COMIC ino. 6月号


新創刊特別付録のいぬぶろ小画集に収録された、少女天国時代の歴代表紙と比べればよく分かるが、煽情させる要素を極力省こうとしている、このino.の表紙。ホワイトの絵の具を少女の顔に少々垂らしてみたりしてはいるが、まさに絵の具そのものの硬度を再現していて、エロスを感じさせるような液状ではない(過去の幾つかの表紙を見れば、いぬぶろにザーメン的な液状を再現するテクニックがない、という訳でないことは分かる)。キャッチコピーは少女天国時代の「つるぺただけどとってもH!!」から、「オトナへの抵抗」に。エロスを抑えた表紙といい、社会に対してコミットするようなコピーといい、細身のフォントでよりスタイリッシュになった題字といい、ロリエロマンガの最先端をいくエルオーを多少なりとも意識しているのかもしれない。
せっかくの新創刊の面子に犬星がいない(ゼロエクスでも描くようになったし)のは正直、どうよだったが、それでも1年前くらいの少女天国時代の「買わなきゃ良かった」感などはなく。ゴージャスは、同人のペーパーとか後書きでやってるほうのエッセイ風マンガで登板(エロマンガと交互掲載と)。回りきれなかった冬コミのサークルスペースでそんなことが。山下クロヲを商業で久々に読めたのでうれしい。テカテカに腫れ上がった痛痒さの快感が持ち味。GIGA69時代の原稿を集めて出してくれないかしら。きりりんは一種のNTR後の純愛といった話。しかしコマ運びが巧みだ。巻頭カラーの滑空は好きな作家ではあるけど、合意の出来てる幼女とカラオケボックスの閉鎖空間でやりまくるというシチュエーションが、あまりエロくない。一番エロかったのはみなすきぽぷり。ざんばらの髪を気にしない元気少女の瑞々しさを、陰影を描き込んだアンバランスにリアルなチンコがなぶる最中も、1ページ毎にそれぞれの心の交換が行われていく(エロカーブの上昇と比例関係で)。あと、ハッチとがたやんとてっちゃん、あたりですか良かったのは。つか、並べると、友達のあだ名呼びみたいだな。次号で田倉まひろが描くそうなので期待。ゴージャスの次号掲載分は田倉と合作ってどういう意味だろ?

COMIC ino. (コミックイノ) 2008年 06月号 [雑誌]

COMIC ino. (コミックイノ) 2008年 06月号 [雑誌]