コミックラッシュ 12月号

集中連載「人造人間カティサーク 前編」(緒方てい

 8月号で読切が掲載。好評だったらしく、集中連載に昇格。本格的に連載開始になるのが待ち遠しい。
 ただ、この前編では、毎週月曜の夜7時という決まった時間に街を襲う謎の巨大ロボット、という設定は触りだけで、マシン語しかしゃべれないカティサークの健気さへスポットをあてて次回へ引いている。30分特撮ドラマの世界観をパロった、多層構造な読みが出来る面白さがキモとしてあったはずなので、倒されるべき敵役という以上の意味を消してしまうのなら、魅力が半減してしまうのが心配。


読切「スマイルプラン」(倉橋ユウス

 シリウス新人賞出身で受賞作が一度、本誌に掲載された倉橋ユウスが、なぜか新作読切でラッシュに。少年誌にしては玄人好みな話だった受賞作からは一転、冷凍睡眠の実験候補に選ばれた少女と、20年の別れを選択した少年の純ラブストーリー。少女の不思議ちゃん振りははっきりいって? それが彼女らしい選択だと20年を待った少年の決断も、自分が年をとったせいなのかリアリティが薄い。
 先月号は、ティアでファンになった繁泉光太郎が載ったり、読切目当てに買ってるようなもんなので、こういった採用は続けていって欲しいのだけど。