同人誌と表現を考えるシンポジウム at 豊島公会堂

 http://sokubaikairenrakukai.com/news070330.html



 総括すると、マトを絞ってコンパクトにまとめられた良いシンポジウムだった。例の「バーチャル社会のもたらす弊害からこどもを守る研究会」の最終報告書が求める安易な同人表現の自主規制に対して、実際には同人業界側は今までもこれからも自主的な取り組みを行うし、研究会ともいたずらに対決姿勢を強めるつもりなどは毛頭なくて冷静に話し合う用意がありますよ、ということを十分にアピールできたと思う。二次創作問題などは予め、議題から外すことが断られた。今回のシンポジウムが報告書への正々堂々のカウンターを一番の狙いにしていることを考えれば、正しい判断。
 同人業界の性表現に対する対応策は、行われているということと実際に実効性をともなっているかということは、もちろん別の話になってくるが、有識者の少なくない人数がそこまでやっていることを知らなかった(自分も知らなかった)とコメントする中で、まず現状でも出来る範囲のことはやっていることをアピールすることが肝心になる。
 同人業界の裾野は、個別のサークルが採算度外視で参加した趣味の集まりで積みあがっている。求める嗜好もそれぞれ。ようは、業界といっても、まとまりがないし、まとまろうとしてもまとまりにくい。販売者と消費者の境目もあいまい。そこでは確固とした連帯意識が生まれにくい。で、あるのに、一階席を満員にして二階席まで埋めた豊島公会堂で、このようなアピールがされたことにも意味があると思う。
 それと、シンポジウムの最後にガタケット事務局代表が、ここに故米沢代表がいないことを残念に思う、という趣旨のことを話していて、同人業界を守ってきたヨネヤンをなくした喪失感、不安を埋めたい気持ちが、このシンポジウムを開く動機の一つになったのかなと漠然と思った。柳の木のように外からの批判的な声を受け流せたヨネヤンがいなくなって、これからは自分達でやっていかなくてはならないという思いが、シンポジウムに繋がったのかな、と。ヨネヤンがシンポジウムのようなアクションを起こさなかったということはないと思うけど、もっとゆるやかな内容にはなったかもしれない。
 マスコミは日テレと毎日新聞を確認。後は、これを1歩目の狼煙として、メディアに喧伝してもらわないと意味が無い。ちゃんと書けよ!
 以下、発言要旨の文責はブログ主にあることを注記した上で。






第1部 「今、どうなっているのか? 現場からの発言」

 司会の中村公彦コミティア実行委員会代表)を壇上に向かって右端に置いて、その隣から順に武川優(日本同人誌印刷業組合理事長、㈱緑陽社代表)、鮎澤慎二郎(㈱虎の穴)、川島国喜(㈱メロンブックス)、市川孝一コミックマーケット準備会共同代表、COMIC1準備会代表)、武田圭史(赤ブーブー通信社)。まず司会から各パネラーに、同人の性表現で実施している対応策についてコメントを求める。



武川
 「日本同人誌印刷業組合は29社が参加。組合会社でオフセット同人印刷の80〜85%くらいをシェア。まず、印刷所の修正基準をクリアしないと世の中に同人は出せない。印刷所は重たい位置にいる。分かりやすい修正基準にはまずコミケがある。コミケの基準は組合の印刷所に浸透して守られていると思う。同じ原稿を組合の印刷所で刷ってみて、修正具合がどれだけ異なるかつき合わせて、学習している。(18歳以上に頒布しても刑法に触れる)わいせつな原稿は、印刷をはねつけても、コミケの修正基準を知らない印刷所で刷られるかもしれないので、どのようにダメなのかを指摘している。それでも刷れない原稿は、別の印刷所を紹介して回している」


鮎澤
 「社員をして6年。作品を預かる基準はある。作品を見て、何重かのチェックを行う」*1 *2


川島
 「性器は、ボカシ、修正があればOK。10項目からなる18禁用の内部ガイドラインがあって、それに照らし合わせている。記憶にある限り、(18禁同人の修正に関して)大きな問題になったことはない」*3 *4


市川
 「(コミケの性器の修正基準について会場配布資料の『コミケットアピール71における記述』を紹介。(参考))対面販売の即売会では、18歳未満には頒布をしないでくれと促している。そのような個々のサークルによるゾーニングを行っている。(コミケットアピールの)修正基準はビッグサイトや東京都にも話している内容」*5


武田
 「(赤ブーブー通信社が運営する即売会のコミックシティは)女性向けが強いので、参加者はワイセツ問題を対岸の火事的に思っているフシがある。18禁の表示を同人の表紙にしているサークルが減っている。入れようという意識がない。去年の10〜11月に、18禁マークを入れようとサークル参加者にアピールした。春のコミックシティで18禁マークを入れるようペーパーを配布した。本にマークを入れるのでなければ、机の上にポップやポスターを置いてもいい。必ず18禁マークを入れなければならないようにするかまでは、様子見」


中村
 「コミティアはアダルトの割合は少ない。5/5開催のコミティアは、参加した2,800サークルのうちアダルトが130サークルで5%。従来は2%。比較的、神経質にならずに済んできた。しかし、ここ1〜2年は、(修正されてない18禁同人を即売会を運営する側で)修正するケースが出てきた。印刷所段階のチェックが甘くなってきているのではないか。組合に入っていない印刷所で、修正基準に関するコンセンサスが取れていないのかも」




 各パネラーが対応策の紹介を一通り終え、次に、パネラー個別に突っ込んだ質疑を交わす。




市川
 「(サークル参加者から提出される)見本誌をスタッフが見て、最終的に自分がチェック。男性器はカリ首にしっかり修正が入っていること、女性器はクリトリスに入っていること。修正は黒ベタ、白ベタのどちらでも良い、濡れ、ヘア、文字で隠したり、いろいろやり方はある。修正は、成人マークがついていれば若干、甘めになる。奥付があれば、発行者が責任を負う用意があることが分かるので、それも若干、甘めになる。成人マークも奥付もなく、表現がギリギリなものは、厳し目になる。コミケでは1日で100冊をチェックする」


武田
 「(3月から行っているアピールへのサークルの反応について)18禁マークのデザインがよくないという話もサークルから聞く。サークルでもっと凝ったデザインのマークを用意していいか問い合わせがある。春のコミックシティでは、18禁の本を頒布していることを示すカードを、18禁マークを入れていないサークルに40〜50枚配布した」


武川
 「(印刷所側の修正が甘くなってきていないかという疑問について)そう言われるとそうなのかもしれないけれども。黒ベタや白ベタは修正の“意思”を読みとれるが、カラー原稿のモザイク修正は、デザイン的な意味合いがある(ので修正が弱いと判断される)。非組合員の印刷所を含めて、95〜97%の同人印刷所は修正に気をつけなければならないと分かっていると思う。データ入稿が増えるにつれて、これまで同人をやったことのない印刷所が新規に参入してきている。(修正が甘ければ)そこのところを分かっているのか(同人に詳しい印刷所が)個別に対応している」


武川
 「(データ入稿が増えて、チェックの余裕がなくなっているのか? フルカラーのモザイク修正は修正が甘くなるか?という疑問について)データはFTPコミケに送ってチェックしてもらっている。不味い原稿はそんなにたくさんないと把握している」

市川
 「(コメントを引き継いで)時間があればチェックしている。けれども、あまり送ってこられない。*6 サークルの入稿が遅れる関係もあって(チェックのために送る時間が取れない)。COMIC1では、会場で修正したサークルがある。虎の穴へ卸す予定だったが、それもそこで差し止めた。サークルの人は今、家で修正しているはず。ヤバイ修正は、(印刷所、即売会運営者、同人専門店などの)誰かの段階で止める連携プレイが出来ている」


川島
 「(同人と商業誌で修正基準がダブルスタンダードになっていないかという疑問について)同人と商業誌は修正基準を分けて考えている。同人のほうが商業誌より厳しいくらい。(メロンブックスの同人の修正基準は)コミケほど厳しくない。性行為している性器が修正の対象。ストーリー上の必然性があって出された性器は、ぼかす必要はないと考える。商業誌は、有害図書指定された本を扱わないくらい。ガイドラインは表に公表していない。持ち込まれる同人は、個別にぼかしを指導している」


鮎澤
 「同人を持ち込んでくるサークルの修正に関する相談は受けている。すべてのチェックをできているかというと(出来ていないかもしれない)。販売責任があると考えているが、何よりクリエーターにも(責任を自覚して欲しい)。こういう世の中ですので」


中村
 「商業誌は確信犯でやっているところがあるので、単純に同人と比較できない。同人サークルは、『ワイセツの何が悪いのか』と戦うつもりの人は少ない」*7

市川
 「(修正するしないで揉めたことがあるか?との質問に対して)実際、多い。2コミケに1回くらい。女性系サークルに多い。去年の冬コミで、コミケ事務局が修正させたサークル数は、ついに男性系を女性系が超えた。女性系で二桁を修正させた。女性系は過激になっている。男性器に修正を入れるという意識が小さい」

武田
 「ワイセツと18禁の区別がついていない人がいる。ワイセツは誰に売ってもダメ、18禁は18歳未満に売るのがダメ。2〜3年前にそのような問題が強かった時期があった」

市川
 「女性系の意識をどう変えていくか。今後の課題」

川島
 「女性系は、極端に過激か、極端にロマン的か」

市川
 「書店向けの商業エロマンガ誌で男性器に修正が入っていないものを見て、(だから同人の男性器に修正を入れなくても)いいじゃないか、となる。そんな同人は大抵、奥付がない。(そういった)女性系は(修正を入れさせるための説得に)長く時間がかかる。男性系は、修正を要請すると『はいはい』と素直なことが多い。*8 古いタイプの人間にとっては奥付があって当たり前だけれど、児ポ法個人情報保護法の関係もあって消えている。住所の記載もなくなっている。せめて最低でも、サークル名とメールアドレスと発行日はいる。(あれば)ホームページも。責任の所在を分かるようにしておくべき」

武川
 「(印刷所で奥付などがあるかチェックしているのかという質問に対して)チェックはしている。URLの時代になって、印刷所名を入れないことがある。日本語の印刷所名が入るとデザイン的なバランスが悪いのか知らないが。入れるべき」


中村
 「同人は新規参入で拡大してきた。その中で、これまでの経験が伝えられていない部分も出てきた。伝えていく必要がある。同人は個人活動が基本。“バーチャル社会のもたらす弊害からこどもを守る研究会”の報告書は一つのきっかけであるが、自主規制であっても縛りがあることは本来望ましくない。出来るだけ、個人の責任の範囲でやっていくのが理想」






第2部 「どうすべきなのか 有識者討論」

 司会は坂田文彦(ガタケット事務局代表、全国同人誌即売会連絡会発起人)。1部と同じく右端に着席。隣から順に斎藤環、望月克也(弁護士、松文館裁判弁護人)、伊藤剛藤本由香里三崎尚人(ライター、『同人誌生活文化総合研究所』主宰)、永山薫



永山
 「第1部を聞いて、何重のフィルターをかけて頑張っていると分かった。これまで外に向けたアピールをしてこなかったのは問題。同人が、現代日本の文化の土壌を豊かに育んでいることを表に出していくことについてもされてきていない。性表現が野放しになっていると批判する人に対して、いたずらに対決姿勢を強めてもいいことはない」


伊藤
 「いたずらに対決姿勢とっても利益がないという話が出たが、社会や世間に対して取り組みを見せるべき。第1部を聞いて、きめ細かい対応がされていると思った。過去には、同人は物陰でやっている意識があった。(だから詮索しないでくれという反論は)しかし、同人活動をする人たちも世間の一員。そして、研究会の委員も世間の一員。罵倒するのではなく、説得する相手。何故規制したがるのかまで踏み込んで考える必要がある。過激な性表現に愚かな人が影響される、という批判の背後には、自分の観たくないものを排除したい欲望があるのではないか。それは自覚をしてもらいたい。良識とマナーをもった規制を言ってもらいたい。研究会の提言が法規制から自主規制まで後退したのは、委員にマナーがあるということではないか」*9


望月
 「永山さんと同意見。松文館裁判に弁護人として関わるまでは、(漫画の過激な性表現に)ネガティブでゲリラ的なイメージだった。でも、誠心誠意もって対応していると分かった。外の人に誤った認識であることを伝えていくのは重要。みなさん、一度は法律に目を通して欲しい」


藤本
 「91年(の“有害コミック問題騒動”)当時に比べると、表現の自由に対する危機感が後退しているように思う。きちんと考えていかなくてはならない。同人は商業でないので何をやっても問題にならないと思われてきたが、専門店とネットの発達で(一般の人の目に触れるところへ)浮上してきた。表現の自由は何に対しても守られるとは限らない。名誉毀損はダメだし、表現に対する責任を負う。第1部で、BLはワイセツ罪に問われないという意識があるとの指摘があったが、刑法はワイセツの定義を男女の性行為だけに限っていない。摘発されたことがないのは、今までそうであるに過ぎない。青少年条例にはひっかかってくる可能性がある。表現者としての責任感を見せることが、規制を押し戻す力になる。商業誌より同人のほうが自主規制が厳しいというのは初めて知ったが、そこを広くアピールすることが力になる」

望月
 「刑法175条のワイセツ定義で、チャタレイ裁判判例はまだ生きている。性器、性戯もワイセツ要素として判断されるので、男同士の絡みは(ワイセツと判断される)可能性はある」


三崎
 「91年2月、無修正同人を販売していた複数の書店の人間5人が逮捕された。70箇所の関係各所が書類送検を受けた。幕張メッセで開かれていた頃のコミケに、千葉県警が事情聴取にきて、晴海に会場を移さざるをえなかった」


斎藤
 「(過激な性表現が性犯罪などを助長するのではないかという主張について)ほとんど研究はない。クラッパーの『限定効果論』は政治的な側面がある? (そのような主張を裏付ける)新しい根拠が出てくる見込みも今のところない。松文館裁判の判決で、昭和35年をピークに凶悪?犯罪の件数が減っているという記述がある。(過激なエロ画像を)ネットでいくらでも見れる時代に、犯罪件数は減っている。青少年への影響はかなり限定的。(意見陳述人で立った松文館の裁判では)ショタの概念を説明したが、そのようなことをするまでもなく明らか。(オタク文化は)性的欲望のエコノミー空間を自立して成立させつつあると考えている。純粋にマスターベーションを追及できる空間。自分を訪ねてくる患者に「俺は二次元だけでいい」という人がちらほらいる。これはこれで問題。研究会の報告書がナイーブ過ぎるのは、ネットで盛り上がっていてもリアルでほとんど知られることのないギャップについて。バーチャル(な性表現)は自ずと(現実世界から)隔離されていく性質がある。ゾーニングは必要だが、そこに価値判断や倫理を持ち込むのはおかしい。倫理は、最大限に表現の自由が確保された中で言われるべき」


斎藤
 「(性表現に規制をかけていくとどうなるか?という質問に対して)健全な性犯罪が増えると思う(笑)」

望月
 「表現の自由は一度侵食されると、どんどん侵食されていく。(どこまでは良い悪いを)線引きできない。書く側が萎縮する」

伊藤
 「表現がやせる。誰の利益にもならない。規制したい欲望に歯止めがいる。利害調整のためのゾーニングが必要」


藤本
 「今のところその動きは小さいが、児ポ法の規制対象にマンガやアニメ、ゲームが追加されることに本気で対応すべき。前に追加の話があった時、(子供時代のガッツがレイプされる描写のある)『ベルセルク』を引っ込めた書店があった。(やはり女子児童の集団レイプ描写がある)『舞姫テレプシコーラ』もダメになる可能性がある。追加すべきという話が本格的に出てくる前に利害調整に自覚的になるべき」


三崎
 「世界的にも稀有な同人文化。紙媒体で表現することに、これだけの数の人が参加している。ゴア副大統領のスピーチライターを務めた米ジャーナリストのダニエル・ピンクが同人に興味をもって、COMIC1に来場し、お気に入りになったサークルの名前を連呼していた。その数日後にあったコミックシティにも2日、参加した。*10 コミケに来場したローレンス・レッシグ教授に同人について米沢代表といっしょに吹き込んだら、帰国後の一時期、同人を評価する発言をしていた。“隅っこでやっていきますから”ではなく、言うべきことを言うべき。自主規制だけでなく、クリエイティビティを」


坂田
 「(児ポ法表現規制の対象にする18歳未満の児童に関連して)大人と子供の境界線の根拠を冷静に考えていくべきではないか。春画は明治以降、欧米に野蛮な国だと思われたくないがゆえに、排除された。時代によって(許される性表現の基準に)差がある。また、こういった(シンポジウムの)場を設ける必要があるかもしれない。(架空の絵の)チャイルドポルノが現実の虐待とまったく違うことをはっきりさせておく必要がある」






質疑応答

    • 修正の今後のあり方について

市川
「修正はだんだん薄くなっている。いろいろな修正の仕方がある。商業誌とも照らし合わせている。修正が世間に通るかどうかは別だが、やっていくほかない」

望月
松文館裁判ではアミカケの修正がアウトだった」

市川?
「そのことを考慮すると、現状の同人はほぼ全部アウトになる。修正は、故米沢代表のほうが厳しかった。商業誌は(いざとなれば)つぶしてしまえる。即売会には後がない。性表現が問題になれば、次が開けなくなる」*11



鮎澤
「同人も商業誌も区別していない。商業誌と同じように、成年向けであることを表示して、販売に際して身分証の提示を求めることもある」

川島
「基本は同じ。本はパッケージしている。18禁の本にはマークやポップをつけている」

中村
「アダルトサークルは、島中の通路に向かい合うように配置している」



    • アピールの今後のあり方について

三崎
「夏コミのカタログで報告する予定」

坂田
「連絡会のホームページで報告する予定」



市川
コミケが幕張の会場を追われたときから気にしている。(表現規制に対抗する)手を緩めれば、(同人の規制が)起きると思っている。アピールが足りなかったかもしれないと反省している。だからこそシンポジウムを開いた」

坂田
「(同人を)公けにしていかなくてはならないという意識がある。故米沢代表は『あいまいの良さ』を言っていた。今、それが失われてきているのではないか。(漠然としたものだった)刑法175条に輪郭がつき始めている。それでいいのかという疑問がある」

*1:終始、いかにもな企業広報部的コメントばかりで話から確固とした方針が見えず、個人的には何でこんな人を虎が寄越したのか気がかり。

*2:会場では役職の告知がなかったのでITmedia記事から補足。「2002年虎の穴入社。その後、同人誌担当として「個人出版課」に配属となり、2004年に責任者となる。2006年営業統括部の責任者となり、商業を含む業務を監督。」

*3:虎の社員もメロンのこの人も、まったく会社員然として所謂オタク臭さは皆無。ビジネスとしての同人誌専門店であることを改めて意識させられる。

*4:同じく補足。「警視庁を退職後、さまざまな職歴を経て現在に至る。現在、同人管理部営業課課長。同人販売に携わり10年、同人SHOPの黎明期から、現在に至るまでを肌で感じてきた。」

*5:正直、即売会の会場で実際にゾーニングが出来ているかを突っ込まれたら、返す言葉がないだろう。一方で、18歳未満の誰それに売った、という証拠を掴むのもそれはそれで難しいだろうが。この点は、どうすべきかという良いアイデアが浮かばない。

*6:PICOという印刷所がよくチェックさせるために送ってくるらしい。

*7:商業エロマンガの修正と同人エロマンガの修正は、志向するベクトルが基本的に異なることになる。商業は、売るために緩くする(もしくは無修正の)方向へ、同人は、即売会が開けなくなる危険を万が一にでもヘッジしておくため厳しくする方向へ。よって商業と同人は基本的に、互いの修正基準を参考にすることができないことになる。

*8:ここまでの、女性系同人の修正が甘いのはどうなの?というセッションは、研究会のターゲットが女子児童を扱った性表現であることを考えると、現状を俯瞰するという意味ではともかくちょっと脱線かな、と聞きながら感じた。もちろん今後、やおいが問題にならないということはないと思うが、頭の固い研究会委員にとっての“最前線”になっているかというと。ちなみに、女性向けエロマンガ商業誌はとっくに行政から目をつけられ始めている。東京都有害指定のコミックアムールとか。なぜ、やおいワイセツ罪に問われないという思い込みが一部にあるのかについては、単純に、ロリコンではないから、という推測が一つできるのではないか。過激なSEXのある♂×♂の大人の恋愛を、過激なSEXのあるペドマンガと、ワイセツの定義でひとくくりにされて抵抗しないことはないだろう。いっしょであってたまるか、という感情がありそうな気が。

*9:「研究会の提言が法規制から自主規制まで後退したのは、委員にマナーがあるということではないか」。うまい誉め殺しだなとちょっと感心した。

*10:これ、マジならかなりすごいんですがーって、ダニーのブログ(5/5)で“スカポン堂最後尾ダンボール看板”の写真が(笑)。「Start using these things in American shopping malls and airports and the national cortisol would drop significantly. 」アメリカでもショッピングモールとか空港で最後尾看板使ったらどうかってさ! hahahaha、ダニー、最高にcoolだよ!

*11:現状の修正対応を、世間が認めるか否かについて考え始めると、本音としてどうしようもなくなる気は実際する。大多数の同人がきちんと修正できていても、ほんの一部の修正されてない同人を槍玉にあげて規制を訴えることは十分可能なので。だからこそ、言い方は変かもしれないが“メインストリームの同人”が規制推進派側の目を引きつける活動をして、取り組みを評価させる必要がある。