「ディアスポリス 異邦警察 ①」(作画:すぎむらしんいち、脚本:リチャード・ウー)モーニングKC
恥ずかしながらこの連載が始まって、初めて本気で、すぎむらしんいち、に注目した。その前はアッパーズでやってたサムライダー2をなんとなく気に留めてたくらい。原作付きが初めてなのかどうかも知らない。だから、原作付きで描いた、すぎむらの作品として、過去のそれと比べた勢いや完成度がどれくらい優劣をつけているのかも知らない。が、きっと稀有な才能をもっているんだろうすぎむらの力が存分に発揮されていきそうな作品をリアルタイムで追いかけるチャンスにめぐり合っているのではないか、と思わせてくれたことには感謝。
JRの「大久保駅」と「新大久保駅」と「新宿駅」を結んだトライアングル地帯でつむがれていたのではないかと思わせる(今はイシハラの浄化作戦がだいぶ進んだからね……)、密入国人の密入国人による密入国人のための治外法権のセカイ。そのごく狭い世界に存在する「外国人都庁」。そこに所属して警察力を任された“フリーの公務員”ことクボヅカサキの活躍を描く。公権力を徹底的に排除したセカイは、同時に日本人であることがマイナーステイタスにしかならないセカイ。私事だが、春に引っ越して、そのトライアングル地帯を歩き回る機会が増えていることが、日本でありながら日本でない、新宿でありながら新宿でない、という妄想を読み手のこちらに掻き立ててる。
2巻に収録される外国人都知事のボディガードで北アフリカ出身ナイフ使いvs人身売買組織に雇われたナイフ使いのビル屋上での戦いは、モーニング本誌で読んで「むげにん」ばりの殺陣にしびれたので、是非の買い。
しかし、リチャード・ウーって、諸に偽名っぽいよなぁ……。*1 *2
- 作者: すぎむらしんいち,リチャード・ウー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: コミック
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*1:http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_3669.html←こちらの推測をそのまま受け取るなら、「月の光」のmarginalでもあるってことか?
*2:コメント欄から→http://demeia.sakura.ne.jp/typo/articles/2006/09/28/richard-woo 「方面からの借用」ではなく、その人ドンピシャでした。