「単純所持」と「譲受」で、実際の法運用の面において、どこまで本質的な差異があるのか?

児童ポルノ 譲受 - ウェブ検索



閑寂な草庵 - kanjaku - 児童ポルノ法改正問題を考える その1

もっとも、単純所持のうち、他人から提供を受けた場合に関して言えば、刑法理論上、これを絶対に当罰的でないと言い切ることはできないかもしれない。
提供した側は違法なのだから、必要的共犯(対向犯)たる譲受人も違法行為に加功しているのであり、仮に「児童ポルノ譲受罪」が新設されたとすれば処罰可能であるとも考えられる。
つまり、所持していること自体ではなく、「第三者に拡散させるという行為に加担した」という意味で、間接的に法益侵害を認めることができるのである。(因果的共犯論)

さらに、譲受罪ではなく、まさに単純所持罪という形で法定された場合、例えば道端に落ちていた児童ポルノ写真を拾って持ち帰っただけで処罰される。
これは、対向犯ですらないのであり、これを処罰することは決して理論上も正当化されるものではないだろう。
提供を受けてないのであれば、提供という犯罪に加功するものでもないから、どうあっても被写体たる児童の権利を侵害したとは考えられない。

児童ポルノ禁止法改正についての要望書(案) - でもやっぱりバカが好き!(はてなのほう)

2.譲受行為の違法化と、処罰の対象とすることの利点について

現行法では、譲受行為については違法および処罰の対象ではありませんが、児童ポルノを拡散させる点においては、提供者と同等の罪があるものといえます。したがって、譲受行為についても違法とし、処罰の対象とするよう要望いたします。(第七条)
これにより単純所持を違法化せずとも、児童ポルノの拡散を防止することができるものと考えます。
なお、捜査機関による法の濫用を未然に防ぐために、この条文の適用は本法改正以後に行われたものにのみ適用するのが適当であると考えます。
また、児童ポルノと知らずに受け取ってしまった場合には、この条文を適用しないように配慮が必要であると考えます。

「児童ポルノ単純所持処罰」規定の創設について - 奥村徹弁護士の見解

法益侵害の点では、単純所持行為よりも譲受行為の方が、児童ポルノを直接的に拡散させている点で法益侵害の程度が重いにもかかわらず、単純所持は許されないが、譲受は許されるというのは一貫性に欠ける。判例児童ポルノ取得行為には可罰性がないとする(福岡高裁那覇支部H17.3.1*1、大阪高裁H18.9.21*2)ところであり、取得よりも下位にある所持に可罰性を見いだすことは困難である。

複製されると流通危険が増すのが常識で、改正の際の立法者が児童ポルノの害悪を正確に理解しているのかははなはだ疑問であるが、これを前提にすると、姿態をとらせて撮影した者以外の者が所持しているだけというのは、処罰根拠が説明できない。3項製造罪にあたらない製造行為(複製・盗撮)は児童ポルノが生成されても処罰されないのに対して、児童ポルノが生成もされないし流通もしない所持行為を処罰するのは均衡を欠く。

4 奈良県子どもを犯罪の被害から守る条例

(1)法文
目的からは、子どもポルノ所持罪はポルノに撮影された者の害悪ではなく、ポルノ所持者が児童に対する性犯罪に向かう危険に着目した社会的法益に対する罪であることがあきらかである。児童ポルノ罪の趣旨・保護法益(撮影された者の個人的法益を重視する)とは明らかに異なることから用語を区別して「子どもポルノ」としている。
従って、この「子どもポルノ」条例の存在を以て「児童ポルノ」の単純所持罪を根拠づけることはできない。「子どもポルノ」と「児童ポルノ」とは似て非なるものである。
言い換えれば、単純所持罪を現行法の児童ポルノ罪の趣旨から導き出すことに無理があることを示している。

(2)実例
保護法益の違いをさておき、実際の処罰範囲を検討する。
捜査の端緒を考えると、実際には購入者しか検挙されない。
別件で押収されたPC・携帯電話から発見された児童ポルノを端緒とする場合、所持者自らが撮影した場合には、福祉犯・性犯罪を伴い、少なくとも3項製造罪で処罰されるから、単純所持罪が適用される場面はない。所持者自らが撮影したものではない場合には、何らかの方法で取得したものであるから、提供罪の対向犯としての譲受罪を設ければ、対応可能である。

【児童ポルノ】 「単純所持」、意図的に画像を得た場合に限り処罰対象に。アニメなどは調査研究義務を…公明党PT法改正方針★6

804 :名無しさん@八周年:2008/03/27(木) 10:26:25 id:UrLEPu4p0
>>789
画像取得行為の処罰と、画像所持行為の処罰って別なんだよな。
前者の罪名としては、児童ポルノ取得・譲受罪となり、所持行為は不可罰になる。
窃盗が盗品をそのまま持っていてもそのこと自体が処罰されないのと同じ。
>>1の公明PTの結論って、「単純所持罪」はダメ。「児童ポルノ取得・譲受罪」なら例外要件を細かく定めればどうにか許容される。ということなんだよな。

児童買春・児童ポルノ法改正に関する意見書

そもそも、単純所持の禁止が必要不可欠であるという国際合意はいまだ成立していません。しばしば誤った情報が(無知によるものか、意図的であるかは別として)流されているようですが、1(2)で述べた子どもの権利条約の選択議定書においても、「子どもポルノグラフィーを製造し、流通させ、配布し、輸入し、輸出し、提供し、販売し、または上記の目的で所持すること」を禁じるに留まっています(第3条第1項(c)号)。サイバー犯罪条約第9条においても、児童ポルノの譲受および単純所持に関する規定(第1項d号およびe号)については留保が認められています(第4項)。
なお、単純所持の禁止を(どうしても犯罪化が必要であるという明確な根拠が提示されないかぎり)宣言規定に留めることが確認・共有されれば、将来的にそのような規定を設けることもありうるとは考えています。しかし、次回見直し時の犯罪化の意向が一部立法者から明らかにされており、また適用除外規定の必要性等についてまったく配慮せずに犯罪化を求める主張が声高に唱えられる状況下では、処罰をともなわない禁止規定の新設も容認することはできません。せいぜい、正当な目的のない意図的な単純所持について付帯決議で非難する程度に留めていただくよう求めます。
むしろ、被害者保護の観点からも、児童買春・児童ポルノその他の性犯罪に関して有罪判決が言い渡された場合に、当該犯罪に係る児童ポルノの没収・廃棄を義務づけることのほうが必要かつ緊急であると考えます。しかし、この点について立法上の担保は存在しないようです。かかる点についてまったく配慮せずに単純所持の禁止を先行させるのは、むしろ被害者をないがしろにするものであると考えます。

煩悩帝國 - 【BLOG】帝國日誌

メールで送りつけられたのを犯罪対象から外すのであれば、本当に児童ポルノを収集
している人間にとってはさぞや有りがたい改悪になるだろう。自分で自分にメールして
メールサーバー内に貯めておけば法律の適用除外になるのだから。

「いえ、これは勝手に誰かから送られて来た物で、私は一切預かり知りません」で済む。

IPアドレスを偽装してメール送信が出切るサーバーがある上、数時間でこの偽装
データは消滅してしまう。この方法だと、まず自分当てに送ったとは立証できない。

改悪と書いたが、正に立法の意味を成さない。何の為に法律を作るのかでは無くて
とにかく成立させようとするから、こんな訳のわからない事になるのだろう。

この法律を制定しようとしている人間は法律知識も無い上に、パソコンの事も良く
知らない事が明白である。静止画なら、1GBもあればおそらく一生分の画像が
収集できる。

いまや数GBの無料サーバーなどザラにある。もし単純所持罪が成立したら、おそらく
収集家は、日本の規制が届かない海外のサーバーに”共有画像”をアップしてしまう
だろう。こうすれば”所持”にもならない。今度は一部の人間に秘匿されず公開される
のだから、確実に児童ポルノの拡散が広がる事が予想される。

現実に写真系の児童ポルノ雑誌を全滅させた時、これらの画像はそういったサーバー
上で拡散してしまい、もう消去は永遠に出来ない事態を招いている。本当に先が読めない
政治家は始末に終えない。自民・公明の作業部会はこんな事も判らないのだろうか?

何度も書くが、銃器や大麻は簡単に複製が出来ない。だが児童ポルノは幾らでも複製
できるし、複製の痕跡も残らない。つまり冤罪の温床になるという問題点は全然
解決していない。

現在の法案では「閲覧可能な状態での所持」を前提にして居ない。だから、パソコンを
持っていない人にでも、ICチップに児童ポルノを1GBも詰め込んで郵送するなり
もっと言えば、玄関先から家の中に投げ込みさえすれば、犯人に幾らでも仕立て上げ
られる事になる。なにしろ幾らでも「証拠」を作れるのだから。

仮にこれも「閲覧可能な状態での所持」にしてみても、事態は大して変わらない。

ちと悪辣な事を考えてみよう。銀がある人物を破滅させたいと考えたとする。
使用済みのケータイをタダ同然で入手して、画像フォルダにたっぷりと児童ポルノ
詰め込んで、その人物の住む敷地に埋めるか、若しくは所有する自動車のトランク
ケースに放り込む、或いはその人物が使用しているロッカーに隠し入れておく。

更に言えば、自分でどこか適当な駅のロッカーに「児童ポルノをたっぷり詰め込んだ
ケータイ」を入れておき、その鍵だけを上記方法で相手に知られないように、
こっそりと掴ませる。

あとは匿名で警察に密告すればどうだろう?難しい話になるが「占有状態」も所持に
該当するので、これらも立派な「単純所持」になる。メールで送られたなんて言い訳
も、これだと通用しない。

相手は「こんなの身に覚えが無い」と当然言うわな?でも警察がそんな言い分を
素直に聞く訳ありませんね。痴漢の冤罪すら後を絶たないんですから。

では今度は「身に覚えが無い方法でケータイ等の小型機器を送付された場合は摘発外
」なんて規定でも作るのだろうか?(笑)そしたら、収集家はみんなケータイに収集品
を保存するわな。もうわけわからん。

そもそも「収集の意思」なんてどうやって立証するつもりだろう?結局は”量”で判断
するとしか考えられない。ファイルの保存日時は幾らでも改竄できる為、収集期間
なんて判別しようが無いのだから。では有罪の量とは?静止画なら1GBもあれば一生
分困らないと銀は思う。となると小指の先ほどの小さなカード型メモリに入ってしまう

つまり”収集の意思”なんて意味を成さない犯罪用件だと断言する。実際に立法化され
たら収集の意志があろうとなかろうと、1GB持っていれば

「はい、あんたには収集の意志があったとみなします」で終わりである。

最初から銀は言っている。単純所持を規制するのは無理がありすぎる!!