擬人化っても色々だわね。


昨日の呑みで「擬人化」についてちょっと不正確なことを口走ったかなと考えてしまったので、簡単にまとめ直してみる。


昨日は「ちょこっとヒメ」の擬人化を掘り下げたいという話について、じゃあ、「じゃりン子チエ」の小鉄やアントニオJrたちについても取り上げないと!、みたいな要求をしてしまったのだけど、よく考えてみると、「じゃりン子チエ」で擬人化された猫たちは、チエやテツたち西荻の社会・生活構造の模写・カリカチュアという側面が強くて、もう、猫だまりレベルの社会粋を超えているのだよな。九州の廃れた炭鉱町でダイナマイト持ち出して地元猫ヤクザと関西出張猫ヤクザたちがドンバチやって小鉄が「用心棒」的ヒーローイズムを発揮したりするようなマンガだし。
ちょこっとヒメ」の擬人化では、猫耳をはやした可愛らしい見かけの少年少女が人間っぽい喜怒哀楽を見せるけど、その喜怒哀楽の源泉はあくまで猫としての生態に則ったところにある。間違ってもアントニオJrのように旅行に出る際に携帯する保存食としてユリネのいない間に自分でお好み焼きを焼いたりはしない(笑)。野良視点と飼い猫視点の差、アウトサイダー視点と生活者視点の差がそこにある。



で、もうちょっと話を進めようかなぁと思って部屋の本棚を見回すと見つかった「プ〜ねこ」。これ、「人間との置き換え」+「生物」に入るか? 早々にカテゴライズ不能な擬人化マンガが出てきて困った。リアルタッチできちんと4つ足で歩く猫につっこませることで、大体のことはアリになってる。「我思う故に我在り」といった小難しい実存ネタを振って、4コマ目で結局おいしそうに煮干しをポリポリやってる猫の姿で落とすような落差は、これがこの猫でなければ出ない。ただの嫌味なシニカルサブカル日常4コマになりかねなく、えーと、そのあたりの妙技はそれとして、そんなマンガだからアフタヌーン6月号で「チーズスイートホーム」とコラボしたマグネットアイテムとかはちょっと無理があるよね!






*1:いわゆる、助けた野良猫が一夜限りのご恩返しとして美少女に変身→ご奉仕するにゃん♪……とかそんなやつ。