「イツかのアノコ」(みなすきぽぷり)JCC COMICS


 今月はロリマンガの単行本が豊作でうれしい限り。CROSSvol.3掲載の「あたしは、こう!!」で衝撃を受けて、vol.1とvol.2をオータムリーフでバックナンバってみたら、ほどなくこうやって単行本になってしまった。CROSS掲載分は「椎木冊也」名義での掲載だったけれど、みなすき名義の単行本収録に際して、特に注釈はない。


 単行本で近作を通して読んでみて思ったが、脳に飛び込んでくる快感の経路が独特かもしれない。やる気マンマンの獲物を狙う目でのしかかり、いっしょけんめい快感に浸ろうとする男のツラに対して、挿入ピストンされてる間、幼女たちの目が正面から男を見ない。というか、涙を流したり、歯をくいしばったり、目をぎゅっとつぶったり、冷めた表情でなすがままだったりの幼女たちが、まぁエロに積極的な娘も中にはいるのだけど、どうにも頑張って感じてくれてるような描かれ方をしているようだ。女子の快感をダイレクトに伝えない。幼女らの肢体がエロいのは確かにそうなのだけど、感じてるかというと、そうでもない。じゃあ、なんでエロマンガとして絶品で“使える”かというと、男らのツラがあーホントに気持ちいいんだなぁといういいツラをしてるから。そのあたり、とても自分にまっすぐで正直でコダワリがある作家なんだろう、幼女が実は感じる性をもっていないということに対して。数十ページの読切の中に、深くドラマを描きたがるのは、感じることのない幼女の性の代わりを求めてるのだろうか。


 最新号のCROSSvol.4に掲載され、この単行本にも収録された「大人になるってどういうこと?」では、多少、男の欲望に付き合ってくれる幼女を描いてる。いろんな幼女を描いていって、伸びていって欲しい作家である。


イツかのアノこ (ジェーシーCOMICS)

イツかのアノこ (ジェーシーCOMICS)