装備されている。

C-802はC-801の改良型で、C-801の開発にあたって中国はフランス製の対艦ミサイル”エグゾセ”の技術を買って導入したとの噂がある。

 ヒズボラによるミサイル攻撃で大破させられたイスラエル海軍の艦艇はコルベット排水量1000t前後の軍艦)のようだが、それでも大事件である。

”ラード”やC-802といったミサイルを装備するヒズボラは、もはやテロ組織というよりミニ軍隊と言ったほうがふさわしいほどの戦闘力を備えていることが明らかになった。

ヒズボラがここまで高い戦闘力を獲得したのも、もとをたどれば中国の存在が大きい。

工業力の低いイランは、高度な技術が必要とされるミサイルを独自で開発できるだけの基盤を持たなかった。

それに救いの手をさしのべたのは中国で、HY-2やC-802といったミサイルをイランに輸出して、それらのミサイルはイランを経由してイスラム原理主義テロ組織ヒズボラの手に渡った。

そして今回のイスラエルレバノン紛争では、中国製兵器がイスラエルを苦しめているのである。

  • 緊急報告シリーズ 中東報道研究機関メムリMEMRI――イスラエル国境の武力紛争とイラン(4)―イラン、レバノン、シリアの反応

 http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP120706

革命防衛隊が支援するヒズボラの戦力―イランの軍事筋


革命防衛隊首脳に近いイランの軍事筋が、ロンドン発行アラビア語紙Al-Sharq Al-Awsatに、ヒズボラに対する訓練、武器援助等を明らかにした。以下その内容である。

「まず第一に、革命防衛隊はヒズボラ・ミサイル隊をつくった。1985年のことである。ベッカー盆地のウベイダラー(Sheikh `Ubeidallah)軍基地で訓練をおこなった。革命防衛隊から約2,000人が来て、この基地にいた。ここが彼等の司令部だった。(1989年)レバノン内戦が終り、タイフ協定が結ばれると、大半はレバノンを去ったが、残った少数精鋭の部隊が150名から250名ほどのヒズボラ(戦士)を訓練した…。

第二が、特別訓練コースだ。イランで実施され、これまで3000名を越えるヒズボラが訓練を受けた。ゲリラ戦、ミサイル操作法、火砲の扱い方、無人機の操作方法、凧(ハング・グライダー)の使い方、海上戦の要点、高速艇の操縦法、通常戦闘といった課程で訓練される。

第三が、パイロットの養成訓練で、この3年間で50名が養成された。

第四はロケット基地の設定で、革命防衛隊はこれまでイスラエル国境沿いに20ヶ所つくった。移動発射装置、つまり中型トラック搭載のミサイルランチャーも供給している。ヒズボラは1992年から2005年までに、ミサイル及びロケットを約11500発、短射程及び中射程砲400門、アレシュ、ヌーリ及びハディッド型ロケットの供給をうけた。

昨年ヒズボラは333ミリ弾頭付きの大型ミサイルウカブ、そして大量の肩撃ち式対空ミサイルSAM7を貰い、中国製ミサイルのコピー兵器C802ミサイルを貰った。そのうち2発が一昨日イスラエル艦艇の攻撃に使われた。


ヒズボラは最新式の地対地ミサイルを4種類所持している。即ち、

1 有効射程100kmのファジル ミサイル

2 有効射程90―110kmのイラン130 ミサイル

3 有効射程150kmのシャヒン ミサイル

4 有効射程150kmの335ミリ ロケット


この軍事筋は、「レバノンには、訓練教官、専門家及び技師が合計70名、イラン革命防衛隊情報隊(Faylaq Quds)60名がいる※13。ヒズボラ・ミサイル隊の支援、指導部指導の任にあたっている。ほかに革命防衛隊秘密隊もいる。将校20名の編成で、最新装置を使ってイスラエル軍部隊の動きを追い、イスラエル国内のターゲット選択をやっている。

ヒズボラは、保有兵器を全部投入したわけではない。今後数日、イスラエルレバノン攻撃が続けば、ヒズボラは世界を震撼させる兵器を使用する。イスラエルの中心部が打撃を受けるだろう」

 http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200607191835263

直後の拡大で、イスラエルレバノンへの数次の空襲を行い、ヒズボライスラエル北部へ、イスラエルの内部奥深く到達可能な新しいタイプのカチューシャ・ロケットを含む無誘導ロケットを打ち込んだ。最も目立ったのは、イスラエル海軍のサール5級ミサイル艦コルベットへの攻撃で、4人の乗組員が死亡し、同艦は大破した。 
 
Ahi―ハニトは同級の3隻のうちひとつである。すべてイスラエルで設計され、米国で建造された。イスラエル海軍で最大で、最も防備が固い戦艦である。西側の水準では小型であるが、東部地中海での制海のため、“ステルス”の機能を持ち、巡航ミサイルに対して地点防空システムも備えている。Ahi―ハニトがベイルート国際空港を攻撃している時に、ヒズボラの部隊が発射したふたつのミサイルのうちひとつが当たった模様だ。ひとつのミサイルはそれたが、別のがヘリコプター・デッキ地域に当り、大きな損害を与え、4人の水兵が死亡、同船は沈没しかかった。 
 
イスラエルからの未確認の報道では、そのミサイルはC−802対艦巡航ミサイルで、中国製のシルクウォーム・グループとよく呼ばれるものの変種であった。IDFがそのようなミサイルがレバノンに配備されていたことを知っていたか、明らかでない。そのミサイルはレーダーで制御され、十分な「対妨害電波」能力を持っているが、サール5級コルベットは、そのような攻撃に対して、特に設計され、装備されていた。 
 
それによる不気味な側面のひとつは、そのミサイルがレバノンヒズボラと行動をともにしているイラン革命防衛隊の特別部隊によって発射された、というIDF筋からの話である。これが正しいかどうか別にして、このことは、現在の拡大にはシリアとイランの影響が見えるため、米国の介入が必ず必要になるというワシントンでの声高な議論に拍車を掛けている。(ネオコン雑誌Weekly Standard参照 訳注2) 

ヒズボラの侵入、Ahi―ハニトへの攻撃、ハイファへのミサイル攻撃とすべてが立て続けに起き、IDFは国際的な反感から休止を強いられる前に、即時、大規模行動をとるという以前のパターンで応じている。レバノンでの現在の爆撃作戦は、ふたつの目的がある。さらなるミサイルとロケットの発射を阻止するために、輸送体制とヒズボラ兵站ネットワークに損害を与えることと、レバノン人に懲罰を加え、レバノン軍にヒズボラを抑えさせるために、レバノン経済を大規模に標的にすることである。 
 
どちらもうまくいくという見通しは、ほとんどない。ヒズボラは1万2000以上のロケットとミサイルを保持していると伝えられる。そのほとんどが107ミリと122ミリの無誘導カチューシャ・ロケットで、後者は最大30キロメートルの射程を持っている。だが、ハイファへの攻撃は、40キロメートルの射程を持つ、より強力な240ミリのファジル3を使用した可能性を示していそうだ。さらに、7月16日のずっと内部のガリラヤのアフラへのミサイル攻撃は、70キロメートルの射程を持つ、333ミリのファジル5が実戦配備されているのかもしれないことを示している。 
 
ヒズボラの膨大なミサイルの備蓄は何年もかかって築かれ、レバノン南部で複雑に分散されて、配備された。このことは、もしヒズボラ武装闘争を続けていく気なら、レバノン南部に全面的な侵入だけが、さらなる攻撃の実行を阻止することができる。 
 
ヒズボラに損害と懲罰を与えて、レバノンヒズボラを抑制するようにさせるというイスラエルの意図については、7月17日のレバノン陸軍と海軍部隊へのイスラエルの攻撃は、そのような政策の存在自体に疑義が生じる。もし、レバノンヒズボラを統治するよう「促される」なら、レバノン軍を攻撃することは意味がない。 
 
このことは、大規模爆撃の継続は、IDFが数日内に大規模な地上攻撃を起こす準備ではないかと言うことを示唆する。イスラエルが空襲を、ヒズボラへの武器と装備の輸送に使われている空軍基地などシリアの特定の標的に拡大する可能性もある。実際、IDFがヒズボラへの支持を抑制するようイランへの警告として、イランのミサイル工場のひとつかそれ以上への長距離空襲をすることも考えられないことではない。 
 
レバノンの施設への攻撃を続けることと、シリアとイランの特定の場所を標的にすることは、ヒズボラにはほとんどか、まったく影響を与えないであろうし、地域全体に反イスラエル、反米ムードを大いに増すことになるであろう。それでもイスラエルを止めさせることはできないであろう。7月16日のサンクトペテルブルクでの先進8カ国首脳会議で出された声明で減じることはない、ワシントンからの強力な支持があるからである。 
 
イスラエル社会は、ある程度まで、ここ数日の経験で精神的なショックを与えられた。この意味において、イスラエルの政治指導者がハイファへの攻撃はすべてを変ると言っているのは正しい。イスラエル人は、軍事力とパレスチナ地域の圧倒的な支配を通じて高度の安全保障を得たと思っている。しかし、それが期待できなくなったいま、脆弱になった。 

  • 日刊ベリタ : 記事 : 米・イランの代理戦争の様相 イスラエルの「旧式思考」は自己破壊的 ポール・ロジャーズ

 http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200607231545380

第二の理由は、イスラエルにとってより鋭くより危険である。この戦争の最初の1週間で、射程がより長いロケットがハイファを襲い、対艦巡航ミサイルが世界で最も近代的な戦艦のひとつを大破させた。同艦はそのような攻撃に対し防御の装備があるものとされていた。イラン革命防衛隊の関与があったのかもしれない(プロパガンダである可能性もある)が、これらのミサイルは準国家たるヒズボラが基本的に持ち込んだものである。 
 
そのような武器は世界の武器市場に、どんどん流れ込んでおり、高度化している。イスラエルは前からこれを知っており、1991年の湾岸戦争以来、数億ドルをミサイル防衛の研究開発に注いできた。結果はヒズボラの能力にほとんど効果がなかった。攻撃ミサイルと防衛システムの間の全体の国際的な競争は、前者が勝っている。 
 
ロシアと中国は武器輸出市場の拡大に非常に熱心で、主に金銭的利益のためだが、そのような拡散は米国とイスラエルなどの代理人の力を制限するという利点もある。ヒズボラ(またまだ組織されていないグループ)のような準軍事組織が、イスラエルの最北端だけでなく、国全域を脅かすような射程距離が長く、対防衛システムを内蔵し、クラスター弾などを持った最新のシステムを取得する可能性がある。 
 
この傾向が今後10年かそれ以上の間に発展すると、イスラエルと米国は多分、イスラエルの国境をさらに越えて予防管理の地域を拡大しようとするであろう。だが、特にレバノンでの市民の破壊が同地域の別の場所で繰り返されているように、それは勝つことができない競争である。敵対的な動機と技術革新が相まって、イスラエルの軍事立案者さえも、それを終局的に自己破壊的な過程と見なすであろう。 

 各記事で一定しないものの、40km未満から200km以上のRANGEが想定されているよう。最大でたったの200km。200kmで足りる近距離で射ち合う。フラッシュで見る近辺の地理