コミックチャージ 創刊号


 「ごめんなさい、チャージさん。やっぱり、あなたを恋愛対象としては見られない」。



 そんな感じですか。今週のSPA!の中吊り的に言えば、口では「誠実そうですね」と評価しておいて、本音は「これで顔がよければ…」。



 「いい人」なんでしょう。けど、ケレン味と色気が圧倒的に足りない。作り手である角川の社員って意外に面白みがない人が多いのか?、なんてね。コンセプト段階では、「高給取りのオナニー」と印象をくさしてたわけだけど、広告クライアント向けに理想を描いてたんではなかったのだなあ。普段、マンガを読まない層をターゲットに据えていて、それは確かにチャレンジしてらっしゃるのだけど。この創刊号の時点では、RED・もやしもん餓狼伝のない「イブニング」、あるいは医龍・MOON LIGHT MILE・LORDのない「スペリオール」止まり。



 まぁ、でも、創刊号段階の路線なんてのは、遅かれ早かれ修正されていくのが常であって、意外な作品の人気が出たりもする。チャージと同じ隔週刊青年誌のカテゴリの中で、創刊順に見て兄貴分にあたるヤングガンガンだって、グラビアを始めたオカゲでなんとかもった部分はある(おそらく)。当時の自分の感想を振り返ってみると、ドラフト枠外だった「すもももももも」が看板作品になってアニメ化されたり、これは思ったとおり順当だったけど殺伐過ぎてぐだぐだだったFF11マンガが即効でぽしゃったり、「こんな適当な筋立てに原作が必要なのか。」とかくさしてた「BAMBOO BLADE」がいつのまにか一番のお気に入りになってたり。


 そして、ヤンガンは、旧エニックス時代に青年誌に初挑戦したバウンドという苦い教訓の上で、なんとか軌道にのってるわけです(おそらく)。週刊から隔週刊にペースを落として再刊したアクションは、その後、硬派路線をグラビアでテコ入れして開き直ってなんとか頑張ってるわけで(これはそのまんま)。だからチャージもさ、40万部なんて夢を無理して追いかけずとも、踏み石にするくらいのつもりで気楽に、気楽に、さ。



 (まぁ、2号目からは立ち読みだけどね……)






巻頭カラー「神の手を持つ男」(作画:本そういち、原作:福島孝徳

 この人のマンガが巻頭カラーを張ってることが、この雑誌の「キマジメな“ふり”路線」をよく、表してるかと。イブニングでやってる「夢幻の軍艦 大和」も、大仰な歴史改変モノのはずなのに、カタルシスが薄くて。 


「ぶっちぎりCA」(大和田秀樹

 REDの「ドスペラード」面白いよね! 応援してます!


読切「アルカイック スマイル」(作画:貞本義行、原作:たかはまこ

 貞元がこういった読切に挑戦することが、どれくらいインパクトのあることなのか、イマイチ理解できないでいる。内容は中の下。


「ジョーモンCEO」(しりあがり寿

 「マトリックス・レボリューションズ」を思い出した。


巻中カラー「デス・スウィーパー」(きたがわ翔

 遺体専門清掃人の活躍を描く。個人的に一番くいついた。きたがわのほどよくリアルな(腐乱死体の)絵が読みやすい。立ち読みは、まず、これから。


「我が妻との闘争」(作画:金平守人、原作:呉エイジ

 あー、自分、小市民的生活ネタって、あんまり肌に合わないことを忘れた。カネヒラにフツウのマンガ描いてもらってもなあ……。


「うちのネコが訴えられました!?」(作画:若林健次、原作:山田タロウ)

 あー、自分、小(以下同)


「こちら がむしゅー探偵事務所!」(作画:陽香、原作:江島一二三)

 今のところ、唯一のお色気担当。陽香を応援したいので応援。


「五百蔵酒店物語」(作画:小堀洋、原作:西岡恭子)

 箸にも棒にもかからないとはこのマンガのことだ。けれど、お嫁さんは欲しいなぁ(混線?)。


家族八景」(作画:清原なつの、原作:筒井康隆

 ヤンマガ増刊でやってた、「はるか17」の人の作画版の、枯葉で覆われた土の上の七瀬のラストの印象深さが忘れられない。忘れられないので。そういうことで。