分岐点だったかなぁと後々、振り返るための。


 木曜の夜、叔父の嫁さんから用件を言わずに「ちょっと電話ちょうだい」とだけ家電の留守録に。正月に帰省したとき、家族づてに用件は聞いてたのでそのことだろうと思いながらかけなおすと、「いい人がいるからスナップ写真を送りたい」と。そちらが紹介してくれる相手にそーいうつもりが今のところないと言うと、「ああ、そうなの……」とおどおどしながら案外あっさり引き下がる叔父嫁に「(もうちょっと食い下がってくれてもいいんじゃないかな……)」と我ながら煮え切らない気持ちのままぼそぼそと近況を報告しあう。受話器を置いたときに何故かやっちゃった感逃がした獲物は感。

三浦  「誰かいい人いないかなぁ?」って周りに合わせて言うのにもう疲れたって、最近友達とよく言っているんですよ。

よしなが  ああ…そんな本当のことを言ってしまって(笑)。私も以前に友達6人くらいで、彼氏欲しいな、寂しいなって言い合っていたときに、その場にいたとあるマンガ家の友人が「でも、何人かつきあったけど、〝彼氏〟てつまんなくねぇ?」って言ったんですよ! その場にいたみんなで、ちょっと待て、と。その一言を言わないように、みんな普通の女の子のフリしてがんばって会話してたのに!って(笑)。

三浦  身も蓋も無い!(笑)

よしなが  そう。そんなことはもうみんなわかっているんですよ。女同士で話したほうが楽しいに決まってるって(笑)。でも、夏にダイエットしないとビキニが着られないように、その時期をガマンしないと〝結婚〟という安定は手に入らないんですよね。

三浦  誰かいい人いないかな、と言いつつも、でも、いい人がいたからってなんだって言うの?と思わなくもないんです。だって、要は〝番う〟だけでしょ?

よしなが  パートナーが欲しいという感覚には共感できる人が多いと思うんですよ。この先老いていったときに心細くなったときにいっしょに暮らしている存在が欲しいとか、もしくは親の介護が必要になったとき、別に介護に協力してくれなくてもいいから、自分に親身になって同じ目線で苦労を分かちあってくれる人が欲しい。

三浦  いや、いらない。

よしなが  あ、いらないんだ。それはスバラシイ(笑)。もっとも自分の筋が通せますね。

三浦  うん、いらないですねえ。


 しをんたんは強いなぁ。自分はまだまだなんだ。